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165話 上級者用の本を買ったんだが

165話です! 今回の話は中々テンポが良い気がする。

 魔法ショーは日が暮れてもなお続き、最後は爆発で終わった。日が暮れてからは火魔法で辺りを明るくしたり、魔法自体に光を入れて魔法をこちらが見やすいように配慮がされていた。また、演出も最初よりも繊細で迫力のあるもので、よく魔素が無くならないなと思いつつも魔法の可能性についてよく考える良い機会となった。だが、爆発で始まり爆発で終わるのは宮廷魔導士の趣味なのだろうか?


 魔法ショーが終わると階級の高そうな人が現れてすぐに解散となったと同時に父親が迎えに来てくれた。帰る前にアポトさんとの会話をそこそこにしてから部屋へと戻る。


「「「お帰りなさいませ」」」


 部屋では、イリスやイネアたちが既に夕食を用意してくれていた。料理から湯気が出ているので出来立てなのだろう。料理が冷めるといけないため俺と父親は、手洗いうがいしてから夕食を食べる事にした。


「カイ、2日目はどうだった?」


 夕食を食べて少しした所で父親との会話が始まった。


「面白かったよ。魔法を使った劇も良かったけど、魔法ショーが凄かった。あれだけの事が出来るのは一体いつになるのか分からないよ」

「カイなら案外すぐに出来ると思うぞ。稽古も頑張っている事だしな」


 すぐ出来るとは思えないけどなあ。少なくとも上級の魔法を覚えないと。……あ! まだ上級者用の本を買っていない!


「そういえば父様!」

「どうしたんだ? いきなりそんな声を上げて」

「魔法の本を買わなくては!」

「魔法の本? ……ああ、あれか」


 一瞬考えるそぶりを見せたが、思い出したようだ。


「明日も午後からだよね? なら午前中に買いに行こ!」

「分かったから食事中にそんな大声を出すな。唾が飛ぶし、はしたないぞ」


 先程の魔法ショーで気分が高揚しているのかつい大声を出してしまった。少し落ち着く必要があるかもしれない。


「だが、読むのは王都を離れてからだからな?」

「勿論!」


 下手に読むと試したくなってしまうからね。こればかりはしょうがない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 翌朝、早朝から父親とイリス、イネアと共に本屋へと向かった。王都の本屋はコールディとは規模が違い、大型書店と言っても良い程の大きさを誇り、本の在庫数もエストリア王国一の量だ。


 それ程の本屋なので店内にはそれなりに客がいる。だが、前世のような年齢層ではなく、ほとんどの人が大人であった。本の値段を考えると妥当か。


 そう考えながら早速欲しい本のエリアへと向かう。これだけ本があると探すだけでも少し大変だ。ある程度はジャンル分けされているが、似たような本が多い事多い事。本の中は盗難防止のため魔法が掛かっており拝見する事が出来ないため、初心者用と中級者用の本と同じ表紙を睨めっこしながら探していく。


「あ、父様! これだよね?」

「ああ、これだな。早速買おうか」


 初心者用と中級者用の本と比べて分厚いがこれで間違いないだろう。父親が本を持って、会計をして貰う。


「こちらの本でよろしいですか? 最近出版された物がありますよ」

「そうなのか? そちらも見せてくれ」

「少々お待ち下さい」


 店員が少し席を外す。だが、1分程で1冊の本を持ちながら戻ってきた。


 あの本が新しく出版された本か。昨日の劇では色々と発展しているらしいから最新の情報が載っている本の方が良いな。それにあの本の方が分厚いから記載されている魔法の数が多いかも知れない。


「こちらです」

「なるほど」


 父親は考えるそぶりを見せながら俺をチラリと見てくる。良いかどうか聞いているのだろうと思い、小さく頷く。


「幾らだ?」

「金貨12枚です」


 た、高いな! 買えるかどうか心配になり、思わず父親を見てしまうが、父親は大体そのくらいだと思っているのか特に驚いた様子はなく、金貨を取り出す。


「では、これを」

「……はい、では金貨12枚丁度頂きます。ご来店ありがとうございました」


 上級者用の本を父親はイリスに渡し、俺たちは本屋から出る。さて、本も買えたし次はムスイさんの所かな?


「次はムスイさんの所?」

「ああ、あいつの事だから早くしないと遅いと言われそうだな。少し急ごうか」


 父親は少し歩く速度を上げる。俺は、少し早歩きになるがまあ問題ない。だが、そのおかげで予定していたよりも少し早くムスイさんの家に着くことが出来た。庭では既にムスイさんがおり、何故かマインズ兄さんと稽古をしていた。何故マインズ兄さんがここに?


「マインズ、今日は学校休みだったか?」

「ん? ああ、父さん。学校は休みだぜ!」


 ああ、休みか。なら、納得だ。


「なら、久しぶりに稽古をしようか」

「ここに来てから大分強くなったから驚くなよ!」

「ははは、一撃入れれるようになってから言うのだな」


 父親と俺は家の中に入り、稽古の準備を進めて、早速稽古が行われる。


「じゃあ行くぞ!」

「ああ、来い!」


 父親はすぐさまマインズ兄さんと戦う事になった。一方、俺の方は。


「さあ、稽古を始めるぞ! まずは素振りだ!」

「はい!」


 ムスイさんと稽古だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 稽古は11時頃まで続いた。昨日もこんな感じだったので、体力をしっかりと使い切るため、走るペースを速めたりなど、自分を追い込んでいった。その結果、体中が痛い事になったのは頑張った証拠だろう。


 宿に戻り、風呂に入って、昨日と同じ服に着替えていく。本日は、昨日と同じ場所に集合らしい。ただ、昼食は食べずに来て欲しいとの事らしいので、着替えて、始まる時間になるまで少しリラックスする。


 勿論、リラックスの対象は涼風だ。最近は少し気温が高いからスライムの体温が少し冷たくて丁度良い。また、魔石を上げるととても喜んでくれるので、苦労して取れた魔石をとった俺としては中々嬉しい。


 そうして、リラックスしていると時間となったので昨日と同じところに向かう。今日は何が行われるのかな?

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