170話 子供会最終日なんだが
170話です! そろそろ1周年です! 何気に楽しみです。
追記、申し訳ありません。またまた投稿が1日遅れそうです。
子供会5日目、遂に最終日だ。今日を乗り切ればひとまず安全だ。クル子爵の事は警戒しなければならないが、ステータスの事以外では警戒する事はもうないはずだ。
子供会の最終日は午前から夜まで1日目に行った会場で行われる。そこでは、簡単なパーティーを行うようだが、1日目と違い、ダンスをする必要がある。当然、食事も出る。しかし、1日目のように庭園に行く事は出来ないため、会場内でしか行動する事が出来ない。ちなみに、ダンスに関しては拙くても踊りきれば良いみたいだ。食事はいつ食べても良いらしい。
今の所知っている事はこのくらいだ。後はあの階級の高そうな人が説明してくれるだろう。そう高を括り、貴族らしさのある服を着て馬車で王城へと向かう。
王城に着くと、すぐに会場へと案内された。会場は中央には何も置かれておらず、その周りに丸いテーブルが置かれているようだ。席の方は壇上側の丸井テーブルから順に階級の高い人が座っていくようだ。となると当然俺の席は庭園側となる。まあ、庭園の景色を眺めながらゆっくりと過ごせると思えばむしろこっちの方が良いのではないかと感じた。
席に座り、同じテーブルのメンバーを確認すると遠くから見た事はあるのだが、まだ話しかけた事はない子供ばかりであった。
だが、その子供たちは違う様で既にペアを作っているらしく、少し喧しいくらいに会話をしていた。このまま俺も加わるという勇気はないためそのまま静かに始まる時を待った。
始まりを知らせる階級の高そうな人が壇上に上がったのはそれから少し後の事であった。まず、子供会最終日が始まる事を告げて、これから行うパーティの説明をしていった。
事前情報の通り、1日目に行った事とダンスが主に行うらしく、ダンスに関しては少なくとも1回は踊らなければならないらしい。まあ、ダンスに関しては問題ない。礼儀作法の一環として母親とイリスから習っていたからな。
食事面で言えば今回は立食ではなくても良く、階級に相応しい所であったら好きな場所で食べても良いらしい。ただ、食べてばかりという貴族としてふさわしくない行動は控えるようにとの事。当然だな。ここは貴族社会にでる準備段階というだけでなく他者との交流が目的なのだから。
後は細かな注意点だな。ここに関しては省略していこう。
さて、階級の高そうな人の話も終え、いよいよパーティが始まった訳だが先に厄介なダンスをやるか? 確か最初のダンスが始まってから10分程で行われると言っていたはずだ。なら、パートナーを決めておかないとな。パートナー……エファさんに頼んでみるか。断られたら最初のダンスは諦めてダンスをしてくれるパートナーを探さなければ……。
そう決めてエファさんを探すと案外早く見つける事が出来た。丁度近くに男の子はいない様だし、誰かと話している様子はないから行くとしたら今だな。
「エファさん、おはようございます」
「あ、カイさん! お、おはようございます。ど、どうなさいましたか?」
「エファさんはダンスの相手がいるかどうか聞きたくて。もしいなかったら一緒にどうですか?」
誘う時はこういう感じで良いだろうか? 表面には決して出さないように気を付けるが内面は全然穏やかではない。こういう事は全く慣れていないのだ!
「わ、私はまだだれも相手がいませんので、カイさんが良ければ……お願いします」
「こちらこそお願いします。エファさんは何時頃踊りたいですか? 特に決めていないのでしたら最初のダンスで踊りませんか?」
「さ、最初ですか、最初は緊張してしまいます……」
「でしたら最初はどこかで話しながらダンスを見ていましょう。その後にまた行われるダンスで踊りましょうか」
「はい、お願いします」
笑顔で返事してくれる。とりあえず不満はないようだから良かった。それに上手い事誘いに乗ってくれたから助かったな。……もしかしたらエファさんもパートナーがいなくて少し不安だったのかもしれないな。
そう思いながら近くにあるテーブルに座ってメイドさんに紅茶を頼みつつエファさんと会話をしていく。そろそろダンスの時間かな?