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閑話 フェンドの焦り 3

閑話です! 予定よりも進んでない……。

「カイ……何処だ……」


 あれからスクラエルを倒し、詰所へと向かった。そして、ライル殿や騎士団に事情を説明して共に街中を捜索したのだが、カイは何処にも見当たらなかった。早く見つけなければいけないのだが、残酷にも既に日の出が近づいており、段々と明るくなってしまっている。それにつれて仕事に向かう人や買い物をする人などが増えてきており、捜索が難しくなってきている。その様子を見るたびに俺はカイの事が心配になり、焦りを募らせる。


「うーむ……これだけ探して見当たらないとなると……外に逃げていると考えた方が良いかも知れませんな」

「そう……ですね……。発見できる可能性が低いですが、外を探すしか……」


 帝国の奴らは帝国の方向へ行ったのだろうが、帝国の方面は小道が多くある。騎士団の協力があっても……難しいだろう。さらにあそこは森がある。馬車で森の中に入る事はないだろうが、隠れる事は可能だろう。そうなれば発見はさらに困難となる。


「では、騎士団と協力して探しに向かいましょうぞ! 速さが勝負ですぞー!」

「なら、一度詰所に戻りましょう」

「うむ!」


 そうして一度詰所へと戻り、外の捜索へと切り替えるようにお願いする。騎士団は快く受け入れてくれて、外に出る準備をすると言ってくれた。だが、騎士団の準備は色々と必要で出発が遅くなるため、俺とライル殿は馬を貸してもらい、先に街を出て捜索する事にした。それでも日は完全に出て来ており、街の出入り口では、街の出入を求める馬車が訪れ、並び始めている。その様子を見た俺は情報を集めるのに良い人たちがあるではないかと思いながらライル殿に提案する。


「……ライル殿」

「どうしたのかね?」

「一度あの人たちに怪しげな集団か馬車を見たかどうか聞いてみましょう。もしかしたらどの道を通ったのか分かるかもしれません」

「おお、それは良いですな! 多少の物を渡せば教えてくれるかもしれませんぞ!」


 ライル殿も賛成のようなので、少しでも情報を集めようと今街に入ろうとしている人に少々のお礼を手に掴ませて怪しげな集団や馬車を見ていないか聞いてみる。その人はお礼を嬉しそうにもって快く質問に答えてくれる。


「いやあ、そういった馬車は見てませんなあ。ただ、ドナンドに来るまでに馬車は3回すれ違いましたよ」

「そうか……情報をありがとう」

「いえいえ」


 やはりこの時間は馬車の交通量が多くなってしまうな……。これでは分からないかもしれないぞ……。


「フェンド殿、他の人にも聞きましょうぞ。今は少しでも情報が欲しいですからな」

「そうですね」


 そうして、他の人たちにも聞いてみたが皆同じような返事であったのだが、先程質問している時に並び始めた人に聞くと他の人とは異なる返事が返ってきた。


「怪しい集団や馬車ですか……そういえば怪しいと感じるような馬車は見かけましたな」

「そ、それは本当か! 何処で見かけたのだ?」


 そろそろ諦めて一か八か当てずっぽうで探そうかと思い始めた時に異なる返事が来たのだから思わず大声になってしまった。周囲の方々から視線が集まってしまったが、そんな事よりも返答の方が気になる。


「え、ええ。シス村からドナンドに向かう道を通っていた時に馬車の壁が片方だけ黒色の布を掛けた馬車が通っていたのですよ。両方掛けてある馬車ならまだ分かりますが、何故片方だけでしたから何かを隠しているのではないかと思いましたね」


 シス村……少し距離があるな……馬で走るよりも自力で走る方が速いのだが体力の温存はしなければな……。馬には少し無理をさせるが、何をしてでも追いつかねば!


「おそらく俺が知りたい馬車だ。シス村だったな。早速行ってみる事にする。情報をありがとう!」

「いえいえ、このくらいの情報なら何時でも」


 早速俺とライル殿は後を追おうと馬に乗り、走り出す。


「ようやく良い情報を得られましたな」

「そうですね。シス村までの距離は中々ありますから急ぎましょう!」

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