89話 エリーの花園なんだが
89話です! 木曜日に投稿出来なくてすみませんでした!
何事もなく、街に入ることが出来て現在宿の中にいる。この宿はほとんど街に行ったことがない俺でも分かるほどに高級な宿であった。……お金大丈夫なのかな?
コールディの街の雰囲気はドナンドの街と比べて少し活発な気がした。奴隷の売買がないからか単純に領主の手腕が良いのかは分からないが活発であるのだから問題ないはずだ。
「まだ昼だからどこか行ってみるか?」
「ん? 行っていいのですか?」
「ああ、ただし絶対に離れないようにな」
「はい!」
……父親は分かると思うのだが会話の相手はマインズなのだが……やはり違和感が凄い。いつもこんな感じなら良いのに……いや、それはそれで堅苦しいか。
「ほら、カイもぼーっとしていないで準備して行くよ」
「はい」
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宿から出て、皆が馬車に乗る。宿の横に馬車の駐車場があり、家の馬車以外にも馬車が並んでいる。馬車の中には家の馬車の2倍程の大きさをしたものもあった。ちなみに家の馬車は馬なしで5m程だ。そんなに大きくする必要があるのかと思い、父親に聞いてみたら商人が商品を扱う時に使う馬車らしい。前世でいうトラックかな?
「さて、街の観光地でも周ってみるのはいいのだが、どこに行こうか」
「そうですね。たしかこの先にある建物が観光地だったはずです」
「エリーの花園の事か。あそこは綺麗だから行ってみるか」
エリーの花園って何だ? 花園だから一面に花でも咲いているのかな? 父親に聞いてみると大商人の夫人であるエリーという人が街の中心の私有地を使って花園を作り、多少お金を払うことになるが一般開放しているそうだ。規模が大きく、年中花が咲くように作っているため大変人気らしい。
「お、見えてきたな」
「やっぱり綺麗……だな」
「そうだね兄さん……」
「おお……」
今まで建物と人々がほとんどだったが、前方に見えてきたのは色とりどりの花畑だった。一つ一つの花は小さいが数が多いからかとても鮮やかだ。でも花畑の所には人がいないな。流石に進入禁止か。
後、エリーの花園の大きさが凄く大きい。少なくとも野球場の大きさよりあるぞ。全部回るとしたら大変そうだな。
父親がイリスに花園の横にある駐車場に止まるように指示をして、馬車を止める。そして、馬車から降りる。馬車に乗っている時よりも歩いている人が多く感じるな。兄さんたちを見ると街の中だから落ち着いている……いや、少しそわそわしているな。
「それでは行こうか。くれぐれも離れないようにな」
そんな兄さんたちに気づいたのか父親が注意をする。
「カイは特に気を付けろよ?」
「え……俺?」
「ああ、年齢の割には聡明だから迷子にならないかもしれないが、背が低いからな。中は混んでいるみたいだからくれぐれも見失うなよ?」
「うん、勿論」
「イリスもカイの事は特に気にしておいてくれ」
「かしこまりました」
少し過保護な気もするが……いや、一番誘拐しやすいのは幼児なのだろうから妥当なのか?
他にも花畑に入らない事や草を抜かない事などの注意を聞き、エリーの花園の中に入る。中は人々が通る所以外は草花でいっぱいであるが、乱雑に生えているわけでなく、見る人に対し気を配っている事がよく分かる。また、看板が所々にあり、生えている草花のについて書いてあり、読んでみるとかなり詳しく書かれている。
また、花園の中は人が大勢いて、花に夢中になっていたら迷子になりそうなほどだ。確かにこれは気を付けないといけないな。
「カイ、その花を見てみなさい。面白い色をしているよ」
マインズ兄さんがそう言い、花に指を指していたのでその花を見てみると。
「何この花……」
そこには度々色を変えていく花があった。花の形などは普通の花と変わらないのに……。
「この花はマゲキというらしいよ。見る位置によって大きく色を変えるみたいだね」
「不思議だね……」
こういうのを何というのだったか……レンチキュラー? いや、違う気がするな……思い出せない。
「ほら、マインズとカイ、そろそろ次行くぞー」
父親の方を見ると既に3m程先にいた。これ以上離れると迷子になりそうだな。早く父親の所に行こう。
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「ここらで休憩しようか。丁度座る所があるからな」
20分程花を見ながら歩いた所で父親がそう言った。今まで歩いてたから座りながら見てもいいかもしれない。
「イリス、済まないがあそこに飲み物を売っている人がいるから人数分買ってきてくれ。勿論イリスの分も買っていいからな」
「かしこまりました」
「飲み物ですか。いいですね」
「落ち着いて飲めそうだね」
飲み物か。ここで飲む飲み物は格別だろうな。ただ冷やしてないと思うからぬるい所が残念なところかな?
飲み物を買っているイリスを見ているとこちらに近づいてくる人がいることに気づいた。
「これはこれは、こんなところで会えるなんて思ってもいませんでしたぞ、フェンド殿」




