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66話 駄目だったそうなんだが

66話です! 時期は前話から3ヵ月程経っているので注意してください。

 冬が終わりを迎え、そろそろ春が訪れそうな頃に父親は家に帰って来た。だが父親は浮かない顔をしている。父親が帰って来た時間帯が夕食の途中でだったため、夕食を取ってから父親がミリア・ミールさんについて話した。


 父親はこの3ヵ月間、ミール男爵とともに国中を探したそうだが見つからなかったそうだ。これ以上の捜索は別の国にも足を運ぶことになるが、スパイだと思われかねないのでこれ以上の捜索は難しいそうだ。他の国になるとドメイン帝国やミスドリー王国になる。ミスドリー王国と自国との関係は良好と言われているのでそちらの捜索は問題なさそうだがドメイン帝国とは犬猿の仲だ。行方不明者の捜索という理由で向かうのは危険そうだ。


 父親が話し終えるとフレッツ兄さんはそうと言いで自分の部屋に戻っていった。マインズ兄さんが追いかけていったけどあまり意味がなさそうだ。

 父親はフレッツ兄さんの背中を見ながら申し訳なさそうにしている。父親は頑張ってくれたが、やはり見つけることが出来たかったことを悔やんでいるのだろうな。


「カイ、今日はもう部屋に戻っていなさい」


 俺はそんな光景を見ていると母親が笑顔だけど少し悲しそうな顔で言ってきた。母親もフレッツ兄さんや行方不明になったミリア・ミールさんの事が心配なんだろうな。行方不明になった直後ならまだしも既に2カ月程行方不明のままだ。既に死んでしまっている可能性の方が高い。母親もその事は分かっているのだろうな。


「分かったよ。でもフレッツ兄さんの事はどうするの?」

「これからフェンドとともにフレッツの所に行くわ。ミリアちゃんの事は残念に思うけれどフレッツはまだ子供よ。まだ1人では心の整理が付かないわ。せめて私たちがフレッツの側で支えてあげないといけないわ。それがフレッツにとってどれだけ助けになるのか分からないけどね。それに……」

「それに……?」

「い、いえ、何でもないわ。とにかくもう今日は寝なさい。」


 母親はイネアとイリスに俺を部屋に連れてくように言って父親の元に向かう。話の続きが気になるが来れ以上話に踏み込むと不味そうなので大人しく部屋に戻る。リビングは両親と俺以外にもイネアや他のメイドさんもいる。軽く話す程度なら問題ないとは思うが、これ以上話していると2歳後半の子供としての行動とは見えなくなってしまうからな。


 部屋に着いて俺はイネアとイリスに布で体を拭いてもらい、寝着に着替える。……今日はもう寝よう。フレッツ兄さんの事が気になるが、この状況で出来ることなどない。転生者と名乗れば出来ることはあるかもしれないが、そうすることで家自体に迷惑が掛かってしまっては本末転倒だ。今とる行動が最善なのかどうか分からないが最善だと思おう。

 

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