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38話 兄さんたちのお仕置きが聞きたいんだが

38話です!

 部屋に戻ると誰もいなかった。イリスは今頃自室で支度をしているのだろう。イネアがいないのは部屋にいる時間が大体は朝から夕方までだからだろう。


 一先ず怪我しているのを誰かに見られるのはまずいため、すぐ治すことにする。服を脱いで怪我した右肩を見ると紫色の痣になっていた。すぐに水癒を詠唱をする。何回か失敗して発動しなかったが何とか発動して右肩の痛みが引いたのを確認してから着替える。


 着替え終わるとノック音が聞こえてきた。

 入っていいと言うとイリスが入ってきた。急いで来たのだろうが服に乱れがない辺りは流石だな。今日は寒い中大変だっただろうに。


「イリス、今日はお疲れ。」

「やはりお気づきでしたか。いえ、命の危険があるようなことがなくて安心しました。ただ帰りに転んだ時はぞっとしました。怪我などは大丈夫でしたか?」

「ああ、大丈夫。怪我をしてしまったが既に治したからね。」


 俺は服を脱いで怪我したところをイリスに見せる。治す前は紫色になっていた痣が水癒によって綺麗に治り元の肌色に戻っている。イリスが見て怪我が治ったことを確認し終わると安堵の表情を浮かべた。


「良かったです。万一があったら大変でしたからね。あの時は助けることができなくて申し訳ありませんでした。魔物が出ない限りは不干渉にする予定だったもので。」

「いや、いいんだよ。転ぶのを助けるのには距離があり過ぎたからね。それに後遺症がないんだ。問題ないよ。」


 俺でも治せる傷で本当に良かったよ。打ちどころが悪くて後遺症があったりしたら大変だからな。


「着替え終わったことだし、早いところリビングに向かおう。流石に腹が減った。」

「昼食を食べていないですから余計にそう感じてしまうのでしょう。ではこちらへ。」


 と言ってドアを開けてくれたので部屋を出て飯を食べるためにリビングへ向かった。

 

 リビングに着くと既に両親と兄さんたちが座っていた。兄さんたちが凄く気まずそうな顔をしている。嫌な空気の中、食事が始まる。そしていつもある会話がないまま俺は食事を終えた。

 その時、父親がイリスに言った。


「イリス、カイを先に部屋に帰らせなさい。」

「かしこまりました。」


 俺は部屋に帰らされるようだ。まあ言う通り早く退散しますか。

 俺がリビングを出て部屋につくとリビングから父親の怒鳴り声が聞こえてきた。おおう……威圧が壁越しにここまで来てる……。母親の威圧は凄いことは知っているが、父親の威圧も凄いな。もしかしたらリビングにいたままであったら気絶していたかもしれない。


 部屋に戻って2分程すると兄さんたちの泣き声が聞こえてきて、10分程経った時、怒鳴り声が聞こえなくなり、リビングから大きな泣き声のみが聞こえている。

 泣いているのだからすぐやむかと思ったが中々やまない。……まさかお仕置きされてる……?


「イリス、さっきから泣き止まないみたいだが大丈夫だろうか?」

「……私からは何も言えません。」

「そうか。」


 何が起こってるか知りたかったが仕方ない。……ん? ノック音? とりあえず返事をしたら母親が入ってきた。


「母様どうしたの? 泣き声が聞こえるからまだやっているかと思った。もしかして今、お仕置きして放置してるの?」


 母親がここに来るのは予想外だったな。まあ帰る時間が遅くなったから心配しているのだろう。とりあえずお仕置きの内容が気になったりするので聞いてみる。


「そうよ。お仕置きはというのは時間が掛かるからその間に来たわ。全く……あの2人はいつもやんちゃしてるんだから反省してもらわないとね。」

「お仕置きは何にしたの?」

「あー……聞かない方がいいわ。」


 お仕置きをやった張本人が教えてくれないとは……未だに泣き声が聞こえるから気になるのだがしょうがないか。


「それよりも今日は大丈夫だった?」


 大丈夫かと言えば色々大変だったけど最終的には大丈夫でいいのか……? そういえば今日外で初めてイリスや母親がすぐ近くにいなかったんだよな。そう考えると冒険した気がする。


「色々大変だったけど楽しかったよ。兄さんたちの普段の姿が見れたことだしね。」

「そうなのね、なら良かったわ。怪我とかはしなかった?」

「し、しなかったよ?」


 本当は怪我したけど言ったら兄さんたちのお仕置きが増えそうなので言わないでおく。言わなければばれないでしょ。


「良かったわ……今日話すのはこのくらいにするわね。カイ疲れているでしょ? 今日は早く寝なさいね?」

「もう少ししてから寝るよ。」


 疲れてはいるけど魔法の練習しないとね。普段の日課というのもあるが最近寝る前に魔素を少なくしないと気になって眠りにくい。近い内にこの習慣を直さないとまずいかな?


「分かったわ。魔法の練習でしょうけど早く寝るのよ。お休み、カイ。」


 と言って母親が部屋から出ていく。毎日魔法の練習やっていたら流石に分かるか。さて、今日も練習を始めますか。

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