86話 1ヵ月程出掛けることになったんだが
86話です! 後30話~50話くらいで王都まで行けたらいいな。
次の日、夕食前に話を通したおかげで無事に魔法の練習をすることになった……昼食の後に。稽古を終わってすぐに昼食なので大変そうだ。
そして今、俺と母親は椅子に座って机の上に魔法関連の本を数冊置いている。勿論これからやることは魔法の練習だ。
「魔法の練習をするのはいいけれどカイはどこまでできるようになったの?」
この部屋には2人しかいないので遠慮なく聞いてくる。専属であるイネアは他の所で稽古をしているらしい。……頑張ってるなあ。
「中級者用の本に乗ってる魔法のほとんどは詠唱でなら出来るようになったよ。ウェポンやシールドなど普段から使っている魔法は無詠唱でも行けるよ」
「もうそんなに出来るようになったのね……。逆転の方はどうなの?」
「逆転はあまり試していないけど身体強化だけだけど無詠唱で出来るよ」
「なら少なくともこの国では同い年の中でだけど一番魔法が使えるかもしれないわね」
まあそうだろうな。たしか5歳で中級が出来れば天才だったか? なら俺と同じくらいできる人は神童クラスだ。転生者でない限りだが。
「だけどいくら魔法が使えたとしても自慢したり威張っちゃ駄目よ? 余計な反感を買うだけなんだから。逆に少し謙遜した方がいいかもね」
「勿論そんな事はしないよ。魔法を使えるために頑張っているのは冒険したり、アルティ族の禁忌を何とかするためなんだからね」
「……カイ、冒険することは知っていたけどアルティ族の禁忌の事は聞いてないのだけどどういうことなの?」
突然母親の声が少し低くなったような……もしかして怒ってる?
「……あれ? 言ってなかったっけ?」
「ええ、言ってないわね。私、その事は話してないと思うのだけどどこで知ったの?」
……あー、これはやってしまったな。そういえばイリスから内緒と言われたんだったな。……どうにかして誤魔化そうか。
「シンディの称号を見た時に知ったんだよ。母上も知っているのなら教えてくれればいいのに……」
「それは悪いとは思っているけれど……本当にそうやって知ったの?」
「うん、そうだよ」
「……ならそういう事にしといてあげる。だけどアルティ族の禁忌は誰も無くすことが出来ていないのよ? それでもやるの?」
「うん、勿論!」
アルティ族の禁忌による代償を何とかしないとシンディが早死にしてしまうからね。そうならないためにも今の内から頑張っていかないとな。
「そう……なら頑張りなさい」
「うん、頑張る」
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「あ、そういえばカイ、来週に出掛けることになると思うからそのつもりでお願いね」
「……え? どこに行くの?」
魔法の練習が終わり、母親が部屋を出ようとした所でそんな事を言ってきた。
「場所はコールディという街ね。ドナンドより東に行ったところにある街よ。大体1ヵ月程は掛かると思って頂戴」
「1ヵ月も村を開けて大丈夫なの?」
「私は行かないから大丈夫よ」
「母様は行かないんだね」
母親は残るのか。なら安心だな。とりあえず1ヵ月も戻ってこれないのなら色々と準備をしないとな。後、1ヵ月程だったら野営もすることになるのかな? なら道中も色々なことがありそうだな。
「ええ、守れる人がいなかったらいざという時に対応出来ないからね」
「たしかにそうだね。その街には俺以外に誰が行くの?」
「フェンドは勿論、マインズとフレッツも行くことになっているわ。後はメイドたち数名付いていく事になるわ」
兄さんたちも行くんだな。なら道中が賑やかになりそうだな。
「兄さんたちも行くんだね。後は……そもそも何でコールディという街に行く事になったの?」
「今回行くことになったのはフェンドがコールディ伯爵主催のパーティに誘われたかららしいわ。まあ、顔合わせだと思うわ。だからくれぐれも転生者なことをばれないようにしなさいね?」
「ちょっと待って、そういうことは5歳まではないんじゃなかったの?」
転生者がばれるかもしれないイベントは王都しか聞いてないんだけど!?
「それはたしか突然招待状が送られてきたからしょうがないわ。フェンドも招待状が来たことに凄く驚いていたわ。まあ、鑑定されない限り転生者とは分からないはずだから安心しなさい」
それなら安心だ……無詠唱で鑑定を使われない限りは。
「無詠唱で見られたら対処できないけどその場合はどうしたらいいの?」
「無詠唱で使える人材は宮廷魔導士しか使えないと思うわ。もし宮廷魔導士がいた場合は……その人に触らないようにしなさい」
もうそれって祈るしかないじゃん……。
「いざとなったらフェンドを頼りなさい。きっと何とかしてくれるわよ」




