88話 コールディの街に入るんだが
88話です! 半分説明回です。
11/30投稿予定だったものはリアルで忙しくなってしまったので投稿出来ません。申し訳ないですが次回は12/2になります。
コールディの街に向かって馬車を走らせること10日、遂にコールディの街が見えてきた。軽い丘を下った所にコールディの街があるため、街の風景が良く見える。街の規模はドナンドの街よりも大きそうだ。そして街を囲っている壁があり、4方向から馬車が並んでいるのが見える。おそらく入り口が4つあってドナンドの街同様に検問が行われているようだ。
ここに来るまで時々ゴブリンなどの魔物や盗賊が襲ってきたりしたが全て父親が瞬殺した。父親が瞬殺している間俺たちは馬車の中にいたので殺すところは見ていない。この機会に盗賊とはいえ人の死体を見ておいた方が良かったかもしれないがそれを思いついた時は馬車が出発した後なので完全に手遅れだった。一応言っておくが死体を見て喜ぶとかそういうものでなく見ても戸惑わないようにするためだ。
魔物や盗賊以外にも父親がすれ違った商人たちと取引をして食料を買ったり、父親が取ってきた兎を食べたりと普段とはかなり違う父親の一面が見れたからそれだけで今回コールディの街に行ってみて良かったと感じた。……まだ着いてすらいないが。
「ようやくコールディの街が見えてきたな」
「ようやくかー! 馬車の中は退屈でしょうがなかったぜ」
確かに馬車の中は退屈だった。早朝や夜は素振りなどをして体力は落ちていないと思うがそれ以外は基本的に馬車の中でずっと揺られていたのだ。本などを読めばいいかも知れないが、父親はまだしも兄さんたちがいるので読めなかった。それに馬車の揺れがかなり大きいので本を読んでいたら多分気分が悪くなってしまっていただろう。
街に段々と近づき、馬車が並んでいる最後尾に俺たちが乗っている馬車が止まった。とはいっても数台だけなのですぐに入れそうだ。
「マインズ、街に着くのだからそろそろ口調を整えろよ」
「あ……、分かりました」
マインズ兄さんが敬語を使っている……だと1? マインズ兄さんの友達がからかっていた時にちゃんとやってると言っていたが……本当だったのか。
「ふふ、兄さんがそうしていると違和感が凄いね」
「フレッツからかうなよ……俺だって似合わないのは分かってんだよ……」
「マインズ、口調」
「あ……」
……すぐ口調戻ったけどパーティーの時は大丈夫なのか? 少し不安になってきた。
「そろそろ着くのだからくれぐれも貴族として恥ずかしい行動をしないでくれよ?」
「分かってますよ」
「勿論」
「はい」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これは馬車の中で父親に聞いた話になるがコールディの街は唯一奴隷の売買が禁止である街らしい。
なぜこのようなことになっているのかと言えば過去に国王様が領主に何が欲しいのかと聞かれた時に奴隷の売買を禁止して欲しいと頼んだそうだ。流石に国単位で奴隷の売買を禁止したら反発が来てしまうのでコールディの街だけ売買が禁止されたそうだ。もし、この街で売買がされた場合、死罪よりも少し軽い鉱山送りになるらしい。鉱山送りになると酷い環境下で朝起きてから寝るまでずっと肉体労働することになるらしい。勿論そんな待遇では死亡率も高く、精神的なダメージも大きいらしいので実質死罪よりも辛いらしい。……それだけ辛いと奴隷の売買はいないと思うのだが過去に何回か捕まったそうだ。必要ないリスクを負ってまでやる人がいて驚いたよ。
ちなみに奴隷の売買は禁止されているが奴隷を持つことは禁止されていない。なのでイネアたちが街に入っても罪にはならないらしい……住民から白い目で見られるそうだが。まあ、奴隷かどうかの判断はその人の清潔さや服装で判断するそうだからメイド服だが清潔なので全く問題ない。
他にもコールディの街の特産品や、観光地なども教えてもらったが……それは言う時が来たら言えばいいな。




