78話 久しぶりの狩りなんだが(下)
78話です! 思ったよりも長くなりました。
イリスに怒られてから死んだ鼠を解体して肉と魔石を持つ。ちなみにこの鼠の名前は土鼠という魔物で食べると美味しい。魔石の方も鑑定で調べたら土の魔石(小)と出たので中々いい結果だ。
現在は2時半でまだ狩りをしても大丈夫な時間なので次の魔物を探していく。とはいっても俺が倒せるレベルの魔物はあまり見つからな……いや、見つかった。この感じはまた土鼠かな? 5m程の所から覗くようにこっそり見ると土鼠だ。先程は身体強化の調整を間違えたので今度こそ成功させるために同じやり方で倒してみよう。
ウエポンの魔法で短剣を作りだし、身体強化で一気に土鼠の元に向かって走り出し、一気に土鼠の首元に突き刺す! 今度は身体強化の調節を間違えずに使う事が出来たな。さっさと解体して次行ってみようか。
さらに進むとまた魔物の反応だ。さっきまで魔物が出なかったことが嘘のようだな。
今度は土鼠よりも体格的にも魔素の量的にも大きいな。ゴブリンより魔素の量は大きくないがこれは気を引き締めないといけないな。
イリスにハンドサインをしてから魔物が見える位置まで慎重に進んでいく。
そして見えてきたのは1mを超えそうな程の大きさをした蝸牛だ。名前は……光の反射によって殻が虹色に見えるからもしかして虹蝸牛かな? だとしたら珍しい魔物だな。たしか肉がコリコリとして美味であり、殻の方も魔石を集めるよりも高く売れるらしいので食材的にも金銭的な意味でも美味しい魔物だったはずだ。そして会おうとして会えない魔物なので会えたらラッキーという魔物だ。そんな魔物を倒さないなんて選択肢はないな。虹蝸牛は物理方面ではかなり苦戦するらしいが魔法を使うことが出来るのなら大人1人でも余裕で倒せる程の強さらしいからな。
虹蝸牛はまだこちらに気づいていないようだ。なら魔法を詠唱して攻撃させてもらおうか。ウエポンは先程使ったので風矢を詠唱して……発射! さらに武器加速で速度を上げて確実に倒す!
放った風矢は綺麗に虹蝸牛の頭に突き刺さり、体液を飛び散らせる。痛みでかなりもがいて、殻に体を引っ込ませた。……脳天に当たっても死なないのか。それとも脳天まで届かなかったのか?
いずれにしてもまだ虹蝸牛は死んでいないので先ほどよりも魔素を込めた風矢を作りながら相手の動きに注意する。そして風矢が出来たので再び武器加速で威力を上げて殻の口の所を狙う。
風矢は殻の口に引っ込んでいた体に当たり、体だけでなく殻をも貫通して地面に刺さった。そして風矢が開けた穴から先程よりも多くの体液が出てきた。虹蝸牛が死んだかどうかまだ分からないので少し様子を見てみようか。
「イリス、これで殺すことが出来たと思う?」
「私にはもう少し様子を見なければ分かりかねますが、カイ様でしたら探知で分かるのではないでしょうか?」
え? 探知……あ、虹蝸牛の魔素が魔石からしか反応ないな。これは死んでいる証拠になるのか。……初めて知った。
「あー、うん。死んでるね。解体しようか。流石に大きいからちょっと手伝って」
「かしこまりました」
虹蝸牛の体液の臭いは少し臭いので急いで解体をする。そして臓器などの要らない物、肉、魔石、殻に分けていく。荷物の関係上これ以上の探索は出来なそうだな。殻の部分だけでも10kgはあり、肉の方は20kgもありそうだ。内臓などを取ったにもかかわらず凄い量だ。肉はそのまま持たずに事前に持ってきた籠に入れておく。今回狩った虹蝸牛は平均程の大きさだ。そしてこの虹蝸牛1匹だけで冒険者が1週間ほど暮らせる程の値段がするので今まで狩ってきた中で一番収入があるな。……売るのは勿体無いので売らないけどね。
「イリス、この量だともう狩りは大変だから帰ろうか」
「そうですね。……カイ様、肉の方が重たいので私が持ちます」
「いや、イリスは殻の方を持っていて欲しいな。イリスが身軽でないと魔物が来た時危ないからね」
肉は20kgあるが身体強化を使えば十分持てる。探知と同時に使うと少し疲れるけど帰るまでに魔素が切れなければいいので問題ない。それよりも魔物に襲われた時に身動きがまともに出来ないと危ないからな。
それに3歳でも男として重たい方を持ってあげたいからね。まあその事は口にはしないけどさ。
ただ肉や殻が大きいので他の人に見られたら言い訳が出来ないな。だからこっそりと帰らないと。探知で魔物がいるかどうか確認しながら進んでいく。帰りにゴブリンが出たら困るなあ。出ないと良いのだが……。そう思ってしまうとフラグになってしまうかな?
そう思いながら森の中を慎重に進んでいき、森から出る。どうやらフラグは回収されなかったようだ。そんな事よりも今は殻や肉を見られないように急いで家に運ばないとな。
イリスに走るように言い、走って家に帰る。肉などは皆にばれないように置いてから肉の臭いなどがついている服を脱いで着替えておく。幸い帰って来たところは誰にも見られなかったようなので良かった。もしかしたら母親が根回しをしてくれたのかもしれない。だとしたら感謝しないとな。




