閑話 イネアの休日 1
閑話です! 難産とブランクが同時に来ると凄く大変ですね。30分掛けて100文字も書けなかった時はどうしようかと思いました。
試練を受けた翌日。いつもの習慣により日の出と共に私は目を覚ましました。今日からまたお仕事を頑張らねばと思うのも束の間、今日と明日は休日である事を思い出しました。ですが、予定のない休日というものを初めて体験するため、どのような事を行えば良いか分かりません。言葉通りにずっと休めば良いのでしょうか?
一週間前、試練を受けるために初めて休日をお願いしたのですが、それはカイ様の将来に少しでもお役が立てるようになるためです。カイ様は毎日のように鍛錬なされ、強くなられています。そのため、カイ様には後々今より良い武器が必要となります。その武器をいつかこの手で作れたら……いえ、期待を持ってもいけません。それを決めるのはカイ様ですから。
カイ様はマインズ様やフレッツ様とは違う一面を多々持ち合わせています。カイ様は今年で6歳。まだ幼いですが、時折私たちなど必要ないのではないかと感じる程に聡明です。大抵の事はカイ様がご自身でされていますし、稽古や勉学などで愚痴を聞いた事などほとんどありません。私を買った時もカイ様が指名したと聞いた事があります。生まれつき聡明であったという事でしょうか。
……考えても分からないですね。私は仕事仲間と比べても聡明ではありません。考えても理解する事など出来ないでしょう。カイ様は聡明。ただそれだけの事を理解出来れば十分です。
カイ様の聡明さについて自己完結出来た事は良いのですが、休日はどうしましょうか。ひとまず朝食を手伝ってから考えましょう。
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仕事仲間と朝食を作り終えて部屋に戻りますと眠そうですが、カイ様は既に起床なされていました。朝食の準備が出来ていますよと進言するために近づくとカイ様はこちらを見て、少し目を見開かせてから声を出されました。
「おはよう、イネア。あれ? 今日休日だよね?」
「はい、休日と聞きました」
「ならどうしてメイド服を着ているの?」
「休日とは何を行えば良いのか分からないのです」
私の発言にカイ様は少し考えた後に何やら納得なされたようです。
「休日は仕事を休んで疲れを癒す日なんだよ。趣味を行っても良いし、この部屋でずっと休んでいても良い。イネアが休まると思うような事をすれば良いと思うよ」
休まると思うような事……何でしょう。趣味の鍛冶は少し違う気がします。鍛冶は楽しいですが休めるわけではありません。部屋でずっと休むにしてもただ体が鈍るだけでしょう。何を行えば良いのでしょうか。
「……分かりません」
「なら、今日の午前は一緒に稽古をして、午後はどこかに出掛けてみようか。それで良いかな?」
元より何をすれば良いのか分からないので一緒に行動する事に問題はありません。私はメイド以前に奴隷です。休日とはいえカイ様の提案を断るわけがありません。
「はい。しかし、どこに出掛けるのですか?」
「それは内緒だよ。じゃあ、朝食を食べてくるね」
カイ様は無邪気に笑いながらベッドから降りて部屋を出ていかれました。……どうやらカイ様の中ではもう行き先が決まっているようです。でしたら私はどのような場所に行っても構わないように準備をするだけです。
「あ、イネア。ちゃんとメイド服じゃなくて私服に着替えてね?」
「―――かしこまりました」
考えに耽ていましたらカイ様が戻って来られて、一言仰った後にまた行かれました。私服ですか。確か王都で買って貰いました服が一着あったはずです。あの服を着ましょうか。後、前日にカイ様から頂きましたこの赤い髪飾りも付けましょうか。これでいつ呼ばれても問題ありません。
午前中に稽古をすると仰いましたが、この私服でも問題ないでしょう。ただ、あまり汚さないよう気を付けなければいけませんね。




