193話 夢が広がるんだが
193話です! 少し(大分)遅れました! 次回少しだけ単発の日常系やるか一気に7歳に突入するかで迷う所です。
追記 土曜日の午前0時から2時の間に投稿出来るように……頑張ります。
昼食を食べ終え、一人部屋の中で魔法の練習を行いながら俺は昨日の事を考えていた。勿論、イネアと出掛けた事についてだ。急遽考えた事だったので大分不安だったのだが、イネアの様子を見る限りでは成功……と言えるのかな? 喜んでくれたみたいだから成功と言って良いだろう。だが、反省しなければならない点がいくつかある。
一つ目の反省点は集落へ買い物に行った事だ。後々冷静に考えたらあれは正直この世界を舐めているとしか言えないだろう。この世界は凄く治安が悪い。前世とは比べ物にならない位にだ。その中でも治安が悪いと言われている所に子供二人で行動するとかどうぞ攫って下さいと言っているようなものだ。
一応護衛としてイリスを連れていたが、イリスだって万能ではない。イリスが勝てない相手など沢山いる。今までそのような相手がいなかったからこそこうして無事に過ごせてこれたわけで、この状況に依存していたらいつか痛い目に合うだろう。
ましてや俺はイリスに遠くから護衛するよう言ってしまった事も駄目だ。冒険者が大勢いる集落で遠くから守り切る事など難しいだろう。集団で襲われたりしたらひとたまりもない。集団で襲われた事だってあるのだからその経験をしっかり生かさないといけないだろう。次からは治安や護衛などの事もしっかりと考えなければならないな。
二つ目の反省点は小川での出来事だ。護衛の事も勿論反省する必要があるのだが、まだ冬が終わって間もないのだ。雪解けによる増水なども考える必要があっただろう。森で小川は何度も見ているが、今年の村の小川は見ていなかった。森と村は環境が大分異なるのだから一度確認するか、イリスたちに聞くべきだっただろう。急遽決まったこととはいえ、それ位は出来たはずだ。
三つ目の反省点はやはり急遽決めてしまった事だろう。然程考えずに小川と集落に行こうという考えに至ったのがいけない。急遽決めたのなら決めたでどちらか一つに絞るべきだったし、少しだけでも調査するべきだった。
他にもあるが、最も反省しなければいけない点と言えばこの三つだろう。命に係わる事だしな。慎重に動こうと王都で決意したはずなのに全然出来ていないな……もっと危機感を持たないと……。
……よし、反省はもう終わりだ! 結果的にお出掛けは成功したのだからいつまでも落ち込んでいては駄目だな。それで周りに心配かけてしまっても駄目だしね。気分晴らしにお出掛けの良かった点を考えていこう。
良かった点と言えばやはり俺もイネアも楽しむ事が出来た事だな。小川も買い物も楽しかった。普段は二人きりで遊ぶ事は部屋以外でなかったのでいつもよりはしゃいでしまった気がする。あの水の中に魚を入れるというのも良かったと思う。思い付きでやってみたが、想像以上に良かったな。
あの魔法で色々と可能性を感じたな。将来魔素がもっと使えるようになったら簡易水族館みたいな事が出来るかもしれない。それに魚を生きたまま輸送する事だって出来るだろう。夢が広がるな。
まあ、それは今後そう言う事が出来るように努力するとして、イネアの私服姿も良かったな。王都以外では初めてイネアの私服を見たが、やはり買って正解だった。後、一昨日に渡した赤い髪飾りもちゃんと付けてくれていた。こちらも似合っていて良かった。同じ赤だが、少し色が違って、それがまたイネアも髪飾りも綺麗に見せていたと思う。あの赤い髪飾りを選んでくれた行商人には感謝しないとな。
このくらいかな? こうしてみると今回のお出掛けでも収穫はあったものだ。ただ、次からはよく考えて動かないとね。もし、それでイネアが酷い目に合ってしまったら後悔してもしきれないからね。
色々と考えながら魔法を使っていたが、まだ魔素が残っているな……。創造の練習でもしてみようかな。水魔法も風魔法も創造してみたから次は無魔法を創造してみようか。




