190話 資金集めなんだが
190話です! 少し遅れましたが、いつもよりも少し文字数が多いです。
物を用意するためにはまずお金が必要だ。お金は魔物の素材や魔石、森にある山菜、薬草などを売れば得る事が出来るだろう。ある程度魔石は既に持っているが、どのくらいで売れるのか分からないので今から取りに行っても良いだろうな。
ただ、涼風の餌の分もあるからそこら辺は売る量も考えないとな。それでもお金が足りなければ最悪親から借りても良いのだが、出来れば自分のお金で渡したいものだな。
というわけで昼食を食べてからイリスと共に森の中に入った。今回の狩場は早歩きで一時間の所だ。この狩場は近くに幾つもの小川が流れており、他の所よりも小動物やが多い。それを狙う魔物も多く、その魔物を狙うには最適な場所だ。ただ、中には強い魔物も混じっているので細心の注意が必要だ。
狩場に着くと同時に森の中で使っていた探知の範囲を広げる。やはり小動物や魔物の数が多いな。だが、どの魔物も弱いのでどんどん狩っていきますか。そう決めて探知に引っかかる魔物に向けて水矢をどんどん飛ばしていく。時折、こちらの攻撃に気づく敵もいたが、その敵は水刃や風矢なども加えて倒していく。
ある程度倒し終えると倒した魔物を回収して比較的安全な場所で解体していく。ここら辺の魔物はランクE以下がほとんどで稀にランクDやランクC-が見られる程度なのでこのように遠距離から攻撃すれば比較的安全に倒す事が出来る。まあ、水辺の浅瀬などに潜む魔物などは探知では分からないため、最後まで油断は出来なけどね。
後はもうこの工程を繰り返すだけだ。気が抜けないのが欠点であるが、その分倒す魔物の数も他の場所と比べて多いし、得られるお金も増える事だろう。普段の狩りではあまり行わないやり方だが、どのくらいお金が必要か分からない。少しでも集めないとな。
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狩りを終えた帰り、俺とイリスは迷宮周辺に出来た集落に来ていた。まあ、ここを集落と言って良いレベルではないかもしれないけどね。冒険者の人がほとんどとはいえ、もう百人以上はこの集落に住んでいる。もう村と言っても良いかもしれないな。
その事はさておき、今回集落に訪れたのは行商人から髪飾りの値段を聞くためだ。ご褒美に渡せるような髪飾りの品揃えはないかもしれないが、その場合は行商人にお願いして持ってきてもらうしかないな。
歩いている冒険者たちに行商人がどこにいるか聞いたりして行商人を探していると少し人込みになっている場所があった。覗いてみると数多な種類の商品が馬車の上に載せられており、冒険者たちがわいわいと時折怒号をまぜながらも売買していた。
これは今すぐ聞く事は出来なさそうだと思い、近くで水分補給や家から持ってきた軽食を食べたりして待つこと一時間程、ようやく冒険者たちが売買を終えて、いなくなったので行商人の元に向かう事にした。
行商人は少しだけ疲れた様子だがどこかやり切った顔をしていたが俺たちを確認すると表情を戻して、こちらに話しかけてきた。
「こんなところに子供ですか。そばにイリスさんがいるという事はアイン男爵家の方ですか?」
「はい、そうですよ。ですが、普段通りに接して欲しいです。周りにばれるとあまり良くないので」
イリスに掛けられたであろう発言だったが、俺が答える。そうしないとイリスが髪飾りの値段を聞く事になりそうだからね。俺の言葉に行商人は視線をこちらに向けて、話し出す。
「分かりました。では、今回はどのようなご用件で?」
「魔石などを買い取って欲しい事と髪飾りの値段を聞きに来ました。まずは魔石などの買い取りを済ませてもらっても良いですか?」
「魔石など……ですか。分かりました。ギルドより価格は低いですが、それでも良いですか?」
「はい、大丈夫です」
俺もイリスも現在はギルドに属していないから売買は出来ない。若干買取価格は下がってしまうが、しょうがない。俺とイリスが魔石や魔物の素材などを出していく。最初はにこやかに見ていたが、量が量だけに少し驚いた表情をしていた。
「では、これ全部お願いします」
「―――はい、分かりました。素材もありますので品質を確認するために少々お時間を頂きますね」
「はい、分かりました」
行商人はそう言うと、物凄い速度で魔石や魔物の素材を確認していく。結構用意したのだが、わずか十分程で確認を終えた。
「お待たせしました。では、合計で銀貨四十二、銅貨六ですね。これでよろしいでしょうか」
妥当かどうかイリスに一瞬視線を向けると、イリスが小さく頷いたのでこれで良いようだ。
「はい」
「では、こちらが銀貨四十二、銅貨六となります。ご確認下さい」
確認するとちゃんとあったので、次の話題に入る事にする。
「ちゃんとありますね。では次に髪飾りを渡そうと思っているのですが、髪飾りはどのくらいの値段になりますか?」
「髪飾りですか。材質や品質にもよりますが、平民が買うような髪飾りでは平均銀貨十枚、貴族の方が買うような髪飾りでは最低金貨三枚という所でしょうか」
平民で平均銀貨十枚で、貴族で最低金貨三枚かあ。今あるお金である程度品質がある髪飾りが買えそうだな。
「では、このお金で買えるような髪飾りはありますか?」
「申し訳ございません。現在髪飾りは仕入れてないのですよ。後日、仕入れる事が可能ですが、どのような形や色をご所望ですか?」
形は……どんなものがあるんだろうか。あまり詳しくないが、色はイネアの髪と一緒の赤で良いだろう。メイドの身分で目立つような色の髪飾りを付けているとあまりよろしくないからね。
「形はあまり詳しくないのですが、髪が短くても付ける事が出来る物で、色は赤が良いですね。見栄えよりも品質を重視してくれると嬉しいです」
見栄えは色の理由と同じで、品質はせっかく買う髪飾りなので品質が悪い髪飾りを上げたくない。
「分かりました。では、三日後までに用意致します」
「ありがとうございます。後、お金は金貨一、銀貨十までの物を選んで貰っても構いません。出来るだけ良い髪飾りをよろしくお願いします」
「はい、分かりました」
これだけ念を押しておけば大丈夫だろう。そう判断して、行商人から離れて家に帰る事にした。三日後までにお金を貯めていかないとな。




