124話 テイムを取る事が出来たんだが
124話です! 後少しで5歳に行きます……大分飛びます。
ようやく吐き気が収まった……。現在は沼から少し離れた森の中に移動してゆっくりと休んでいる。あの場にいたらさらにグロい光景を見る事になるだろうし……考えるのを止めよう。また、吐きそうになる。
「……カイ様、落ち着きましたか?」
「……うん、何とか。でも、まだスライムを取れていないからまた戻らないといけないよな……だけどまだ魔物たちが食べているだろうからなあ」
というか、魔法を放たずに大人しくスライムだけさっさと回収して帰れば良かった。そうすれば吐くこともなかっただろうに……。
「いえ、その心配は必要ありませんよ。カイ様が魔法を放つ時にスライムを回収致しましたので」
イリスがそう言うと、鞄から瓶を取り出した。中身は青緑色をしたスライム瓶の中に詰まっていた。あの時見つけたスライムだった。
「じゃあ、戻らなくて良いんだ。回収してくれてありがとうね」
「はい、ですが次回からは目的を見失わないようにお願いします」
「う……うん。すみませんでした……」
謝りながらスライムの入った瓶を貰い、蓋を開けて見る。すると、瓶の中は窮屈であったのか、スライムは瓶の中から出ようとしていた。まあ、流石に出さないけどね。逃げられても困るし……。
「とりあえず触ってみるね?」
「このスライムは体液を飛ばす事がありますのでくれぐれもご注意なさってください」
「了解」
瓶の中に手を入れて、スライムを触り始める。もし、体液を飛ばしてきても手に掛かるだけだ。その時は水癒で治せば十分だろう。それにしてもぬめぬめしてて気持ちが良いな。これを体全体で感じる事ができたら凄く良さそうだ……テイムしなければそのまま溶かされるか喉に入り込んで窒息死することになるけどね。
でも、スライムとコミュニケーションを取るのは触るだけでいいのだろうか。一応今までは虫などを餌として与えたり、触ったりしていたが、もっと別な事もしないとだけかもしれない。となれば俺に出来る事は……魔法か。スライムという中級水魔法があるから、それをスライムに使ってみるか。名前が一緒だから何かしら起きるかもしれない。
「スライム」
俺の手から粘り気のある水を出し、スライムに掛けていく。すると、スライムは少しずつではあるが、吸収しているみたいだ。自ら吸収しているという事は効果ありか? なら、吸収した分だけを出していこうか。
「スライム……スライム……スライム」
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ピコン♪
テイムがlv1になりました。
ピコン♪
沼スライムをテイムしました。
スライムが俺の魔法のスライムをどんどん吸収するので、こちらもどんどん出していると、ようやくテイムを取ることが出来たようだ。そして、このスライムをテイムする事が出来たようだ。
「……カイ様、やりすぎです」
「え? ……あ」
イリスの声に我に返ると、スライムの体積がかなり大きくになっていた。瓶からは大部分がはみ出しており、自分の身長よりも体積がある……。いつの間にこんなに大きくなったんだ……いや、俺がスライムの魔法をどんどん出したのが原因なのだが。
慌てて魔法を止める。
でも、これだけ大きくなるものなんだな。どのような事をして吸収し、それを自分の体の一部として動かしているのか気になるな。
「……カイ様、これだけ大きいと流石に危険なのでそろそろコミュニケーションを行う事を止めてください」
「ん? ああ、イリス、その心配はないよ。ついさっきテイムが取れたから」
「テイムを取得する事が出来ましたか。それはおめでとうございます」
「うん、ありがとう」
イリスの方を見てみると手には短剣を持っていた。もし、俺が襲われるようならその短剣で倒す事になっていたので短剣には特に驚かないが、いつ襲われても良いように構えていたので危なかった。折角テイム出来たスライムを殺されてしまったら気分が悪くなるからね。
「イリス、これからスライムのステータスを見てみるから周囲を警戒しておいて」
「かしこまりました」
「……鑑定」
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名前
種族 沼スライム
性別 両性
年齢 0歳
属性 水、風
レベル 5
HP 30/30
MP 30/30
物攻 2
物防 6
魔攻 4
魔防 4
速さ 1
体力 3
魔素 3
運 45
ースキルー
粘体lv1、酸体lv1、吸収lv1、身体消化lv2、水魔法lv1、物理耐性lv1
ー称号ー
カイの従魔
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スライムだからステータスの数値は低いようだが、見慣れないスキルばかりだ。順に見ていくか……あれ? 出来ない。もしかして、自分のスキルしか見れない? もしくは、スキルレベルが足りない? どっちなんだ……。
帰ったら母親に聞いてみるか。