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178話 再び踊るんだが

178話です! またまた1日遅れてすみませんでした! また、8月では中旬から下旬辺りが中々投稿が出来なさそうです。すみません。

 メイドさんに入り口まで案内してもらって会場に戻ると、あの騒動を見ていたであろう子供たちがこちらを見てはひそひとと話し出していた。これは新しい友達や知り合いを作りにくくなってしまったなと思いつつ会場の中を進んでいく。


 会場はダンスが行われている途中で、ダンスを踊っている子供や、椅子に座って会話を嗜んでいる子供、食事ばかりに目がいっている子供、ただ会場から庭園の景色をぼんやりと見ている子供……いや、アムさんがいた。


 まあ、自分から話しかけるのは目立つし、礼儀作法的な意味でよろしくないので無理として、エファさんに無事な事を言いに行かないと。あの騒動からそのままお別れ、という事も有り得るからな。ほとんどそのために会場に戻った訳だし。


 エファさんを探すとすぐに見つけた。数人の令嬢方と会話を嗜んでいた。今話しかけるべきでないなと思い、近くのテーブルに座って終わるのを待とうとしたらエファさんがこちらに気づいた。


 エファさんは令嬢方に少し断り入れて、俺の方に近づいてきた。


「カイさん! だ、大丈夫でしたか!?」

「ええ、大丈夫でしたよ。少し時間が掛かってしまいましたが無事に戻ってこれました」

「カイさんが、ぶ、無事に戻ってこられて良かったです……」

「ええ、本当に良かったですよ」


 俺自身には罰がまだあるけど、それを言うと心配するだろうから言わない。自己犠牲が過ぎるのかもしれないけど、あの場で逆らったのは自分だからね。


「カイさんはこれからどうされますか?」

「あまり決めていませね。食事を取って誰かと会話を楽しみたいと思うくらいです」

「でしたら、よろしければまた一緒に踊りませんか?」


 ……え? お誘い? 俺を? 突然のお誘いに頭がショートする。今までほとんどお誘いの経験がなかった俺にとって刺激的だった。


「か、カイさん……?」

「え? あ、いえ、良いですよ。踊りましょうか」

「はい!」


 確かに最初にエファさんとダンスをした時はこんなにも楽しいと思わなかった程、楽しかったし、もう一度踊ってみたいとも思っていた。それが叶うのだから断る通りがない。ただ、エファさんが誘ってくれた……誘ってくれる程ダンスを楽しんでくれたと思うとかなり嬉しく思う。


 罰の事などすっかりと忘れて内心喜びながらエファさんと会話を弾ませていく。そうしているうちにダンスが終了して、再び始まるであろうダンスを踊るためにエファさんをエスコートしつつ中央へと向かう。


 中央に着き、音楽が流れるまで会話を楽しむ。流石に2回目なので少し気楽に会話を楽しめる。会話途中に少しだけ周りを見ると、多くの子供たちが踊るようだ。やはり皆も踊る事が楽しいと感じたのだろうな。そう思いつつ話していると音楽が流れ始める。


「では、踊りましょうか」

「はい!」


 右手をエファさんの背中に回し、左手をエファさんの右手を持ってダンスを始める。最初に踊った時よりもミスが少なく、エファさんと息を合わせながら踊っていく。動きは派手なものではなく、ゆったりとしている者であるが、それがまた良い。こうして楽しむ事が出来るのだから。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ダンスが終了し、テーブルに戻って会話を弾ましたり、その途中でアポトさんが乱入してきたりと楽しい時間を過ごしているうちに子供会最終日が終了を迎えた。


 ここで別れたらしばらくは会えないのかなと少し寂しく思っているとアポトさんが手紙を送ってくれるそうだ。それを聞いたエファさんがなら私もと手紙を送ってくれるらしい。どうやらこの5日間で2人とは手紙を交換出来る程にまで仲が良くなったようだ。俺としてもアポトさんやエファさんは短い間だから親友とは言えないかもしれないが、良い友達だと思う。


 しばらく会えない事はやはり少し寂しくあるが、手紙を交換したりしてまた会える時まで楽しみにしていようと帰りの馬車の中に揺られつつ考えていた。。

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