126話 5歳になったのだが
126話です!
スライムをテイムしてからは午前中に稽古を行い、午後に勉強して、夜にイネアと話すか、スライムと遊んだりしている。そのような毎日を過ごしていると時が流れるのは早いもので5歳になった。あれからテイムのスキルレベルが2に上がったり、イネアが鍛冶を始められたり、シンディの魔法がまた上手くなったりと色々あったが、いたって平和だ。
まずテイムはどうやらスキルレベルが上がるにつれて出来る事が増えていくようで、スライムの意思が少しだけだが、はっきりと分かるようになった。また、「ここにいて欲しい」や「これを食べてはいけない」など、単純な命令しか出来なかったが、「ここに移動して待っていて」などの命令が出来るようになった。
後、スライムは食事を与えていく事でもレベルが上がるようで、食事を与えただけでレベル5からレベル10になった。ただ、レベル10は約3ヶ月前に上がって、それからはレベルが上がっていないので何か別な事をしなければいけないのかもしれない。まだ魔物と戦わせたことが無いので今度やってみようか。
次にイネアが鍛冶を始めた事により、イネアと接する時間がさらに少なくなってしまった。午前中は側にいてくれるのだが、午後になると迷宮の近くに出来た鍛冶屋に行き、鍛冶をしているらしい。鍛冶をしている姿は見たことないが、夜に戻ってきたイネアに鍛冶の事を聞いてみると、どうやら鍛冶屋では武器の修理の補助や小道具の制作などをやっているらしい。そして、制作していく度に腕前がどんどん上達している事が分かるようだ。また、一緒に働いているミルさんという男性が鍛冶について教えてもらっているそうで、ミルさんは何でも知っていて凄いですとイネアが嬉しそうに言っていた。楽しそうで何よりだ。ちなみにミルさんは父親の知り合いらしく、ドナンドの街で鍛冶をしていたらしいのだが、こちらに移住したらしい。
最後にシンディについてなのだが、中級の魔法を全て使えるようになったらしい。そして、最近では魔法の創造をしたり、羨ましい事にリリィさんから上級の魔法を教えてもらっているらしい。
シンディから魔法の創造の事を聞いた時にはそんなものもあったなあと思い出したね。思い出したおかげで俺自身も新しく魔法を作ったのだが、MPの消費が激しい魔法ばかりで、風矢などのように打つとすぐにMPを切らせてしまう。まあ、その分威力が強かったりするので奥の手として使えるのだが……。対して、シンディはMPの消費が少ない魔法を創造したりしているので、もう少し考えて創造しなくてはいけないようだ。
……というかシンディはもう俺よりも魔法を上手く使えるんじゃないか……? 数ヶ月前に来た時に無詠唱のやり方を教えたのだが、以前来た時には完全に使いこなせていたからな。シンディに負けないように頑張らないとな。
まあ、他にも狩りに行った事や新しくポーションを作った事などはあるが、主だった事はそんな所だ。そして今、何しているかと言えば、ドナンドの街に行き、王都で着る事になる衣装を作るために採寸をして貰っている。
「……これで採寸は終了致しました。次に装飾ですが、どうなさいますか?」
「あまり派手ではないものにして欲しいくらいだ。後はそちらに任せるが、パーティの雰囲気に劣らない装飾を頼む」
「お任せください」
30歳後半程の男性の質問に父親がどんどん答えていく。というか装飾はネックレスとかそういうものだよな……ネックレスとか正直付けていきたくないな。前世でもあまり付けた事もないのに。でも、付けていかないと地味に思われるのだろうな……。そして、3歳の時みたいに絡まれたりするのだろうな……。
にしても、まだ終わらないのか。もう既に1時間以上は経っているぞ……。早く終わらせて欲しいものだ。