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183話 監禁が終わったんだが

183話です! 今週は(今週も?)投稿少なめです。とはいっても今週は後2回は投稿すると思います。(追記、日曜日の昼か夜頃に二回連続で投稿予定です)

 監禁されてから三日が経った。何かしら起こると高を括っていたが、特に何も無くて逆に拍子抜けだな。


 まあ、何もないからと言って三日間ずっと暇を弄んでいた訳ではない。日が出ているうちは少しだけストレッチや筋トレをしたり、本棚にあった本をひたすら読んでいた。子供会は慌ただしかったからこの三日間で結構リラックスする事が出来たな。ちなみに夜は風呂に入ってすぐに寝た感じだ。


 ただ、不満があるとすれば食事か。いつも三食だが、監禁中は二食だった。まあそれは罰だからしょうがないが、その料理があまり美味しいと言えないものだった。子供会で舌が肥えてそう感じているだけの可能性もあるが、違うだろうな。意図的に美味しくないものを作っているのだろう。そうしなければ罰が甘すぎるからね。食事が出るだけありがたいと思っておこう。平民は食べること自体が難しい人も少なくないようだしね。


 それはさておき、階級の高そうな人はいつ来るのだろうか。迎えに来るような事は言っていたからそろそろ来てもおかしくないはずだ。


 そんな事を思っているとノック音が聞こえて来て、返事をする暇もなく扉が開かれた。入ってきたのは階級の高そうな人とメイド二人であった。


「おはよう、元気だったかな?」

「はい、元気です」

「それは良かった。アイン男爵も知っている事だと思うが、罰は終了だ。後に付いてきなさい」

「分かりました」


 階級の高そうな人の後を付いていくと最初に泊まっていた部屋に戻ってきた。部屋の前では父親が待っていた。凄く心配そうな顔をしていたが、俺の姿を見るなり一気に表情が変化し、笑顔で迎えてくれた。


 その笑顔に答えてこちらは駆け寄って再開のハグでもしようかと思ったが、階級の高そうな人がいるため止めておいた。ああ、でもやった方が子供らしさがあるかもしれない。礼儀作法とか無視してやっておくべきだったかな。


「カイ、部屋の中では特に何も起きなかったか?」

「ええ、大丈夫でしたよ父様。この通り何ともないです」


 父親を安心させるために元気な様子を見せる……このようなやり取りは何回目になるだろうか。本当は一度もない方が好ましいやり取りだけど結構やっている気がする。ある程度努めたけどこれからはこれ以上巻き込まれないように努めないとなあ。


 そう思っていたら階級の高そうな人が話しだした。


「アイン男爵当主、アイン男爵の罰が終了しました。これからはこのような事がないようにお願いします」

「はい、分かりました」

「では、これで失礼します」


 階級の高そうな人は先程とは違い、礼儀正しく父親と少し話してからその場を去った。やはりちゃんとしなければいけない時はちゃんとしているね。俺と話す時とはかなり違うな。


 まあ、それはさておき今は無事に帰れた事を喜んでいよう。父親たちにも大分迷惑もかけてしまったから何かしらお返ししないとなあ。何が良いだろうか。そう考えながら部屋に入った。


 イリスがドアを閉めた事を確認すると父親は椅子に座るように言ってきたので対面の椅子に座る事にする。


「まずは無事に帰ってきた事を喜ぼうか。イリス、何か飲み物を用意してくれ」

「かしこまりました」


 父親がイリスに紅茶を頼むと、続けて話しかけてきた。


「それで、監禁されたと聞いたのだが、それ以外に何かされていないか?」

「うん、それ以外にはされていないよ。強いて言えば料理が美味しくなかったくらいかな?」


 俺の発言に父親は少し苦笑したが、本当に美味しくなかったからなあ。出来れば二度と食べたくない。


「それだけなら良いんだ。その間は暇だっただろう? 何か暇潰しになるものでもあったか?」

「本棚があったから本を読んだくらいかな。でも、あそこの本棚半分くらいが自分の主張ばかりだったからあまり面白くなかったなあ」

「ははは、そんなもんだ。特に統治関係の本は主張ばかりだ」

「うわあ、それは読みたくないな」

 

 統治関係の本は少しだけ読んだ事あるけどあれは良く分からない。本によって言っている事もバラバラだしね。あれは俺には向いてないと思う。というか別に覚えなくても良いよね。継ぐわけでもないし。


「そうだな、出来れば読みたくないだろうな」

「そうだね」

「フェンド様、カイ様、茶をお持ちしました」

「「ありがとう、イリス」」


 話しているとイリスが茶を持って来てくれたので礼を言ってから飲んでいく。美味しい。やはり舌が肥えているのではなくあの料理が特別美味しくないだけか。そう認識しながら父親と話しを続けるので会った。

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