閑話 マリンの思い(中)
閑話(中)です! ブックマーク10件を超えました! いつも読んでくれてありがとうございます。
あれから私はアイン家で暮らしている。私と彼の仲は……凄く順調であると思う。私は既に2人の子を産んでいる。フェンドとの子供であり、6歳のマインズと4歳のフレッツだ。2人とも男だ。
「マリン様、もう少しですよ!頑張ってください!」
「は……い!」
そんな私は今、新たな子を産もうとしている。
「マリン様!頭が見えてきました! 後少しです!」
「え……え。」
既に2回の出産を体験してもこの痛みはなかなか慣れない。
だが、もうすぐ産まれると思うと頬が緩んでしまう。
「産まれましたよ!男の子のようですね!」
「マリン様!お疲れ様です!」
ようやく出産が終わった……! どうやら子は男らしい。
イリスも出産を祝ってくれている。彼女にはこの子の専属メイドとして勤めてもらおうと思っている。
「あれ? この子泣きませんね?」
「いけない!早く泣かせないと!!」
泣いてない? そう言えばそうだ。泣かないと呼吸ができなくて死んでしまうと聞いたことがある。お願、早く泣いて!
「おぎゃああああ、おぎゃあああああ。」
「よかったー! 泣いてくれなかったことを思うとぞっとしますよ……。」
良かった……。泣いてくれた。これで一安心だ。
「赤ちゃんを見せて頂戴……。」
「はい。立派な男の子ですよ!」
「ふふっ。可愛らしいわ……。」
マインズとフレッツの時もそうだったが、凄く可愛らしい。この笑顔だけで産まれてきてくれてありがとうと思える。これで3度目だがこうやって息子を見ると思わず頬が緩んでしまうのが分かる。
「では早速あげないとね。ほーら口を開けて―。」
赤ちゃんに母乳を与えないとね。こうやって吸ってくれることは結構好きだったりする。
……あ、離した。もうちょっと吸ってほしい気もするがしょうがないか。。
「よく飲みましたねー。」
私は赤ちゃんの背中を軽く叩く。
「けぷ」
「よし、でたわね。イリス私少し寝ることにするわ。流石に疲れたわ。」
「かしこまりました。ごゆっくりとお休みください。」
そして私はすぐ眠った。
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私が目を覚ましたのはあれから2時間後だった。体も動かせるくらいには回復したからひとまずフェンドに会いに行く。
私は部屋を出て、フェンドのもとに向かった。おそらくフェンドは執務室で作業しているだろう。そう思いながら執務室の扉にノックした。
「だれだ?」
「マリンです。」
「入ってくれ。体はもう大丈夫なのか? 無理はしていないか?」
「ええ、無理してないわよ。スキルがいい具合に働いているからね。」
「それならいいんだ。そこの椅子で安静にしていてくれ。まだ本調子ではないだろう。」
「流石に分かるよね。まだ疲れも残っているし椅子でまったりとしてるわ。」
椅子に座り彼と話しをしているとノックが聞こえた。
「だれだ?」
「イリスでございます。赤子が起きましたのでご報告に参りました。」
「おお、起きたのか。すぐ向かおう。」
「私も行くわね。」
執務室から出て、赤ちゃんのいる部屋に向かった。
「おお、可愛らしいじゃないか。」
「私とあなたの赤ちゃんよ。可愛くて当然だわ。」
「早速抱っこしよう。おー、可愛らしいなー……。」
そう言って、赤ちゃんを抱き上げて、頬ずりしだした。って
「おぎゃあああああああああああああ。」
「こらフェンド!いつも頬ずりは駄目って言ってるじゃない!」
「だが……。いや、何でもないです。すみませんでした。」
「まったく……。その癖早く治しなさい。」
「はい……。」
いつになったらフェンドの赤ちゃんを見ると頬ずりする癖が治るのかしらね……。
「おぎゃああああ。おぎゃああああああ。」
「……あら! すっかり忘れていたわ。」
フェンドに気を取られていてすっかり忘れてしまったわ。
そういえば名前は考えてあるのかしら?
「ねえ、フェンド?」
「ん? なんだ?」
「この赤ちゃんの名前はもう決まっているの?」
「ああ、もうすでに決まっているぞ。この赤ちゃんの名前はな、カイにしようと思う。」
「カイ……。うん、いい名前だと思うわ。」
「そうだろ? 1ヵ月間ずっと考えていたからな。」
「それで資料溜まっていたの?」
「……いや。知らないな。」
「まあ、気持ちは分かるから何も言わないけど早く片付けなさいよ?」
「すぐに終わらせるさ。」
そう言ってフェンドは部屋を出ていった。
カイ、ねえ。ステータスはどうなんだろう? 病気とかないといいいんだけど、見てみないとね。
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名前 カイ・アイン
種族 人間
年齢 0歳
属性 水、風、無
レベル 0
HP 10/10
MP 10/10
物攻 1
物防 1
魔攻 1
魔防 1
速さ 1
体力 1
魔素 1
運 150
ースキルー
<算術lv6><料理lv3>
ー称号ー
<転生者><幸運者>
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……え?