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68話 初めての打ち合いなんだが

68話です! 正直剣の事はほとんど知らない素人なのでご了承ください。

「いつも通りフレッツとマインズは準備体操から始めてくれ。カイは色々と教えながらやっていこうか」


 兄さんたちに木刀を2本渡して、俺にも木刀を渡した。少し軽い物だと思っていたが結構重たい。実戦で使う剣の重さになるように作ってあるのかな? だとしたらありがたいのだがこうも重いと振るだけで体が持ってかれてしまうな。兄さんたちを見ると木刀を地面に置き、既に準備体操を始めている。流石年単位で稽古をしているだけあるな。


「はは、流石に重たいか。だがその重さは大体ショートソード位だ。長さは少しショートソードよりも長く作ってもらっているけどな。」


 これでショートソード位の重さなのか。ステータスが同年齢の人よりも高いにもかかわらずこれだけ重たいのなら兄さんたちはさぞかし大変だったのだろうな。


「まずは……カイがどのくらい出来るか分からないから打ち合いでもしてみようか。」

「え? 最初から!?」


 いきなり打ち合いだとは少し予想外だ。最初は木刀の持ち方か力をつけるためにトレーニングでもするとばかり思っていた。

 

「そうだ最初からだ。カイがまだ何も教わっていない状態でどこまでできるのか知りたいからな。ほら、構えた構えた」

「はい!」


 とは言ったものの木刀以前に剣を持ったことなんて……魔法のウェポンで作った剣しかないぞ。とりあえず思い切り握って構えてみるか。……やはり重たいなあ。このまま木刀を振ったら体が持っていかれそうだ。なら逆に木刀の重さに合わせて体を動かしてみるか? かなり難しそうだがそれが一番よさそうだな。素人レベルの考えだが出来るだけ頑張ろう。出来れば木刀以外にも魔法を使いたい所ではあるが、隣で準備体操をしている兄さんたちに見られるといけないので使うことは出来ないな。それに今回は俺が木刀だけでどれだけ戦えるのかを知るために打ち合うのでどちらにしても駄目なんだろうな。


「よし、構えたな。では来なさい」


 5m程離れた所で父親が木刀を構えたことを確認して、俺はイノシシの様に全力で走る。下手にフェイントを入れてもバランスを崩してしまい、やられてしまう未来しか見えないから真正面から打ち合おう。


 どんどん父親に近づき、木刀と木刀がぶつかり合う距離になった瞬間、父親の木刀が俺が攻撃しようとしている場所に移動して、木刀と木刀がぶつかり合った。

 大人と子供が打ち合うので当然こちらが力負けをすることは分かりきっているのでぶつかり合う瞬間に重心を後ろに持っていき、バランスを崩さないようにしたが、木刀の重さのせいでバランスを少し崩してしまう。


 父親はまるで俺がバランスを崩すことが分かったかのように木刀で攻撃してくる。慌てて木刀で防ぐがそのせいでさらにバランスを崩してしまう。木刀の軌道が微かに見えているので本気で打ち込んでいるわけではないのだろうが父親の動きに体があまり反応できていないので避けることが出来なくてかなり辛い。


 一度後ろに下り、崩したバランスを急いで整える。父親がまた攻めてきたので今度はそれを利用しようと思い、今度は木刀を軽く握りぶつかり合う。一瞬で押し負けるのでその前に腕を軽く捻り、体に当たらないように無理矢理受け流しをしてそのまま剣の重さを利用して攻撃する。


 これで当たるかと思ったが、父親は半歩下がりそのまま避けた。俺はかなり前よりになっている重心を元に戻そうとするが簡単に止まることが出来ずに転んでしまう。まずいと思い、急いで起き上がろうとしたところで眼前に木刀があった。


「ここまでだな。よく頑張ったな」


 父親はそう言い、手を差し伸べてくる。明らかに格上との打ち合いだったとはいえ負けてしまったことがとても悔しいが今の自分の力量がよく分かったと思う。それに反省点が沢山あるからね。とりあえず今は立ち上がろう。

 俺は父親の手を握り立ち上がり、転ぶ際に顔に着いた土を拭う。


「初めての打ち合いはどうだ?」

「正直駄目なところが多いけど初めてにしては出来た方だと思うよ」

「たしかにそうだな。まだ剣を振ったことがなく、木刀が重たい中あそこまで動けたのなら上出来だ」


 おお、褒めてくれた。それだけ上手く出来たという事か。頑張って良かったな。

 

「ただカイの言う通り駄目なところが色々とあるからこれから直していこうか」


 その後10ヵ所以上駄目だったところを指摘され、初めての打ち合いは終わった。

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