182話 罰を受けるんだが
182話です! 少し短めです。次は閑話となります。
「アイン男爵も存じている事だが、今回の罰は上流階級への不敬だ。上流階級が行った事を考慮して罰を決めるのだが、大体は重い罰となるだろう。……ああ、心配しなくて良い。今回の罰は比較的軽い」
「それは嬉しい知らせですね」
その言葉に表面上は安堵する。軽いとは言っても罰は罰だ。受けるのは間違いないし、階級の高そうな人が軽いと思っても、俺は重いと感じるかもしれない。そのため、内面上ではあまり安堵していなかった。
「では、罰の内容に入ろう。アイン男爵が受ける罰は、三日間の監禁だ。これから移動する部屋に三日間部屋から出ず、家族などにも会うことなく過ごし、行いを反省してくれれば良い」
「三日間の監禁ですか。分かりました、罰を受けます」
思ったよりも罰が軽いな。親が近くにいないと駄目な子供だったら重い罰となりそうだが、俺にとっては大した罰ではないな。何故この罰にしたのか気になる所なので気を抜かずに行動していこう。
「分かった。では、監禁部屋へ向かおう」
階級の高そうな人がそう言った後、これから三日間過ごす事になる部屋へと移動した。かなり重そうな扉をメイドさんが開いて、部屋に入ると寝室よりは小さいが、それでも家の自室より大きい場所であった。
部屋の中にはドアが二つあり、おそらくトイレや風呂と言ったものだと思った。ドア以外にも生活していくために必要な物だけでなく、本棚のそのような生活していくために必要でない物まで置かれているようだ。俺が部屋の内装を見渡していると、階級の高そうな人が話しだした。
「この部屋で三日間過ごしてもらう事になる。部屋にある物は好きに使ってもらって構わないが、部屋から出てはいけない。食事は朝と夜の二回だけだ。何か質問はあるか?」
「いえ、ありません」
「では、罰が終わった時に迎えに来よう。しっかりと反省して過ごすように」
「分かりました」
階級の高そうな人がそう言うと部屋から出ていき、かなり重そうな扉がメイドさんにより閉じられた。さて、これで部屋の中は俺だけになったのだが、正直三日間監禁だけではないと言うのは明白だ。何故なら魔素感知により、壁や天井、床などから魔道具の存在が多数感じるからだ。監禁部屋とはいえ、ここは宿の中だ。そのため、魔道具が多い事は分かるのだが、いくら何でもこの数は異常だ。これはやはり警戒した方が良いだろうな。
少なくとも魔法を使う事は控えておこう。それで、警報が鳴ったりする可能性がある。他にも軽い筋トレやストレッチなら良いが、激しい運動を控えた方が良いだろうし、怪しまれるような行動も控えた方が良いだろう。いや、そんな行動は普段から取っていないが。
そう思いながら部屋の中を確認していく。見かけ上は豪華な部屋だ。気になる点を挙げるならばクローゼットと本棚だ。
クローゼットの方は服が数枚置かれており、そのどれもが幼児用であった。風呂から出たらこれに着替えろという事だな。本棚の方は絵本の本から専門書のよう本が置かれていた。その量は三日間で読み切れるものではないため、暇な時はずっと読んでいようと決意した。
ちなみに風呂とトイレだと思った所はその通りであった。規模は小さいがあるだけ嬉しいものだ。牢屋みたいに風呂やトイレのない所で監禁など嫌だからな。……というかこれ監禁という割には待遇良いよな。魔道具の数が多い事もあるからやはり何かあるに違いない。そう思わずにはいられなかった。