147話 風呂があったんだが
147話です! もう少し進めたかったのですが、リアルが忙しいのでここまでで……
40歳程の男性が部屋に案内すると言われ、俺と父親はそのままついていくと1つの扉の前に着き、男性がそのドアを開けた。
「こちらのお部屋となります。部屋をご利用するにあたっての注意点等は机の上に紙が置いてありますのでご覧ください。何かありましたら机に置いてあります魔道具を使って頂けたら従業員が来ますのでご気軽にご使用ください。それではどうぞ、ごゆっくり」
そう言いつつ軽くお辞儀をする。そんな様子を見つつ、俺と父親はそのまま部屋の中に入る。ちなみにメイドさんたちは別の部屋のようだ。まあ、当然と言えば当然なのだろうけど。メイドさんと同じ部屋で暮らしているアイン家が異質なだけだ。
部屋の中は俺と父親が使うにはとても広かった。この部屋だけで家のリビング以上の大きさはあるだろう。そして、この部屋には寝具がない代わりに豪華なテーブルと椅子があり、部屋の入り口から見て、左右に扉がある。という事は、この部屋は応接間のような扱いで、左右の扉の内どちらかの扉が寝室となるだろう。
「カイ、左にある扉が寝室だからそこに荷物を置いて、後は自由行動でいいぞ。ただし、あまり廊下などに出ないようにな」
「勿論だよ、厄介事に巻き込まれたくないからね」
左の扉が寝室らしいので、早速そちらに向かう。
寝室に入ると、真っ白で触り心地の良さそうなベッドが2つあり、その奥にまた扉があった。ひとまず荷物をベッドの横にある籠に入れてからその扉を開けて見る。
開けた部屋の中は狭く、籠が2つとその中にタオルが1枚ずつ置いてあるだけであった。そして、さらに続く扉がある。何だろうと思い、さらに開けてみる。
「あ!」
「ん? どうしたんだ、カイ?」
同じく荷物を置いていた父親が俺の声に反応して、こちらに来る。いや、それよりも……!
「ああ、カイは風呂が初めてなのか?」
風呂がある! 転生してから本当に入りたかった風呂。入りたい、すぐに入りたい!
「いや、前世で毎日入っていたよ。まさか、風呂があるなんて! ねえ父様、すぐに入って良い?
」
「あ、ああ。構わないが、使い方は分かるか?」
見た感じ、魔道具は風呂の側面に1つと照明用か? だとしたら風呂の側面にある魔道具を使えば出るのかな?
「あの魔道具を起動すれば良いんだよね?」
「ああ、そうだ。石鹸などはあそこにあるから自由に使いなさい」
そう言うと父親は寝室へと戻っていった。俺もひとまず戻って風呂に入る準備をしようか!
そうして、急いで準備を行い、涼風を抱きながら風呂へと入って魔道具を起動する。すると、魔道具から大量の水が出て来て、風呂に溜まっていく。温度は、良好だ。少ししたらもう入れそうだと思い、涼風を桶に入れておき、頭と体を石鹸で綺麗にしてからいざ風呂へ!
「ああああぁぁぁ」
思わずおっさんのような声が出てしまう程、久し振りの風呂は気持ち良かった。肩までしっかりと浸かって久し振りの感覚を味わう。凄く心地良い……ん?
「ああ、涼風を桶に入れたままだった」
涼風の感情を感じて思い出した。一旦風呂から出て、涼風の入った桶を入れて中に入る。このくらいの温度なら涼風に悪影響を及ぼす事はないだろうから問題ない。どうせだから桶にもお湯を入れようか。涼風にも風呂の良さを味わって欲しいからな。出来れば桶なしで一緒に入りたい所であるが、涼風の色と風呂の色が似ていて分かりずらくなってしまうから止めておく。
そのまま30分程、涼風と遊びながら風呂を楽しんでいると扉からノックが響いた。
「カイ様、そろそろお食事の時間になりますよ」
イネアだったか。そろそろ食事か。でも、もう少し入っていたい気持ちもある。だが、入り過ぎも良くないか。
「うん、すぐ行くよ」
風呂は王都にいる間、いつでも入れるんだ。帰るまで十分に楽しめばいいか。
部屋に入って風呂入っただけで終了……話ほとんど進んでない……。