21話 初めて魔物を殺したんだが(下)
21話です! 主人公初戦闘回です。
家を出て森に入り20分位経った。最初は頑張って歩いたが途中からおぶってもらった。体力が足りなかったよ……。時々ゴブリンを見かけたがすべて母親の餌食となった。
そしてようやくふわりんを見つけた。色は白でふわふわだ。大きさは15cmくらい。のんびりと浮いていて可愛らしい。
「草原などではすぐ見つかるけど森だとやっぱり案外時間が掛かるわね。」
母親はそう言っているが草原だと歩いていたら距離が長いのでかなり時間が掛かってしまう。今日はちゃんと魔物を殺せるか確かめる程度なので近い方がいいだろう。大丈夫そうなら引き続き探して殺してみるが。
「確かま、魔法で殺すんだね?」
「ええ、そうよ。周りは私とイリスが見ておくからふわりんに専念しなさい。」
「うん。」
ふわりんは7m程先に浮いている。とりあえずウォーターボールでいいかな? 多分倒せるとは思うけどだめだったらウィンドボールでいこう。
「ウォーターボール!」
自分の少し前に20cmの大きさで出るようにイメージし、魔法名を言う。
……うん、ちゃんとできたみたいだ。
後はふわりんに飛ばして当たるようにイメージして……。
「……あれ!?」
目標通りに飛ばせたが避けられてしまった。意外とスピードあるのか?
「カイ、相手も動いているのよ。相手が動くところを予想して放ちなさい。」
そうか。相手は物じゃない。生き物だ。だったら動いて避けることもできる。次はちゃんと当てよう。
そう思っていたらふわりんがゆっくりとこちらに向かってきた。攻撃してくる?
急いでイメージをして……!
「ウォーターボール!」
イメージが足らなかったからか、不定形で出てきた。一応ふわりんにあたったがあまり効いてないみたいだ。
「カイ、落ち着きなさい。いつもやっていることを落ち着いてやるのよ。そうすればちゃんとできるわ。」
「うん……!」
ふわりんは5mくらいまで来ている。まだ2回はチャレンジできる。落ち着いてやろう。
イメージをしっかりやって……! 今度こそ!
「ウォーターボール!」
キュ~
放ったウォーターボールがふわりんに直撃した。そしたら鳴き声みたいな声を上げて地面に落ちた。それからふわりんは動かなくなった。
……多分、死んだんだよな? 血が出ていないので死んだかどうか分かりづらい。
「カイ、お疲れ様。大丈夫?」
「大丈夫……。ふわりんは死んだ?」
「ええ。死んだはずよ。死んだ今なら近づいていいからよく見ておきなさい。」
俺はゆっくりとふわりんに近づいた。そしてふわりんの元に行った。今見ても全く動く気配がない。近くにある木の枝でつついてみる。それでも全く動かない。やはり死んだのだろう。そう思った時、徐々に嫌悪感が出てくるが、我を忘れるほどじゃない。剣で切ったりしたら分からないが今回は魔法だ。だから我を忘れるほどじゃないのかもしれないが。
ふわりんは魔物。魔物は放置すれば被害が出ることが多い。ふわりんは直接被害は少ないらしいが魔物がふわりんを食べて強くなり、被害が出ることになる。だから被害が出る前に倒さないといけない。そう割り切るしかない。
「カイ、どうする? 家に帰る? それともまだ魔物を殺す?」
「まだ、やります。」
まだ嫌悪感が残っているが、ここでやらなかったらしばらく魔物を殺す行為を避けることにになってしまう気がする。慣れようという気ではないが、せめて嫌悪感をできるだけなくそう。
「そう、分かったわ。じゃあふわりんから魔石を取って行きましょ。イリス、悪いけどお願い。」
魔石は魔物にとっての心臓部であり、原動力になるらしい。大抵の魔物はそこを叩くと殺すことができるが、魔石は売ることができるので魔石を叩く行為はあまりされないらしい。
ふわりんの魔石は全然お金にならないが、自分が殺したからせめて魔石を持っていこう。ちなみにふわりんは魔石以外必要なところがないそうだ。肉はふわりんが浮いているからかかなり少なく、食用にも向いていないそうだ。そしてふわふわしている部分は時間が経つと自然に溶けるらしい。多分微生物が分解していると思うがどうなんだろうか?
イリスがふわりんを切り、1分も満たないうちに魔石を出してくれて、俺は魔石を受け取った。
色は緑色で魔石の大きさは1cmにも満たない。それでもふわりんが生きていた証拠だ。無駄にしないようにする。
ちなみに魔石を取ったふわりんは母親が燃やしていった。魔物の餌になるらしいので燃やすそうだ。
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その後3時間ほど森の中でふわりんを探し、合計で10体殺した。
殺していくうちに嫌悪感が少しずつ減ってきた。多分近い内にまた殺すこともできるだろう。だけどこれが血がでたらまた変わるかもしれないし、人型だったらさらに変わるかもしれない。その人型でもゴブリンと人ではまた変わってくるだろう。ふわりんでこんなに嫌悪感がでたからより覚悟を持たないといけない。
そんなことを思いながら、家に帰った。




