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135話 脱出を試みるんだが 4

135話です! 今回は連続投稿となります! 


お詫び 前話で馬車から出た時の時間帯が朝である事を書き忘れてしまいました。申し訳ありませんでした。既に修正を入れています。

 襲撃者から逃げるために必死になって森の中を暫く走っていると、遂に魔素が切れそうになった。途中で方向も変えた事が功を奏したのか、後方からはもう何も聞こえない。襲撃者から何とか逃げ切る事が出来たようだ。流石にそろそろ休憩をしないと不味いと思い、木の枝の上に飛び上がって身体強化と五感強化を解く。そして、身を潜めながら小休止を取る事にする。


 小休止を取り始めてまず感じたのは疲労だ。襲撃者から襲われる状況で感じていなかった疲労が安心感からかドッと来てしまった。その後、ただでさえ乱れていた呼吸がさらに激しく乱れ、それにつれて汗もどんどん出て来てしまう。少しでも落ち着かせようとウォーターボールを生成して喉を潤し、静かに深呼吸をして息を整えていく。


 他にも傷を癒していきたいのだが、水癒を使うだけの魔素がない。だが、ウォーターボールなら後1発だけなら打てると判断し、ウォーターボールを生成する。そして、体中にある傷に少しずつかけていき、雑菌を洗い流す。本当ならこれだけでは全然足りないのだが、無いよりはましだと考える。


 そういえばHPとMPはどうなっているんだ? どちらも少ない事は分かっているのだが見ておこう。具体的な数を知れば今後に備えやすくなる。


「ステータス」


ーーーーーーーーーーーーーーーー  

名前 カイ・アイン

種族 人間

性別 男

年齢 5歳

属性 水、風、無

レベル 26

HP 41/182

MP 2/2021

物攻 17

物防 15

魔攻 33

魔防 21

速さ 16

体力 18

魔素 202

運  150

ースキルー

<算術lv6><料理lv3><魔素操作lv6><無詠唱lv6><風魔法lv5><水魔法lv5><無魔法lv5><五感強化lv5><身体強化lv5><ステータス変更lv5><剣技lv2><忍び歩きlv2><悪路緩和lv1>

ー称号ー

<転生者><幸運者><魔法使い中級者><誑かす者><見習い剣士><守護者>


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「……は……ははっ」


 予想以上の低さに思わず苦笑いが出てしまった。MPが酷い事になっているのは分かり切っていたが、HPも酷い事になっている。何だよ41って……どう見ても重症だ。どこか骨折していても全くおかしくない程だ。よくこのHPで襲撃者から逃げてきたな……。


 そう思いながらステータスを見てみると足音が聞こえてきた。木の下の方を見てみるとどうやら3体のゴブリンがよたよたと歩いていた。手には棍棒だったり木の棒だったりと様々であるが、迷宮にいたゴブリンよりも弱そうだと思った。明らかに体格が違い、今いるゴブリンの方が弱そうに見える。


 とはいえ、今戦うと負けると思うのでこのまま身を潜めて、やり過ごそうとする。素手な上、魔素切れな幼児が武器を持っているゴブリンに勝てるわけがない。1体でも勝てるかどうか微妙であるが、3体は絶対無理だ。


 そう結論に達し、身を潜めながらゴブリンを見ているとある方向を見て、急に騒ぎ出した。何だ? と思い、その方向を見てみるとゴブリンと同じ肌の色であるが、骨と皮がほとんどなゴブリンと違い、筋肉と脂肪がたっぷりと付き、ゴブリンよりも明らかに大きい体を持つ魔物……オークが現れた。


 オークか……不味いな。住処だけは別の話になるが、オークはゴブリンのような集団行動はあまり取らない魔物だ。その分単独でも生き残る事が出来る程には強いだけでなく、五感にも優れている。そのせいで俺たちが普段気にならないようなものまで気づいてしまう魔物だ。……つまり、このまま身を潜めていると必ずばれる……というか既にばれているのだろう。


 そんなオークのランクはDとされており、今の状態では必ずと言っても良い程勝てる相手ではない。となれば行動は1つだ。3体のゴブリンを囮にして逃げよう。


 木の枝から別の木の枝に飛び移る事は……出来そうだと思い、逃げ始める。別の木の枝に逃げて、そのまた別の木の枝に逃げて……を繰り返していくうちにゴブリンの声が聞こえなくなってきた。ならもう大丈夫かな? そう判断して、再び木の枝の上で小休止を取る。臭いを辿ってオークが追って来るかもしれないが、ゴブリンで満足してくれることを祈ろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


 小休止を取り、魔素が少しだけ溜まったので動き出す事にする。小休止の間にどのように行動するかも決めた。まずは……キルルク草を探す事にする。安全に森から出る事を考えれば現在の魔素では足りないからだ。何しろ中級の魔法を3発程しか打つことが出来ないのだ。逃げるだけにしても魔素が足りていない。なので魔素の回復を促進してくれるキルルク草を食べて魔素を回復し、森から出るという作戦だ。後、傷を癒したいのでヨユルギ草もついでに探す事にする


 キルルク草は水辺に生えている事が多いので水辺を探す必要があるのだが、幸い、ここに移動してから水の流れる音が聞こえている。音がする方向に進んでいこう。


 猿みたいに木の枝を通って移動していくと少しだけ開けた場所が見えてきた。そこには川があったのだが、川幅が10mを超えている。深さは分からないが、水が少し濁っているため底が見えない……探知を掛けて調べておこう。


 これは……川に近づくと不味いな。川の深さは2mから3m程であるのだが、問題はそこではなかった。この川には魔物が大量発生している。1匹1匹の強さは大したものではないが、鰯の群れのように大量にいるため、飛び込めばひとたまりもないだろう。


 まあ、川に近づかなければ良いだけの話だ。現在欲しいものはキルルク草だ。探していこう……と探知を解き、木の下を見ていくとキルルク草が生えていた。早速木から音を立てずに降りて、キルルク草の葉を採取する。そして、ウォーターボールで軽く洗って食べていく。食べるごとに苦味が出て来て、その後に微かに甘く感じる。まあ、美味しくない。だが、魔素の回復には最適なので次々と食べていく。


 こうして葉を食べていると空腹である事を自覚する。何かいい食料はないかと食料を探す……目の前に川があるが、危険だ。例え、魔物が取れても焼かなければいけないから駄目だ。……大人しく食べれる葉や果実、虫などを探す事にしよう。冒険者になるためにこのような知識は優先して集めているので間違ったものを食べる心配はないはずだ。一応万が一の事を考えて、鑑定を毎回使う事になるが。


 そうして食料を探し始めた。その結果、ヨユルギ草とアズという果実を見つけた。この果実は春から夏に食べる事が出来、直径5cm程の大きさだ。味は……酸っぱいのだが数はあるのでありがたく食べる事にしよう。勿論、ヨユルギ草もね。

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