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169話 歩くんだが 2

 169話です! 少し飛ばし気味です。次はもしかしたら閑話となるかもしれません。本編の方では次は5日目となります。5日目はゆっくりと行きたいです。

 小さな丘の頂上で小休止を取った後、丘を下り、小さな森の中に入った。森の中は子供に怪我を与えないようしっかりと整備されており、整備されていない森と比べたら景観が全然違うな。心なしか虫などの生物も少なく感じる。どうやら生物に関しても危険が無いように整備されているみたいだ。


 さらにこの小さな森は他の所よりも涼しいため疲れている子供にとっては良いじゃないだろうか? そう思い、アポトさんを見ると少し疲れた顔をしているがキョロキョロと辺りを見渡していた。


「そんなに辺りを見渡してどうしましたか?」

「森に来るのは初めてなのだ! 綺麗だな!」


 ああ、家からあまり出た事がないのだから森なんて行く機会なんてないよな。


「確かに綺麗ですね。あ、あそこの木に小鳥がいますよ。色がカラフルで美しいですよ」

「おお! 綺麗だな! あんな鳥など見た事がないぞ!」


 テンションを上げながら小鳥を見ている。先程の少し疲れている顔をしていた時とは正反対だ。だが、そんなに騒ぐと小鳥が……あ。


「あ、逃げたのだ……」

「大きな声に驚いてしまったみたいですね」

「小鳥……」


 先程と打って変わって悲しそうな顔をしてしまう。


「きっとまた来てくれますよ」


 悲しそうな顔をするアポトさんに何て言えばいいか分からず、ありきたりな事を言っておくことにする。


「うむ……」


 未だ悲しそうな顔をしてしまっているが、こういう時はなんて言えばいいんだろうか……。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 小さな森を出てると100メートル程の池が見えてきた。池の沿い辺りでは机が数多く置かれてあり、少し離れた所で数人のコックが料理を用意している所が見えた。あそこで昼食を取る感じになるのかな?


 そのまま列は机が置かれている所へと進み、列の先頭にいる階級の高そうな人が声を上げる。


「長い事歩いて大変だったかもしれないけれども、誰一人途中で諦める事なくここまでたどり着いて、よく頑張りました。お料理は、後少しで出来るようなので椅子に座って待っていて下さい」


 そう言うと、メイドさんたちが席に案内してくれる。案内された席に座って少し待っていると次々と料理が配られ始めた。中々美味しそうだ。だが、食べる前にまた何かアナウンスがあるのではないかと思い、まだ食べずに香りだけ楽しみながら辺りを見渡す。


 すると、子供たちの内約半数がお腹が空いて我慢が出来なかったのかすぐに食べ始めていた。だが、もう半数は食べずにメイドさんから水を飲んで喉を潤したり、料理を見ていたり、俺と同じように辺りを見渡していた。どっちが正解なんだ? ……そうだ、公爵家の子供を見れば分かるはずだ。


 そう思い、見てみるとまだ料理に手を付けておらず、池の方を見ながら優雅に水を飲んでいた。という事はまだ食べないのが正解みたいだ。なら、メイドさんから水貰って待っていようかな。


 料理が配られ終わった頃、階級の高そうな人が再び声を上げた。


「それでは、お料理を食べましょう……もう食べている方もいますね。まあ、いいでしょう。では、この食にありつけることに感謝を」


 その声と共に、俺も言葉にする。他の子供も同じように言葉にしたようで辺りから聞こえてきた。


 さて、食べていこうか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 とても美味しい昼食を取った後、スタート地点であった広場に戻った。戻る時に足が痛いのか弱音を吐く子供もいたが、無事に全員自力で戻る事が出来た。


 広場では、既に子供たちの親であろう大人たちが待っていた。階級の高そうな人が解散の旨を言うと同時に子供たちが親の所に歩いていく。当然俺もまた父親の所へと歩いていく。


「カイ、今日は特に何も無かったか?」

「ええ、今日は何もなかったですよ。明日も今日みたいに終わって欲しいです」

「何もないのならいいんだ。では、宿に戻ろうか」

「はい!」


 帰り途中にエファさんとアポトさんを見かけたので少しだけ話してから俺と父親は宿へと戻った。


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