174話 決闘なんだが2
174話です! 投稿1日遅れます。代わりに何としてでも決闘のシーン終わらせる……。
数分の休憩を取った後、メイドさんが俺を呼びに来た。
「アイン男爵様、武器を使った戦闘の準備を致しますので後に付いて来て下さい」
「はい、分かりました」
部屋から出て、メイドさんの後に付いていくと大きな広場に出た。床が土で設備などは何もない広場だ。その広場の中央に階級の高そうな人とクル子爵がいた。クル子爵は相変わらずこちらを睨んできているが、口元は少しにやけている。そんなに自信があるのだろうか?
「では、武器を使った戦闘の決闘を始めようと思う。ルールは簡単だ。各々が選んだ武器で戦い、どちらかが参ったと宣言する、気絶する時点で勝敗が決まる。禁止事項としては必要以上の攻撃、武器以外の攻撃、相手の死亡だ。禁則事項を行うとその時点で反則負け理解したな? 理解してなくても行うぞ。では、戦う何か使用している武器はあるか?」
「私は棒が欲しいですね」
「っは! たかが棒で何が出来るんだよ」
「クル子爵に勝つことが出来ますよ」
「あああああ!!」
「2人とも頼むから煽らないでくれよ……」
俺の言動に階級の高そうな人は頭を抱えだした。……何か色々と面倒かけてすみません。こんな面倒事さっさと終わらせたいですよね。
「では、棒を持ってくれ。では、クル子爵は何の武器を使う?」
階級の高そうな人は頭を抱えてる事を止めるとメイドさんに目配せしてからクル子爵に聞きだす。
「普通の剣だ」
「普通の剣、ショートソードだな。今回は木の剣を使う事になるからそのつもりで」
「ああ」
了承する事を確認するともう1人のメイドさんに目配せをする。
「さて、武器が届くまで好きに行動して良い。ただし、両者が話す事は認めないからな」
そう言われたのでクル子爵の様子を見つつ体をほぐしておく。そうしている間に俺とクル子爵の武器が届いた。普段使っている棒よりも短いがまあ、問題はないだろう。
「では、両者武器の状態は良いな?」
「はい」
「ああ」
「なら、両者間隔を空けなさい……もう少し、よしそこだ」
俺とクル子爵は階級の高そうな人の指示の下間隔を空けた。だいたい10m位かな? その位なら様子を見て動けそうだ。
「では、両者構えて……では、武器を使った戦闘開始!」
戦闘が始まったと同時にクル子爵が突っ込んでくる。だが、距離が開いているせいで不意打ちにもならない。バックステップを取って距離が縮まるのを遅くする。体力がどのくらいあるか知るためだ。これで疲れているようだったらずっとこれやればいいからな。
「逃げるなあ!」
「むしろこの速度に追いつけないのですか? 遅いですね」
バックステップを取る俺にクル子爵が吠えるけど気にしない。むしろ煽ってやる。エファさんを泣かした事を忘れないからな。
「馬鹿野郎ー!」
暴言を吐きながら必死に追いかけるクル子爵。そのおかげで少しずつ距離が縮まっているようだ。なので、ほんの少しだけ速度を上げておく。
「追いつけねえええ!」
そうするだけで速度は一緒になる。にしてもちゃんと運動しているのだろうか? そう思わせる程クル子爵の走る速度は遅く、走り方も拙かった。
「馬鹿ー! あほー!」
「そう暴言言っている暇があったら追いついて下さい」
走るのに疲れてきたのか走るのを止めて暴言を吐き続けるクル子爵。なら、こちらもバックステップを止めようかな。
「ようやく止まった……」
「どうしたのですか? 折角止まったのに攻撃してこないなんて、馬鹿なのですか?」
「うるさあああああい!」
こちらが止まったにもかかわらず未だ止まっているのだから煽ってみたら簡単にのってくれた。だが、疲れているのか先程よりも速度がない。体力も全然ないんだな。どうして決闘の内容をこれにしたのか……。
そう考えている間にようやくクル子爵が至近距離まで到達して攻撃してくる。
「ん?」
剣の腕だけはまだましだな。拙いと言えば拙いが、先程の走りや体力と比べれば全然違う。まるで剣だけを練習したような……そんな剣の腕だ。
「やられろおお!」
「ちょっ」
クル子爵の剣が真っ先に俺の胸に突き刺そうとしてくるのを身を捻って避ける。というか今の当たったら気絶とかではなくて死ぬから!
「おりゃああああ!」
「危な!」
今度は顔面狙ってきやがった! この野郎、完全に狙ってやっているな。こうなったらこっちも容赦しない!