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72話 土掘りなんだが

72話です! 感想、評価、ブックマークありがとうございます。

「……899、900! よし、素振り終了だ。少しの間休憩していなさい」


 翌日、軽く準備体操、ランニング、素振りと一昨日と同じように稽古は進んでいった。1回だけでも稽古を受けたからなのか以前よりも少し余裕がある気がする。でもそれは体力の限界から少し余裕があるだけなので今のうちに呼吸を落ち着かせて少しでも体力を回復させないとな。魔法を使ったら色々と楽なんだろうけどみんなの前だからなあ……。


「あー疲れるー!」

「そうだね。一昨日より素振りの回数が半分以下になったけどそれでも大分辛いよ」


 兄さんたちがその場に座り、メイドさんからもらった瓶に入った水を一気に飲む。俺も今のうちに水分補給をしないとな。イネアは同じように稽古をしていたのでイリスから水をもらう。稽古の後の水は一段と美味しく感じるな。


「カイ、疲れたらちゃんと言うんだぞー?」

「うん、一昨日みたいに倒れないようにするー」


 一昨日は倒れたから少し心配なのかな? 稽古が辛いことには変わりないけれど倒れるレベルではない。


「にしても本当カイって体力あるよね? 今まで何か体力が付くようなことしていたのかな?」

「んー、お母さんがカイを連れて何処か出かけていた時があっただろ? その時に体力が付いたのかもな」

「あー、確かにそうだったね。でもそれだけでここまで体力付くものなのかな?」

「だとしたらお母さんが何か教えていたのかも知れねーな」


 確かにそろそろ3歳児だが2歳児が1時間程も走って、素振りも4000回頑張ってやっているのだから少しおかしく感じるのも無理ないかも知れない。俺だってもしもシンディが俺と同じくらい動いていたらおかしく感じてしまうな。


「カイ、今まで何か体を動かすようなことしたか?」


 マインズ兄さんが聞いてきたけどどう答えるべきかな? 兄さんたちは母親が俺を連れて何処か行っていることは知っているみたいだから一緒に歩いていたと言おうか。事実一緒に歩いていたからね。


「母上と一緒に歩いたくらい?」


 少し首を傾けながら言ってみる。


「一緒に歩いたのかー。それだけじゃここまで体力付かないよなー。……何か称号が付いていたりしてな」

「称号って……あのステータスというものの事?」


 この流れはいけない……! 兄さんたち個人でばれるのならまだしもここにはメイドさんたちがいるからどこから情報が零れるか分かったものじゃない。


「みんな休憩終わりだ。稽古を再開するぞー。ほら、立った立った」


 父親ナイスタイミング! タイミングを狙っていたのかもしれないが助かった。稽古をすれば今の疑問は忘れるかもしれないから父親頑張ってくれ! ……俺が倒れない程度に。

 とりあえず立つか。次は何をするのだろうか? また木刀を使うのかな? 念のために木刀持っていよう。……手が痛いなあ。豆出来てるのか? ……うわ、出来てるよ……。潰さないようにしないとな。


「次はこのスコップを持ちなさい。ああ、木刀は後で片付けるのでその場に置いておきなさい」


 え? スコップ? スコップがあったことも驚きだが稽古に何をするつもりなんだ? というかスコップの大きさが俺の身長より少し小さい程度だから掘るのが大変そうだ。


「今からやることは土をある程度まで掘ってから埋める作業を繰り返すという稽古だ。自分が掘れる分だけでいいから掘ってそれを埋めなさい。それでは開始」

「これ疲れるから嫌だよなー」

「掘るだけならいいけどせっかく掘ったものを埋めないといけないからね」


 ああ、そういえばこんなトレーニング方法あった気がする。どこで見たんだったか? ……思い出せないな。まあとりあえずやってみようか。


 スコップを持って……スコップも重いな。スコップの重さを利用しながら足元の土に刺してみる。土が硬い上に小石などがあり、思うように掘れない。兄さんたちを見ると慣れているのか既に大分掘れている。何かコツなどあるのだろうか? 分からないが出来るだけ掘ってみようか。気合で何とかなるだろう。


 掘り始めて30分程でようやく30cm程掘れた。思っていたよりも疲れる作業だ。気合だけで土を掘り起こしていたのだが腕が既に限界に近い。気合だけでは駄目だったか。

 兄さんたちの様子を見てみると既に50cmはいっておりまだまだ余裕そうだ。どうしてここまで差が付くのだろうか? メイドさんから水の入った瓶をもらい、飲みながら兄さんたちの掘る様子を観察してみる。


「フレッツ、そろそろ埋めねえか?」

「もうかなり掘ったことだしそうしようか」


 もう埋めるのか。まあ50cm程を地上からさらに掘ることは子供にとっては辛いのかもしれない。俺も30cm程からさらに掘るのは辛いので休憩終わったら埋めてみようかな。

 兄さんたちが埋め終えて、また掘った所を見て分かったことが体全体を使って作業していることだ。俺の場合は腕のみでやっていたので体力がすぐに尽きてしまったみたいだ。これで少し楽になるのかもしれないと思い、また掘り始める。


 おお、先程よりもかなり楽に掘れるぞ。それに腕もあまり痛くならないな。このやり方なら何とかなりそうだ。よし、体力の続く限り頑張ってみようか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よし、ここまでだ。掘っている途中ならもう埋めていいぞ。そろそろ食事の時間だから手を洗って着替えてからリビングに来なさい」


 軽い休憩を入れてから1時間程。ようやく終わったみたいだ……。腕だけでなく体全体が疲れているが早くリビングに行かないな。とりあえず掘った土を埋めるか。


「やったー! 飯だ!」

「兄さん! まだ埋めてないからまだ手を洗いに行っちゃ駄目だよ!」

「フレッツ……代わりに埋めてくれね?」

「駄目です。自分でやってください」


 マインズ兄さんが稽古が終わったことに喜んで手を洗いに行こうとするがフレッツ兄さんに呼び止められる。すぐに手を洗って飯を食べたいからかフレッツ兄さんに土を埋めることを頼むのだがまあ駄目だろう。俺やフレッツ兄さんだって早く手を洗って昼食を食べたいからな。


 よし、掘った土を埋め終わったから手を洗って昼食を食べに行こう。

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