150話 マインズ兄さんに会いに行くんだが
150話です! 3日間書いていないと書きにくくなるのは自分だけでしょうか?
翌日、野営や村の寝具よりも何段階も心地よいベッドで寝れたおかげで良く寝られたため、良い朝を迎える事が出来た。
早速ベッドから降りてスライムに魔石を与えたり、ストレッチをしてから、昨日と同じように食事を取っていく。家でもあまり味わえないような美味しい料理を堪能しつつも今日の予定を思い出していく。
今日はまずマインズ兄さんの所に行くらしい。マインズ兄さんのいる所は宿と同じ位の面積がある学園の敷地内にある寮だ。聞いた話では前世にある寮と然程変わらないようで、普通に会うことが出来るらしい。
学園までの距離はこの宿から徒歩20分程で着くらしくあまり時間が掛からないため、店などを冷やかしつつ向かう予定だ。
次に昼からは父親の冒険者時代からの仲間に会いに行き、そこで鈍った体を元に戻すためにその人と父親が手を組んで稽古をしてくれるらしい。その仲間は現在も冒険者をやっており、活躍しているそうだ。そんな人が稽古をやってくれるらしいから楽しみだ。
とまあ、今日はこんな感じに動く事になるはずだ。そんな訳で早速マインズ兄さんの所へと向かう。外は昨日と同じく、警備の人がおり、他の貴族が丁度着いた所のようだ。まあ、無視で良いよな? 父親もそのつもりのようだし。
学園への大通りに出ると人混みの中でどこかから良い香りがしてきた。
「ん? この香りって何でしょうか?」
「カイはこの香り嗅いだことなかったか。ほら、あそこにある赤い花の香りだ」
父親が見た方向を見てみると花屋があり、そこの木に生えている赤い花があった。だが、その花は他の花よりもかなり大きく、1m以上の花を咲かせている。
前世のラフレシアにも見える花だが、世界一臭く、大きいと言われているラフレシアと違い、良い香りだ。ただ、木は木で、別の花を咲かせているみたいだからそこはラフレシアと同じ寄生植物のようだ。まあ、ラフレシアの場合はブドウ科植物の根に寄生するのだが、まあどうでも良いか。
「かなり大きい花だね。それにまだ結構距離があるのにここまで匂うから花屋の横を通ると凄く匂いそうだね」
「確かにそうだな。ここまで匂われたら迷惑になる事もあるが、香料して使われているから変な所で売りさえしなければ問題ないんだ。それに、この香りは令嬢方も良く使うから覚えておくと良い」
香料としてか。ここまで強い香りなら、薄めているんだろうな。そうでないとパーティ全体がこの香りに包まれてしまうのだろうな。
そんな事を思いつつ、店を冷やかしていって、マインズ兄さんがいるであろう学園に着いた。学園の入り口ではマインズ兄さんが待っており、こちらに声を発しながら手を振っていた。だが、その隣に茶髪の女性がいるな。……もしかしてマインズ兄さんの彼女か?
「マインズ待っていたのか。オズ令嬢とも仲が良い様だな」
「勿論だよ父さん」
「御機嫌よう、フェンド男爵様。ええ、それはもうマインズったらまだ来ないかなまだ来ないかなってずっと待っていたのですから」
そう笑みを浮かべながら父親に話しかけている女性。これだけ仲が良いと彼女というか……。
「ああ、カイ。彼女はオズ・ジャーナ令嬢だ。マインズの婚約者だ」
「初めまして。カイ・アインです。よろしくお願いします」
「あら、マインズの言う通り可愛らしいね。初めまして、カイさん。オズ・ジャーナよ。気軽にオズと呼んでね? お願いよ?」
オズ・ジャーナと名乗った女性がこちらの目線に合わせて自己紹介をしてくれる。彼女の目が緑で凄く綺麗だ。
「ええ、分かりました。オズさんで良いよね?」
「勿論!」
「自己紹介も済んだことだし寮の部屋でゆっくりしない? 丁度良いお菓子が手に入ったからさ」
確かにここでずっと立ち話もあれだな。
「ああ、そうしようか」
「お菓子ってこの前買ったあれかしら? あれ、美味しいんだよねえ」
「どんなお菓子なんだ?」
「サフランラよ。中のジャムが美味しいの」
「それは美味しそうだな。楽しみだ」
そんな話をしつつ学園に入っていく。