表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/220

4話 初めて外に行くんだが

4話目です! *9/26改正。

「――――――。――――――。」


 ふああ、おはよう。日数があっていれば今日で産まれて1週間だ。そして今日も起きたら母親に持ち上げられて、乳を飲んでからおむつ変えていく。

 おむつを変え終わり、母親はまた部屋を出るのかな? と思っていると母親は俺を抱えて、部屋を出る。


 ……あれー? 今日は俺も部屋から出るのか。

 これから何が起きるか分からないけどとりあえず今のうちに五感強化……視覚強化だ掛ければいいか。五感強化は消費量が激しいからね。

 さて、とりあえず辺り確認っと。……玄関かな? でも止まる気配がないな。そのまま外へ出るのか? 

 母親はどこに行くつもりなんだ?


 はい、外に出ました。

 異世界に転生してから初めての外だな。


 家から出た風景は正面に麦? みたいなものを育てていたり、畑で何かを育てているのが見える。朝早くから畑の世話をしている人がポツリポツリといる。麦や畑の奥の方には家が数件見える。ここからだと見にくいがおそらく木造建築だな。煉瓦とかはないのかな?

 そして畑と家の周りには森が広がってる。森の木は緑で生い茂っているし、虫の声が聞こえてくるから冬ではないよな? 今季節何だろう? 日本ではない以上四季がない可能性もあるけど四季はあるといいな。


 こうして風景を見ている間にも母親はどんどん歩いていく。少し歩くと畑にいる人たちのうち1人がこちらに気づき、近づいてくる。


「――――――、―――――――――――――――。――――――――――――――?」

「――――。――――――――――――ー。」

「―――――ー。――――――――。」

「―――。―――――――――――――。」


 何言ってるか全く分からないが、母親は笑顔で話をしているな。というか意外にも村人と仲がいいんだな。

 村人の容姿を見てみると決して豪華でもボロボロでもないちゃんとした服であり、肉付きも丁度いいと思うのでしっかりと食べているみたいだ。後、母親と会話している時の態度は丁寧であるが避けている感じ全くなかったな。普段から村人とは会話しているみたいだな。

 とりあえず村人を圧政するような貴族ではないことが分かったから良かったよ。


 母親がどれだけ歩くかは分からないけが外を歩くだけならMP消費的な意味できついので強化は切っておくか。なくても色の判別が付かないこととかなりぼやけてるだけで風景を楽しむだけなら何とかなるレベルだからね。

 それにしても母親はどこ向かってるんだろうか。散歩だけなら俺を連れていく必要性ないんだが。


 母親が村人との話を終えて、再び歩き出してから20分程経った所で木造建築の家に着いた。道中、母親はどこかに指を指しながら何か語りかけてくれているが何を言っているかは全然分からない。だけどとても楽しそうに話しかけてくれていて、強化を掛けていないからはっきり見えないが母親はずっと笑顔でいた気がする。

 

 母親はその家の扉にノックして、数秒程待っていると女性の声が聞こえた。


「――――――――。―――――――。」

「―――――――――――!―――――――――――――。」


 扉を開けて出てきたのは20歳程の女性だ。話の雰囲気からして入るように言っているのかな?

 母親は家の中に入り、そのまま進んでいく。家の中に入る時はは自分がいた家を出た時もそうだったが靴は変えずに入るみたいだ。日本と違うから気を付けないといけないな。


 少し進んで20歳程の女性がドアを開けるとリビングみたいな部屋に着いた。

 視覚強化を使い、部屋の中を見ているとベッドのほうに目を向けると赤ちゃんがいるのが見えた。 

 白髪をした赤ちゃんだ。目の色は目を閉じていて分からないけど、どこか神秘的に思えるような可愛らしいさだ。

 もしかしたらアルビノかな? だとしたら珍しい気もする。まあアルビノは前世からかなり好きなのでいいんだけどね。

 

 母親は俺を白髪の赤ちゃんの隣に置いてから部屋の中央にある椅子に座り、20歳程の女性と机越しに話し始めた。

 そうそう、20歳程の女性の容姿を言ってなかったな。髪は上のほうが白で下にいくにつれだんだん赤になっているなんとも変わったロングヘアーをしていて、目の色は赤である。顔も整っていて美人さん

だ。服の方はノースリーブだ。

 日本で見かけたら10人中9人は振り向くと思う。 この世界では美人さんが多いのかな?

 後、髪色が赤も入っているからアルビノとはまた違うのかな? だとしたらあの赤ちゃんはアルビノではなくて素で白髪なのかな?

 

 ちなみに前回は髪型が見えなかったので分からなかったが、母親の髪型はロングヘアーだ。そして今は白のワンピースを着ている。

 2人とも美人さんだから華があっていいね。

 

 母親たちには完全に放置されたので、部屋の内装も見ておこう。

 部屋の中は豪華ではないが掃除をしっかりとしているみたいで清潔だ。部屋の中央には机と椅子があり、床には安物の机の周りだけ緑色のカーペットが敷いていている。

 そしてこのベッド。家のと比べたら質が劣ってしまうが快適だ。

 

 他にもタンスがあったり、おもちゃ箱があるくらいだな。

 それで一番気になっているが高そうな剣が壁に掛けてあることだ。20歳頃の女性の夫のものなのだろうか? ただ、凄く大事そうに置いてあることは分かる。周りが森であるこの村にあんな高そうな剣は必要なのか……? 

 ……まさかこの世界、魔法だけじゃなくて魔物もいるのか?

 それでいつ魔物が攻めてきても対処できるようにあそこに掛けてあるのかもしれない。

 魔物が来るとしたら森からだよな? 森だとゴブリンとか狼とかになるのかな? あ、スライムはいるのかな? もしスライムがいたらぜひ育てたいな。

 前世で一度、スライムを作ろうと努力したが、法律の関係で断念したからな。

 

「おぎゃああああ。おぎゃあああああ。」

 

 隣で寝ていた白髪の赤ちゃんが急に泣き出したな、食事かな?

 どうやらおむつみたいだ。ちょっと臭うな。

 20歳程の女性がおむつを変え始めたので白髪の赤ちゃんの方を見ないために目を瞑る。女の子だったらいけないしな。

 

 ……倦怠感が急に出てきたな。もしかしてMPがそろそろなくなるのかな。

 視覚強化は切っておくか。

 

 そして、ぼやけた中、赤ちゃんを見る。

 全然見ることはできないが、心地よく寝ているな。

 おむつ変えてもらってすっきりしたんだな。

 

 後の時間はどうしようか。

 魔法はもうMPないしここで気絶は母親が気絶してることに気づいてしまいそうな感じがする。

 じゃあ、お昼寝しよう。寝る子はよく育つと言うしね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ん……どのくらい寝ただろう。

 まだ日は差し込んでいているみたいだから夕方にはなっていないな。

 ああ、お腹すいてきた……。乳を飲むか。


「おぎゃああああ。おぎゃあああああ。」

「――――――。――――――――――――。」


 母親が来てくれたので乳を飲む、ついでにおむつも変えてもらおう。


 無事、おむつ変え終えて母親が戻っていったので、暇になる。

 赤ちゃんを見てみるか。……おう。寝返りできたんですね。姿が全く見えない。

 しょうがない。赤ちゃんは諦めて母親たちを眺めながら時間を潰そう。


 1時間くらい経っただろうか、母親と20歳程の女性が部屋から出てどこかに行った。

 どこ行ったんだろうと考えていたら、なかなか大きい男性が入ってきた。大きな剣を背負っており、筋肉はムキムキだ。かなり鍛えてあるのが分かる。

 って見てる場合じゃない! 母親たちどうした!? まさか襲われた……!?

 

 とりあえず五感強化だ!

 ……あ、20歳程の女性が戻ってきた。

 男性はこちらを覗きながら、20歳程の女性と楽しそうに会話をしている。もしかして夫婦?

 良かったー。殺されてしまうかどこか攫われるのかと思った……。

 大きい男性の容姿言ってなかったな。でかい男は変わりないけど髪は赤で多分赤目だ。そして少しひげを生やしている少し強面ののおっさんだ。手元を見ると傷が所々あり、何かと戦っていることが分かる。

 そして臭いだ。ほんの少し鉄臭いの臭いがする、これは血かな? 森とかで狩りをしてその帰りかな?

 壁に掛けてある剣は使ってないのかな?

 

 あ、母親も戻ってきた。

 手には御盆を持っている。その上にスープ? みたいな食べ物とパンを乗せているから部屋を出ていったのは料理していたのかな?。

 スープには何かは分からないが野菜を入れた緑色のスープみたいだな。なかなかおいしそうだ。

 パンはなんか堅そうに見える。あのパンだとスープに入れてもまだ硬いんじゃないかな?

 それがそれぞれ3つずつ机に置かれていく。

 どうやらお昼のようだ。

 3つずつ作ってあるから毎日お昼は家に戻って食べているのかな?

 少ししてから3人とも食事を始め、食べながら談笑している。

 あ、パンは一口サイズにちぎってからスープにつけて食べている。やっぱり硬いんだね。

 そしてどうやら手を合わせるんじゃなくて、祈る感じでいただきますをしているみたいだ。

 間違えて手を合わせないようにしないとな。ここは異世界。日本の文化と違うからね。

 

 30分程した所で食事を終え、お茶? を飲んでまったりしている。

 これは午後も話す感じかな?

 

「おぎゃあああああ。おぎゃああああ。」


 おっと、また白髪の赤ちゃんが何かご所望のようですよ。多分食事かな?

 乳与えてるから食事で生後はまだ半年も経ってないのかな?

 じゃあ同い年か。仲良くなれるといいな。

 前世は友達はまあまあいたが、親友と呼べる人はいなかったから、今世ではできたら親友ができたらいいなあ。

 

「あうあう♪」

「―――――――。――――――――――――――――――……。」

「――――――――――――。――――――――――――。」


 なんか白髪の赤ちゃんご機嫌ですね、凄く可愛い。

 そういえば俺、食事の時くらいしか赤ちゃんっぽくないな。

 これからは赤ちゃんっぽくやってみますか。出来るかどうかは別としてな。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


 3時間たったのかな?

 ようやくお開きだ。結構長かったな。

 それで、今は帰り道だ。行きと同じく母親が何か話しながら歩いている。

 

 話しを聞き流しながら風景を楽しんでいるとふと母親が歩みを止めた。どうしたと思っていると森から少し変わった臭いが……。

 森を見ていると、何か大人にしては小さい人型がいた。

 ちょっと嫌な予感がするから、五感強化。

 

 ピロン♪

 五感強化がlv2になりました。


 お、ここでレベルアップlv1の時よりかは見やすくなった感じ。そして臭いがきつくなった……。

 そして目の前にいるのは緑色した1m位の大きさをしたキツネ型の顔をして牙が少し出ている人型。

 服は陰部くらいの部分しか隠してなく、手には棍棒を持っている。爪も少し伸びているのかな?

 ……これ、ゴブリンじゃないか? 想像したよりもきもくてなんか怖いな……。それになんか興奮してらっしゃるし。なぜ分かったかって? ノーコメントで。

 

「あうあう……。」

「―――――。―――――――――――!」

「だおdんdfふmかk、―――――――――――――!」


 母親から普段と違う声が聞こえた瞬間、直径30cmくらいの火の玉が出現した。

 魔法か! こうして見ると何もない所から火の玉が出るから不思議だな。

 と思っている間に火の玉はもの凄い速度でゴブリンに迫っていき、頭部に衝突した。

 

 ドオオオン!!


 辺りには爆音とまではいかないが大きな音が響き煙が出てきた。ゴブリンを見るとゴブリンのいた場所は小さいクレーターができており、ゴブリンの見る影がなかった。……いや、これは威力がおかしい。

 まだ全然魔法を知らない俺でも分かる。どう見てもオーバーキルだ……。

 あれだ、母親を怒らせてはいけないな。あんなの食らったら死んじゃう。

 

「―――――。――――――――――。」

 

 母親は何やら呆れたように言いながらまた歩き出したけど、初魔物で俺興奮と共に恐怖が今更ながら来た。


 あ……。もらした。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


 さてようやく帰宅。元の部屋に戻ってから早速乳を飲んで、おむつを変えてから母親は部屋を出た。


 今日はいろんな発見があった気がするな。

 まず、魔物がいるって分かったことは大きいな。この世界は地球とは違い、大分物騒であるから魔物殺す覚悟が必要そうだ。

 そのためには正しい情報と力が必要だな。とりあえず少し走れるようになったら筋トレや剣などの稽古してみますか。それまでは文字や言葉を覚えて、ひたすらスキルのレベルとMPを上げよう。前世からレベル上げるの好きだったしね。

 他には同い年の赤ちゃんがいるって事だよな。とりあえず仲良くしたいなあ。

 これからも母親に連れられて赤ちゃんの元にいきそうだから、その時に仲良くできたらいいな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ