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130話 ベッドの下の出来事なんだが

 130話です! 遅くなってすみません! 来月からはまたちゃんと投稿出来ると思うのでしばしお待ちを!

6/24 訂正しました。

「……うぅ……っ! お前……!」


 元いた部屋から一番遠い部屋で隠れてから2時間程が経った頃、ベッドの下にいるネルさんが目を覚ましたようだ。ベッドの下に潜るとネルさんは俺に気づいて何か言いそうになったので、あらかじめ用意していた布を口に詰め込んでおく。そして、吐き出されないように俺の手で口を覆い黙らせておく。大声のせいで襲撃者が来たら隠れる意味がないからね。

 

 それでもネルさんはまだ喋ろうとしているのでネルさんの耳元まで近づいて小さな声で話す。


「色々と言いたい事はあるだろうけどそれは後にしてね。今は大人しくしていて」

「ングー! ングー!!」


 ネルさんは大声が出せない事が分かったのか、今度は暴れようと試みる。体の一部がベッドに当たってしまい、ガタリと鳴る。この音が他の襲撃者に聞かれていないか心配になりつつも急いでネルさんの動きをロープだけでなく、身体強化を使った体を使ってさらなる拘束に掛かる。抵抗はかなりあるが、体力が少ないためか力はあまりない。


「……まあ、大人しくしてくれるわけがないよな」


 ネルさんにとって俺はガキの癖に不意打ちを仕掛けて逆に殺そうとしてきた人だ。俺に拘束されて身動きが取れないこの状況に動揺しているのだろう。それと、リーダー的な人もいたのに俺が無事な事に驚いているのかもしれない。もしかしたらリーダー的な人の安否が気になっているのかもしれないな。まあ、襲撃者が仲間意識を持っているかどうかは分からないが……。少しネルさんが何を想っているかを考えてみたが、いまいち分からない……でもこれだけは言えるな。


「でも、静かにして貰わないと困るよ……それに、あまり暴れると傷口が開くよ」

「ンンッ!」


 どうやら言うのが遅かったようで痛みで呻き声を上げたようだ。脂汗も出て来ていてかなり痛そうだ。このまま気絶してくれたら自分自身の安全は確保できるがネルさんが死にそうだな。とりあえず傷口が開いてしまったかを確認……開いてるな。再び血が出て来ているな。とりあえず水癒を掛けて止血をしてから手元に用意してあるポーションを飲ませよう。


「ほら、HPポーション上げるから静かにしててね?」

「ンー! リーダーを! ッング!」


 手を離して、布を取り出すと大声を出そうとしたので急いでHPポーションを咥えさせて、HPポーションをゆっくりと傾けていき、無理矢理に飲ませる。咽返りそうだがここで大声を出されると困るからな。……お、動きを止めたな。こっちが治療しようとしているのが理解出来たのかもしれない。だが、何するのか分からないので油断せずに行動していこうか……よし、HPポーションを飲み終えたようだから口から外してすぐにまた布を詰め込んで手で口を抑えておこう。


「あ! ングッ!」


 はあ……また喋ろうとしたな。油断も隙もないな……。色々と俺に聞きたいのだろうが、それを今話すと襲撃者が来るだろうから駄目だなあ。このまま父親を待つのも良いが疲れるなあ……あ、ネルさんにあの魔法を使ってみようか。創造した魔法だから魔素の消費が激しいのだが、まあいいだろう。

 

 口を覆っていない方の手の指に魔素を集めて創造した魔法の1つを唱える。


「粘着!」


 そう唱えた瞬間に口を覆っている方の手を離して、すぐに指をネルさんの口に当てる。そして、指から液体を出して、口紅の感覚で出した液体を付けていく……付け終わったので急いで指を離す。


「ンー!」

 

 どうやら上手くいったみたいだな。俺が今使った魔法は創造した水魔法だ。この魔法は生成した水を空気中に数秒間触れさせる事で、その水の粘性を瞬間接着剤と同程度にまで上げる事が出来るのだ。


 今回はその粘性を利用してネルさんの口を開かなくしたのだ。かなり便利な魔法だと思うかもしれないが、使いどころはあまり多くない。理由は単純で水を生成するためにMP消費が激しいため、指がくっついてしまうため、半日経つとただの水に戻ったりしてしまうためなどが挙げられる。もう少し練習すればもう少し粘性を持つ時間を延ばせると思うのだが、そこは後々練習していこう。目標は1週間だ。


 とりあえずこれで騒がれる心配は無くなったな……いや、まだあった。ネルさんをベッドの下でなく、ベッドの上に寝かせておくか。これ以上ネルさんが暴れて音を立ててしまったら大変だ。


 ネルさんに動かないように言って、無理矢理ベッドの上まで運ぶ。持ち上げるというよりは引きづる感じになってしまったがしょうがない。

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