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57話 マインズ兄さんと遊ぶんだが

57話です! 

 最近マインズ兄さんがよく部屋に来て遊んでくれるので偶にはこちらから行こうと思う。それにフレッツ兄さんがいなくて寂しいのかもしれないしね。


 事前にイリスにマインズ兄さんの予定を聞いた所、今日はほぼ一日中自分の部屋にいるそうなのでシン

ディが来てから部屋に向かう予定だ。 ちなみに今日向かうことはマインズ兄さんに伝えていないので軽いサプライズになると思う。

 後、今回はイリスにも少し手伝ってもらう予定だ。とは言っても同伴とドアのノックや開け閉めくらいだけどな。俺とシンディだけ行ったら後でイリスが怒られそうだからね。


 朝食を食べ終えて自分の部屋に戻り、シンディが来るまで自分が狩った魔物の魔石を見ながらのんびりしていると足音が聞こえてきたので魔石をしまい、ベッドの上に待機する。

 リリィさんがシンディを連れて部屋に来た。そしてリリィさんは俺とシンディが遊ぶのを見てから部屋を出ていく。

 シンディと1時間程遊んでからマインズ兄さんにも遊んでもらおうとシンディに言い、一緒にマインズ兄さんの部屋に向かう。

 

 さて、マインズ兄さんの部屋に着いたわけだが2歳半がノックするのは違和感しかない……と思う。だからと言ってノックしないのは流石に非常識なのでイリスにノックをお願いする。


「んー? 入ってきてー」


 ノックが鳴り響いてから少し経った所でマインズ兄さんの返事が来た。

 イリスにドアを開けてもらい、俺とシンディは部屋に入る。そしてすぐにマインズ兄さんに突っ込む。


「うわっ。カイにシンディ、どうしたんだよ?」


 マインズ兄さんは勉強をしていたようで椅子に座っていた。勉強の邪魔をしたことに少し罪悪感があるが、2歳半らしく見えるようにその事には気にしないでおく。


「遊ぼー!」


 俺は出来るだけ可愛らしくマインズ兄さんに言ってみる。多分こうすればお願いを聞いてくれるはずだ。


「あおぼー!」


 シンディも俺の真似をして満面の笑みでマインズ兄さんに言う。横から見ても可愛すぎて正直天使かと思う。


「……はっ! よ……よし、じゃあ遊ぼうか!」


 マインズ兄さんは一瞬呆けた後、明らかに動揺した様子で返事をする。あの時みたいに倒れなかったようだ。……これまでに何回かやっていたから逆に耐性が着いた?


「外で遊ぶのは……お母さんが駄目と言うからなー。……よし、魔法を見せようか!」


 遊ぶ内容が決まったそうだ……以前にも見せてもらったことがあるけどたしかその時はファイヤーボールを見せてくれたな。かなり頑張っていた印象があったな。

 

「今から準備するからちょっと待っててなー。」


 と俺たちに行って、部屋から出ていった。まあ部屋の中で魔法使うから準備は必要か。それも属性が火だからね。

 準備が終わるまでシンディと遊んで待っているとマインズ兄さんが入ってきて、その後に1m程の大きさをした桶を持っているメイドさんが1人、部屋の中に入ってきた。


「よーし、準備できたからやるぞー!」


 メイドさんが部屋の中央に大きな桶を置くとマインズ兄さんが俺たちを呼んだ。

 大きな桶には水が入っている。……重かっただろうな。


「よーし、集まったなー。じゃあやっていこうか! まずは……火よ飛び散れ、火花!」

「あー!」


 こちらが集まったことを確認したマインズ兄さんが魔法を唱えると、大きな桶の上でキラキラと火の粉がまるで線香花火のように空を舞った。戦闘などでは全く使わないであろうこの魔法はこうして見るととても綺麗だ。そして段々と火の粉が落ちていき、水に当たるとすぐに消えてしまう所が少し儚い気もする。そんな光景を思い浮かばせる眼前の火の粉に俺は心を躍らせている。

 シンディも火の粉を見れてテンションマックスみたいだ。


「どうだった? 綺麗だったか?」

「「あい!」」


 火の粉は1分程で終わり、マインズ兄さんが笑顔で俺とシンディに感想を聞いてくる。当然イエスだ! 

 マインズ兄さんが前回見せてくれた魔法はファイヤーボールで近くから燃えている様子を見せてもらったが今回の火の粉は唯々ただただ良かった。


「そうかそうか! なら次はこの魔法だ! 火よ舞い散れ、火舞!」


 火の粉が好評で気を良くしたのかマインズ兄さんが次の魔法を唱え、大きな桶から火が凄い勢いで噴き出るように出てきた。これはもう完全に噴出花火だ。ただ火舞は噴出花火と比べて音があまり無いので部屋の中でも全然煩くない。それにマインズ兄さんは火が天井に当たらないよう調整しているのかある程度の高さまでしか火舞が出て来ていない。まあそれでも俺の身長を軽く超えているのでかなり迫力がある。

 そして何気に凄い所が火の粉などが大きな桶から外に落ちずにこの光景を作っているところだな。

 ただ……


「マインズ様、窓! 窓が開いてませんよ!」

「え? 本当だ!? 急いで開けないと!」


 残念なところが窓を開けていないので部屋の中に煙が充満しだしたところか。

 大きな桶を持ってきたメイドさんもそそれに気づいたようでマインズ兄さんに言う。マインズ兄さんは心底驚いたような顔をして急いで火舞を消してから窓を開ける。

 ……俺? シンディとイリスに煙を吸わせないためにソフトウィンドを無詠唱で使い、煙を少しだけ操作している。煙を吸ったら健康に悪いからね。


 まあ、どこかで落ちを作る所がマインズ兄さんらしいな……。

花火はいいですよね。

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