143話 完全に忘れていたんだが
143話です! 前回に引き続き(ry
次回はおそらく王都編に入るかなと……思います。
王都へと出発まで後1カ月、王都で着る服も先日届き、王都に向かう準備が完全に出来たようだ。ちなみに王都に向かうメンバーは父親、イネア、イリス、他2人のメイドさだ。少数ではあるが、フレッツ兄さんの時も似たような人数なので大丈夫だろう。
そんな中、ステータス変更のレベルがまだ上がらない。そろそろ上がってくれないと不味いのだが、何度見ても変わらない。だが、それで焦ってしまっては駄目だ。1回1回を大切にやっていこう。そうすればちゃんと上がってくれるはずだ。
そう思いながら魔素をどんどん使い、練習を終える。今日も駄目だったが、明日は上がってくれる事を祈ろう。
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翌日、母親が少々話したい事があるらしく、昼食後に俺の部屋に来るみたいだ。なので、日課となっている稽古をしてから昼食を済ませた後、自分の部屋でスライムと戯れながら母親を待っているとノック音が聞こえた。
「母様? 入って良いよー」
俺の声に反応し、ドアが開く。やはり、母親だった。
「とりあえずそこ座ってね」
「ええ」
あらかじめ用意してあった椅子に母親を招き、早速要件を聞いてみる事にする。
「それで、話って?」
「少しくらい世間話でもと思っていたけれど、まあ良いわね。カイのステータス変更はレベル6になった?」
「まだレベル5だよ。毎日練習しているけど中々上がらないね」
というか、ある程度は母親にも報告しているから分かっていて質問しているのだろうな。
「そんなカイに提案なのだけれど、私の鑑定で練習速度を上げない?」
……母親が鑑定を使える事を完全に忘れていたな。何故思い出せなかったのだろうか。それだけ焦っていたという事なのかもしれないな。
「そういえば母親も鑑定を使えるんだったね。すっかり忘れていたよ」
「やっぱりね。カイがいつ気づくのかと見ていたけれど、そろそろ不味いと思ったから鑑定の事を言ったわ。それと、カイの表情も最近はあまり良くなかったから……」
見てないで教えて欲しかったよ。でも。
「そんなに表情に出てた?」
「ええ。いつもは笑顔なのだけれど、最近は顔をしかめていた時があったわね」
そうだったのか。全く自覚がなかった。
「そこまで焦っていたのかな。レベルが上がらない事に」
「良くある事よ。だからあまり気にしない方が良いわ」
「うん……そうするよ。それで、鑑定の件を言ったという事は手伝ってくれるの?」
「ええ、勿論」
「……ありがとう、母様」
母親のおかげで一気に練習速度が上がりそうだ。俺よりも母親の方が魔素の扱いが上手いだろうし、魔素量の方も上だろう。だとしたら練習速度は2倍以上だ。毎日母親が手伝う事は無理かもしれないが、それでも十分にありがたい事だ。
「じゃあ今から始めるけど、良い?」
「ええ、良いわよ……鑑定!」
母親が鑑定を発動する。魔素感知により鑑定に使われた魔素量を感じる事が出来るのだが、明らかに俺の鑑定に使っている魔素よりも多い。というよりも俺が全力で行う鑑定の何倍もの魔素量で発動出来ている。やはり母親は凄いなあ。
「これで良いのよね?」
「うん。良いはずだよ。でも、やっぱり母様は凄いね。あんな量の魔素を制御出来るんだから」
「カイも時期に出来るはずよ。だって私の息子だもの」
俺も時期に出来ると自信満々に母親が宣言してくれる。……なら、その宣言に答えないとな。
「うん、俺も出来るように頑張るよ……鑑定!」
自分が行える最大の魔素を込めて鑑定を行う。まだ、レベルは上がっていないようだが、母親の手伝いもあるため、出発までにはレベルが上がるはずだ。
「ええ、その調子よ。……鑑定!」
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そうして、途中から母親の手伝いもあり、母親が手伝ってくれてから10日程、その日の最後に鑑定を行うと遂に変化が現れた。
「あれ? 無魔法のスキルレベルが上がってる……」
「そちらも良い事だけれど、今はステータス変更ね……。でも、おめでとう、カイ」
「……うん」
嬉しい、嬉しいけどさ、上がるスキル間違っているよね!?