表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/220

13話 奴隷を買うことになったんだが

13話です!

12/10改正。

 現在、目の前に奴隷商館がある。

 外見は客足を伸ばしやすくするためか見栄えを良くしている。そして入り口のところに外見と比べて場違いにも見える怖そうな門番が2人いる。どっちもいかつい顔で筋肉凄いな……。


 そんな中を平然と入る父親と母親は流石だと思う。


「いらっしゃいませ。本日はどの奴隷をお求めですか?」

「そうだな……。まだ決めていないので全部見せて欲しい」

「奴隷についての説明は必要でしょうか?」

「そうだな、頼もうか」

「分かりました。では説明させていただきます。まず、奴隷は3種類に分かれております。1種類目は借金奴隷です。自分の借金を返すまで奴隷として働く形ですね。賃金は1ヵ月当たり銀貨1枚で計算をしてください。他の奴隷と違う所が借金奴隷に不当な扱いを行った場合は犯罪になることですね。くれぐれもご注意ください。また、夜の営みをしたい場合は奴隷とご相談をしてください。借金の分だけの日数を超えましたら、近くの奴隷商館で奴隷を開放してください。そして開放したという事を当店に伝えるために書類を作ってもらうようお願いします」

「2種類目は犯罪奴隷です。人殺しや強姦などの重犯罪や戦争で捕虜となった人が犯罪奴隷となります。こちらは不当な扱いをしても罪には問われません。また、もし犯罪奴隷をお買い上げされましたら開放する事は出来ません。必要なくなった場合は奴隷商館で売るか、処理をお願いします。なお、当店では扱っておりませんのでご了承ください」

「3種類目は幼児奴隷です。子共を育成するためのお金が足りないという理由で子供を売る場合や捨て子などを奴隷として扱います。こちらは貸出と購入の2種類に分かれており、購入での金額は貸出と比べて少しお高めになっております。勿論、不当な扱いは犯罪となっており、購入でのみ夜の営みは可能です。種類別での説明は以上です」

「次に奴隷の行動範囲ですが、まずご主人様に攻撃することは勿論出来ません。逆にご主人様は奴隷を不当に扱わない程度の命令であれば命令することが出来ます。もし、不当に扱った場合は一目見れば分かるようになっておりますのでくれぐれもしないでください。それとあまりない事ですが奴隷が犯罪行為をした場合、罪はご主人様が受けることになりますのでご注意ください。最後に金額ですが、最も値段の低い人は銀貨1枚で平均が金貨5枚となります。説明は以上です。何かご質問等はありますでしょうか?」


 犯罪奴隷をそのまま行動させたら危なそうだけど……どうなんだろう?


「ああ、大丈夫だ」

「では、すぐに用意致しますので隣の部屋でお待ちください。隣にいる店員にお客様たちの案内と護衛をさせますので店員についていってください」


 最後にそう言ってから店員は奥の部屋に小走りで向かっていった。


「それでは、こちらです」


 隣の部屋は案外広い。ざっと教室1つと半分くらいの大きさがあるんじゃないかな?


「それでは、そちらの席でお待ちください。すぐに来ますので」


 5分程で店員が戻ってきて、30人程を連れてやってきた。男は20人程、女は10人程で様々な髪の色、髪型、目の色をしており、容姿はぱっと見で半分くらいの人が美人であった。

 ただ、大部分は死んだ目をしていたりする。


「この中から好きな奴隷をお選びください」

「ああ、カイどの人がいいかい?」

「……すみません。もしかしてその赤子に選ばせるんですか? いや、前例がないだけでいいですけども……」

「ああ、構わない。今回、購入するのはカイなのだからな。カイが選んだものにするさ」

「では何も言いませんが……」


 さて、この中から選ぶ訳だが……とりあえず男の方から見ようか。女の方から見ると衝動的に選んでしまうかもしれないからな。もしかしたら男を選ぶかもしれないからな。


 ぱっと見で左から3番目と9番目と14番目の人がいい感じかな? 3番目の人がだいたい20歳くらいの男性で、緑髪、髪は不規則に伸びていて、緑目の少したれ目である。9番目の人が30歳くらいの男性で、金髪のショート、金目である。この人は筋肉が凄い。いかつくはないけどね。14番目の人は、身長が低いのでおそらく未成年だろう、黒髪、青目という外見をしている。

 とまあ、男性はこんな感じだな。


 女性の方は、左から2番目と4番目と……。


「あうー!」

「決まったか?」


 あ、つい声が……。いや、まさかここに幼女エルフがいるとは思わなかった。本当に驚いた。これは候補に入れざる負えないな。ロリコンなんて言われそうだが気にしない。ちゃんと理由があるからな。


 気を取り直して……あ、さっきの幼女エルフは7番目ね。

 後は、10番目かな?


 まず2番目の人は茶髪で猫ミミのショート、茶目である。4番目の人は赤髪のショートの橙目で褐色だ。身長的に幼児でいいのかな? ただ外見からしてドワーフかもしれない。7番目は幼女エルフ。緑髪ロングヘア、緑目だな。10番目は銀髪ベリーショート、銀目。少し筋肉質かな? という感じだ。


 これは迷う。とりあえずばさっと減らしていこう。女性の左から4番目と7番目と10番目だな。男性は……大きくなってから考えよう。正直全員買いたい。幼女ドワーフには鍛冶やらせてみたいし、幼女エルフからは魔法と、森の歩き方について教わりたい。銀髪の人は護衛としていいだろうし、剣術などを教えてくれそうな感じがする。


「あい」


 とりあえず、3人を指さして3人はありかどうか知ろうじゃないか。


「3人? 3人は流石に駄目だと思うわ」

「選ぶなら1人だ」

「私としましては赤子が選べたことに驚きですが、凄くお目が高いですよ。このドワーフはまだ6歳でありますが、称号のおかげか、日常の鍛冶は既に出来ますよ。ですがドワーフは幼児奴隷となります。なので少々お値段がかかります。そして、このエルフはハイエルフですね。200歳ですがハイエルフとしてはまだ子供らしいです。ですが、魔法はピカイチですよ。ハイエルフも幼児奴隷となります。ただ、ハイエルフはお値段が高いのでご了承ください。銀髪の女性はB級の元冒険者ですね。パーティに騙されて、お金が払えず……借金奴隷になったという感じですね。主武器は短剣で初級になりますが魔法を使えますよ」

「ハイエルフは高いと言っているが買うとしたらいくらになるんだ?」

「白金貨50枚になりますね。今は高いですが売れなければどんどん下がっていくので待つという選択肢もあると思っていいでしょう。また、オークションで出される可能性もあるため、オークションでお買いになさってもいいかもしれませんよ」

「流石に今は出せないな……カイ、ハイエルフはなしだ。流石に白金貨50枚は無理だな」


 ハイエルフは駄目か……。仕方ない……ハイエルフは諦めよう。後は幼女ドワーフと銀髪の人のどちらかだよな。


 幼女ドワーフの方は何か称号があるみたいだからありだよな。銀髪の人の方はB級ってどのくらいになるだろうか? 分からないが強そうだ。それに色々教わることもできるな。だが、借金奴隷か……。

 

 ……ここはドワーフにしよう。自分の武器や道具とか作ってほしいし、年齢が近いから一緒に成長できそうだ。


「あうー」

「ドワーフにするのか? じゃあドワーフで頼む」

「分かりました。貸出か購入どちらになさいますか?」

「購入で頼む」

「金額は金貨12枚になりますがよろしいでしょうか?」

「ああ、それでいい」

「では、奴隷契約をなさいますが、準備に少々お時間を頂きますがご了承ください」


 店員は幼女ドワーフを残して、奴隷たちを奥に戻した。

 

 少し経って、店員が戻ってきた。手には何か魔法陣が書かれている紙と針を持ってきた。


「では、奴隷契約を開始します。まずはこの針でその赤子の血を魔法陣に落としてください」

「ああ」


 針か。まあ少しチクっとするくらいだな。だが、ちゃんと消毒はしてあるのだろうか? 少し心配だが、見た感じ汚れはなさそうだから大丈夫……だと信じたい。

 父親が俺の指に針を刺して、血を魔法陣に入れる。その後に店員が幼女ドワーフの血を入れて店員は何やらブツブツ言ったら魔法陣が一瞬光った。


「これで契約は完了です。では代金を」


 これだけで終わるものなのか。何だか呆気ないな。


「うむ。……これでよいか?」

「……1枚多いのですが……」

「それは口止め料だ。この子のな」

「分かりました。奴隷はこのまま持っていきますか? それとも後日持っていきますか?」

「明日の午前中で頼む」

「分かりました」


 今日貰うわけじゃないのね。宿の人数を考慮してか。

 

 購入を終えた両親は奴隷商館を出た。


「カイはなぜあのドワーフを選んだのだろうな?」

「多分、鍛冶じゃない? ある程度は作らせようと思っているんじゃないかしら?」

「そうか。だが鍛冶場は家にないから鍛冶をするならあの家になるぞ?」

「あー、あそこね。まあ、あの人は頑固だけど根は優しいから大丈夫だと思うわ」

「頼んで了承してくれればありがたいのだが……」


 鍛冶してる人は頑固なのか。これは両親大変そうだ。


「まあ、今考えてもしょうがないな。何か買ってから宿に戻ろう」

「ええ、そうね」


 そんな会話をしつつ少し買い物をして、宿に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ