表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/220

128話 助けるんだが

128話です! 半月程不定期となるかもしれません。

 真っ暗な部屋の中、俺は人を殺したという事実に少しずつ嫌悪感が増していき、その場でうずくまる。魔物を殺す事による嫌悪感などは無くなっていたが、人……同族を殺す事は魔物を殺す事とは全然違う。


 殺す必要はなかったのではないか? 


 ふとそう思ったが、すぐに否定する。相手はこちらに襲ってきて、誘拐または殺しかかってきた。殺さなければ殺される。例え殺されなくとも殺されるのと同じ位酷い目に合っていただろう。なら、これは正当防衛だ。


 そう自分に言い聞かせるようにして気分を落ち着かせていると、どこかから呻き声が聞こえた。呻き声の主を探しているともう一度呻き声が聞こえた。聞こえた方向を急いで向くと闇と呼ばれた人がいた。まだ死んでいないようだ。闇と呼ばれた人に警戒しながら近づき、様子を見てみる。


 闇と呼ばれた人は痛みのせいか、顔を歪めて苦しそうにしているが、どうやら気絶しているようだ。腹部から血が今も出てきており、このままでは死んでしまうだろうな……。助けるか……? でも、助けてどうするんだ? 今回の騒動の目的などを吐かせて、生きて罪を償ってもらうのか? ……その方が良いのかもしれない。今回の襲撃は計画犯だ。持っている情報も色々とあるはずだ。


 なら、まずは止血からだ。詠唱して水癒を掛ける。……まだ出血しているな。だったらもう一度。一応値は止まったが、これで止血出来たかな? 念のためもう一度やっておこう。


 次は拘束をしよう。目を覚まして攻撃でもされたら困る。それに、悲鳴でも上げられたら……あ、そういえば外から敵が戻ってこないな。それなりに音がしたと思うのだが戻ってこないとは……何かあったのか?


 まあ、今は目先の事に集中しよう。ロープはないけど……リーダー的な人は持っているのではないか? リーダー的な人を物色するとロープがあった。耐久度は……大丈夫そうだ。これで手と足を結んで拘束する。


 その後、自分の荷物からHPポーションを取り出して、飲ませる。……あ、その前に確かこういう時って口の中に毒を用意していたりするよな? 


 吐血のせいで血が付着してる口の中を確認してみると、奥の方に何かの固形物を見つけた。これか? 取り出してみるか。取り出してみると暗くて色は分からないが、ある程度硬い。とりあえずベッドの上にでも置いておくか。机は先程の戦闘でひっくり返っているからね……。


 よし、では飲ませるか。でもこれ、喉に詰まったり、肺に入ったりしないか? そう考えるとポーションは使わない方が良いかも知れない。起きた時に飲ませよう。


 これで一応何とかなった……のかな? ステータスを見てみれば分かるか。


ーーーーーーーーーーーーーーーー  

名前 ネル

種族 人間

性別 女

年齢 17歳

属性 闇

レベル 35

HP 10/320

MP 260/260

物攻 45

物防 37

魔攻 30

魔防 23

速さ 43

体力 27

魔素 26

運  34

ースキルー

<剣技lv3><闇魔法lv2><ステータス変更lv1><忍び歩きlv3><隠密lv3><詐術lv2>

ー称号ー

<剣士><魔法使い初級者><中級犯罪者>


ーーーーーーーーーーーーーーーー


 ……ステータス高いな!? 普段よりも魔素を込めたとはいえ、よく水矢の一撃で倒せたな。だけど犯罪者なのは明らかだな。称号にもあるわけだし、スキルにも詐術というものがある。なら、正当防衛は成立だな。

 

 って、今はそんなこと考えてる場合じゃない。それよりもHPがかなり危険な状態だ。水癒を掛けてもこのHPなら掛けなかったら5くらいだったかもしれない。そして、血を出していたからもっとHPが減り、死亡していたのかもしれない。今もHPが減り続けているかもしれないが、止血はしたので助かる事を祈るか。


 さて、ここからどうしようか……。これ、不味いよなあ。 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ