177話 ようやく戻れるんだが
177話です! 過去最高に文字数が少ない気がします。忙しいので許して。
8/2追記。帰りが遅くて中々書けない……。また1日遅れてしまいます。
「それで良いのか?」
「はい」
あの子爵と関われる状態にしておくと酷い目に合いそうだ。それなら、ここで一時の罰を受けた方が良い。その罰も子供だから多少なものになりそうだからね。
「まあ、それで良いなら良いんだ。そう処置をしよう。罰については……まあ、あるだろうが、おそらく軽いだろうな。罰については後日伝える」
それなら良かった。いや、罰を受ける事は確定した訳だから良くないか。あ、でも決戦での要求を破った場合を聞いてみるか。
「あの、1つ質問をしても良いでしょうか」
「ん、良いぞ?」
「先程の要求ですが、もし破られた場合はどうするのですか?」
「まず、破られる心配がない。口先だけの決闘ではその限りではないが、今回は要求は契約により守られる。契約については知っているか?」
契約か。イネアの時に使われた契約みたいなものかな? あまりよく分かっていないから知らないですと言って首を振る。
「なら、説明しよう。だが、簡単にだ。契約は紙で行われる方法と魔法で行われる方法の2種類存在する。今回の場合は紙で契約を行う。紙の方が何かあった時に形として残るからだ。ここまでは良いか?」
「はい」
契約した証拠が残ると残らないとでは何かあった時の対処が段違いなのだろう。少しでも対処がしやすくなるならこちらとしても万々歳だ。
「契約に使用する紙にまず要求内容を書く事になる。要求内容書き終えた後、両者の血を紙に落とす。その後に両者の合意の上、契約が行われる。なお、血を紙に落とす時や、合意の際に少し特殊な例があるのだが、今は省略する」
「両者の血と合意……」
あれ? 確か奴隷契約の時、父親が合意をしていたよな。特殊な例とはそういう事かな?
「ん? 分からない所があるか?」
「いえ、ありません」
「なら、説明を続ける。契約の内容は絶対で破ろうと考えた時点で激痛が走り、無理矢理破ろうという考えを消去される。その為、破られることはない。契約については以上だ。何か質問する事はあるか?」
無理矢理考えを消去って……中々怖いな。でも、そのくらいの事をやってくれた方が信頼出来るな。質問については―――
「契約はいつ行いますか?」
「少なくともクル子爵が落ち着いてからだな。それまでは、子供会に再び参加しても良いし、先程の部屋でゆっくりとしていても良い」
なら、これからの行動は決まっている。罰は後日だけだし、後はパーティでゆっくりと過ごせば良いな。罰があるとはいえ、無事な事を報告しなくてはいけないし。
「では、子供会に再び参加したいと思います」
「そうか。他に質問がないのなら今すぐ戻るか?」
「はい」
「分かった。では、頼んだ」
「かしこまりました」
部屋の隅で佇んでいたメイドさんが、案内をする。これでようやく会場に戻れるな。