44話 ピクニックに行ったんだが 5
44話です!
魚の匂いは母親が付けた焚き火の近くからだ。調理の途中かな? とりあえず行ってみるか。
焚き火の近くまで行ってみると、リリィさんと母親とメイドさんがヤマノメとフンナに木の棒を刺して焼いている。そして魚の表面にしっかりと塩が付いているのが見える。というかフンナも一緒に焼いているんだ。フンナは煮つけにするかと思ったのに。
「カイ、どうしたの?」
ある程度近づいたところで母親が俺に気づいて俺のところまで来て、話しかけてきた。
近くにリリィさんとメイドさんがいるが小声で話せば気づかれない距離なので小声で話せるな。
「魚の匂いがしてきたので来ちゃったんだよ。」
「確かにいい匂いがするわね。先に食べていたけど私もお腹すいてきたわ。」
もしかしてカピラの肉が一頭分なかったのは母親が食べたから……? 流石にないよな……?
「魚はそろそろ焼けそう?」
「もう少しかかるわね。だからみんなの所でもうちょっと待っててね。」
そう言って焚き火の近くまで戻っていく。母親に言われた通りシートの方に戻ることにする。あまり焚き火の近くにいたら危ないと思われかねないからな。
シートの方に戻ると父親とジェフさんはまだ食べているが兄さんたちがいない。まさかもう遊びに行ったのか? 釣ってきた魚は食べないのかな? 魚なんて普段は滅多に口にしないはずなんだけど……。
そういえばシンディは……シートの近くで一人遊びをしているな。イリスとイネアがある程度の距離を保ちながら見てくれているので大丈夫そうだ。
というかイネアは今日来ていたんだな。家では見たけどここに来てから見ていなかったので来ていないのかと思ってた。ここに着いてから料理とかしていたのかな? でも食事の最中とかは近くにいてもいい気がするが……俺が料理に夢中で気づいていないだけかもしれないが。
うーん……イネアまだあんまり専属って感じがしないよな。イリスは俺とシンディが湖に歩いて行った時にもついてきたからなあ。普段でもイリスはほぼ一日中いるけどイネアは半日ほどだし。家事などの他の仕事をやっているし、まだメイドとしての腕前が足りないから完全に専属ってわけではないのか?
帰ったら母親辺りに聞いてみるか。
特にやることがないのでシンディと遊びながら待つこと10分程。母親たちがシートの所に来て皿をシートの上に置いた。見てみると木の棒を刺した状態のままで魚の塩焼きが乗っている。
そしてそれを見た父親とジェフさんが魚を取り、そのまま口に運んだ。
「やっぱり魚はこうして食べるのが美味しいな。」
「そうだな!」
こうやって見るとかなり美味しそうだな。俺も一匹食べますか。とは言いたいが、ご飯食べた後なので丸一匹食べれないな。……シンディと食べるか。
先程使っていた皿に30cmくらいの大きさだったと思われるヤマノメを入れてシンディを呼ぶことにする。
二歳が魚を分けるというのはどうかと思ったので、イリスに頼んでヤマノメを骨と身に分けてもらい、そのついでに食べさせてもらう。
ヤマノメの旨味と塩の味がかみ合って美味しいな。ヤマノメは取ってすぐ食べるわけだから当然美味しい。塩もかけすぎてなく塩辛いということはない。それに歯を使わずともほぐれるほど柔らかく、簡単に食べれてしまう。これだけ柔らかいと煮つけをやったらどうなるか気になるな。
俺はすかさずヤマノメを再び食べさせてもらうためにイリスを見る。イリスは丁度シンディに食べさせている最中みたいだ。シンディは大きな口を開けてヤマノメを食べて、ゆっくり噛んで飲み込んで、キャッキャ言ってる。気にいったみたいだな。
俺が見ていることに気づいたイリスが口の中にヤマノメの身を入れてくれる。美味しい。
そうして食べていたらすぐになくなってしまった。俺が食べている間、シンディもまたヤマノメをずっと食べていたようで満足そうな顔だ。




