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15話 他の部屋に見に行ったんだが

15話です! 16話は明日投稿予定です。

12/13改正。

 街から戻ってきて、次の日となった。

 街で買ったイネアはひとまずアイン家のメイドとして扱うそうだ。そして、ある程度メイドとして働けるようになってから俺のところに来るらしい。流石にいきなり俺の周りの世話はまずいだろうからね。


 イネアの事を思い出しながら天井をぼーっと見ていると、いつも通り朝からリリィさんとシンディが来た。リリィさんは乳を飲む時以外は基本的に母親と話をしている。シンディは寝てる時が多いのだが、起きている時は大抵一緒に遊んでいる。最近では、頬っぺたを互いにムニムニしたりして遊んでいる。柔らかくて触ると和むんだよなあ。


 しばらく遊んでいるとシンディが眠った。

 特にやることがなくなったので、イリスになにか頼んでみようと思う。転生者とばれた以上自重なしでいこう。自重出来ていたのかは別としてね。


 さて、何を頼むか……そういえばまだ家の中をあまり知らないな。この部屋以外ではまだ廊下と外くらいしか行ったことがない。なら今日は探索をしよう。


 そうと決まれば早速呼んでみるか。


「いーいーうー」


 うん……返事来ないや。何を言ってるか分からないよな。しょうがない、何度も呼んでみるか。

 5回くらい呼んだ時にイリスが気付いて、こちらに来てくれた。

 

「カイ様、お呼びになりましたか?」

「あうー」

「何でしょうか?」

「ほあおーえやー」


 俺はドアの方を見て拙い発音で伝える。発音も練習しないとなあ……。流石に不便だ。


「? 他の部屋? に行きたいのですか?」

「あい!」

「マリン様に聞いてきますね。それまでおとなしく待っていて下さいね?」


 イリスは部屋を出ていき、2分くらいで戻ってきた。


「許可が下りたので行きましょうか」


 俺を抱き上げて共に部屋を出た。廊下は左右に伸びており、左側に2つ、正面に1つ、右側に3つ、計6つのドアがある。左側の通路は行き止まりで右側の通路はその先があり、右に曲がると玄関まで行けたはずだ。廊下の壁には絵画が数枚あり、左側の突き当りに花瓶があり、白色の見たことない花が咲いている。


「どの部屋から行きたいのですか?」


 どうせなら全部の部屋を見てみたいよね。

 左側は行き止まりのため、左側の部屋から順に行ってみようか。

 俺は一番左側にあるドアを見つめて、行くように頼む。


「左側にある2つの部屋は私たちメイドと奴隷の部屋になります。一応、プライベートなのでその部屋は駄目です。それに今行っても他のメイドやイネアはいないですよ?」

「あい!」


 驚いたことにメイドさんや奴隷の部屋が隣だった。だから探知をかけた際にメイドさんが廊下通ることが多く引っかかった訳か。でも部屋に入れないのか……メイドさんたちの私生活が見れるのかなと思ったのに。

 気を取り直して、次行ってみよう。次は正面だ。


「この部屋は空き部屋ですね。普段は来賓の方々に使われている部屋となります。来賓の方々が多い場合はもう1つの屋敷の方を使いますが、1人や2人の場合はこの部屋を使いますね。来賓の方々が来ない日であればお好きに入って、使用なさっても問題ないですよ」


 へえ、もう一つ屋敷があるのか。そちらも少し気になるがそれは後にしておこう。

 正面は空き部屋なのか。何か実験をする時に使えそうだな。今後色々使いそうだ。

 次は右のドア行ってみよう。

 ドアは3つあるので近い順からいこう。


「こちらともう1つ奥の部屋はフレッツ様とマインズ様の部屋になります。現在、お二人は外にいますので部屋に入らないでおきましょう」


 フレッツ兄さんとマインズ兄さんの部屋だった。どこか遊びに行っているのだろうか?

 右側の奥の部屋はどうなのかな?


「こちらが倉庫になりますね。日常品から高価なものまで入っています。この部屋なら入っても大丈夫ですので入って見ますか?」


 倉庫か。結構興味あるね。前世ではなかったものもあったりするから面白そうだ。


「あい」

「では行きましょうか」


 イリスがドアを開けると中は少し薄暗かった。そして、倉庫の中は箱がほとんどであるが、剣などの武器が沢山立ててあり、調度品もいくつかある。見慣れない物も沢山あるのだがどうやって使うのだろうな? 奥には金庫が見える。


 というか武器かっこいいな。鞘の部分の色が赤や黄緑など様々だ。剣は短剣から長剣まであり、鎧は1つだけだった。ただ、槍などの剣以外の武器は見られなかった。あそこの中から将来使うことになる武器があると思うとワクワクしてくるね。生き物を殺すことに関しては覚悟しないといけないけれど。


 調度品は瓶や絵画などだ。あの両親のことだからおそらく貴族らしさを出すために用意したのだろう。そして気づいたのだがメイドさんたちがしっかりと掃除しているのか倉庫全体が埃っぽくなくて、清潔を保っている。倉庫って埃っぽいイメージだから少し意外だった。


 奥の金庫には入っているのだろうか?

 金庫とイリスを交互に見て説明を求める。


「あの金庫には家の財産が入ってます。決して開けて使わないでくださいね?」


 財産……お金とか家宝かな? 見てみたい気もするけどここは諦めよう。


 あらかた倉庫を見終わったので部屋を出ることにした。倉庫の部屋よりも奥に行くと右側に通路がある。その通路にドアがまた3つある。


「では、また近くから案内しますね」

「手前にある部屋はマリン様とフェンド様の部屋になりますね。お二人はこの奥にある執務室かリビングにいるのでそちらに行きましょうか」

「あい。」


 両親の部屋か。流石に今はいないよな。

 

「その次の部屋は執務室ですね。今はフェンド様がお仕事をなさっていますね。入ってみますか?」


 執務室か。流石に仕事の邪魔するのは不味いな。

 俺は首を横に振り拒否する。いよいよ最後の部屋だな。


「最後の部屋になりますね。ここはリビングでその奥にキッチンがあります。ここにマリン様とリリィ様がいるかと思われます」


 リビングとキッチンは合同なのか。母親がいるからここは入っても大丈夫かな?


「あうー」

「では入りましょうか」


 イリスは察してくれたようで返事をしてドアをノックをした。そしたら母親の声が聞こえてきた。


「入っていいわよー」

「はい、では失礼します」


 イリスがドアを開けた。部屋の中の広さは学校の教室くらいの大きさで真ん中に机と椅子があり、母親とリリィさんが座っている。後は棚と観葉植物と調度品が少し置いてあるくらいだな。


「イリス、部屋の案内お疲れ様」

「ありがとうございます。カイ様は楽しそうに見ておられましたよ」

「そう。なら良かったわ」


 部屋は時代どころか世界が違うから物の種類や配置が変わっていて楽しめたな。執務室や兄達と両親の部屋はまた後日見てみたいな。


「それでは部屋に戻りますね」

「ええ、お願いね。何かあったらまた教えてね」

「はい」


 今日はここまでか。そろそろシンディが起きる時間だからしょうがないね。さあ、戻ろう。

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