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123話 克服……のはずだったんだが

123話です! 食事前もしくは食事中の方は、グロ注意です。

3/1追記 明日の投稿はありません。3/4に次話を投稿します。

 ソイルロブスターを倒すために棒を取り出す。そして、出来るだけ周りに響かないよう、弱めのウォーターボールを打つ。これで、ソイルロブスターがこちらに来たら楽なんだけどな。まあ、来なかったらまた打つだけなんだが。もし逃げても、スライムを回収出来るから問題ないね。


 放ったウォーターボールはソイルロブスターの目に直撃し、痛かったのかこちらに襲い掛かってきた。そして、それを対処しようと風刃を無詠唱で打とうと思った瞬間、ソイルロブスターの横からかなりの勢いで飛んで来て、ソイルロブスターをパクリと噛みついた生物がいた。


「カイ様、あれがソイルフロッグです」


 ソイルロブスターは50cm程であるのだが、それをパクリとソイルフロッグは食べてしまっている。ソイルロブスターも必死に抵抗しているが、助かりそうにないな。現に、既に体の一部が噛みちぎられているから生き残っても別の生き物が襲い掛かってくるだろう……というかソイルフロッグの噛む力が強いな。ソイルロブスターが柔らかいだけかもしれないが……いや、殻はあるわけだから柔らかいわけではないよな。……俺も……そうなるかもしれないのか……舌ではなく、体が飛んでくるのか……怖いなあ。


 だが、今食べている事に夢中であるソイルフロッグは格好の的だ。なら、いまのうちに倒してしまおうか。敵がいる前で隙を見せる方が悪いのだ。


「……風矢!」


 小声で詠唱して、風矢をを飛ばす。ソイルロブスターに夢中となっているソイルフロッグは避ける仕草もしないまま、眉間に命中し、食べる事を止め……出来なくなってそのまま死んでいった。


「ゲコ」

「……え? また来た?」

「はい。ソイルフロッグは1匹を殺すと周りにいるソイルフロッグがそれを食べに来ますので」

「「ゲコッ」」


 ……共食いするのか。ソイルロブスターの方を食べれば良いと思うのだが……まあ、逃げる餌か逃げない餌、どちらを選ぶか、どちらが楽に食べられるのかといえば、逃げない餌か。……まあ、次はそれをまとめて倒してみるか。あの風刃の再現が出来れば可能だろう。


「イリス、思い切り風刃を使うからソイルフロッグが近寄ってきたら対処をお願い」

「かしこまりました」


 あの時はかなり魔素を使った中で残り全ての魔素を使い、あの風刃が出来たのだから……半分あればいけるかな? そう考えている間に、俺が殺したソイルフロッグに他のソイルフロッグが沢山群がっていた。


「うええ……」


 魔物をもう沢山殺してきているからグロイ事にも耐性が付いているはずなのに……。目の前の惨劇は吐き気が込み上げてくる程に……グロかった。


 俺が殺したソイルフロッグの四肢が次々と食い散らかしており、臓器も食い散らされたのか、水面に漂っている。それがまだ、20mとかで行われていたら、ここまでグロく見えなかったかもしれない。だが、食い散らかしている場所が7m程先なのではっきりと見えてしまう。そして、生臭い臭いも漂ってきた……早く何とかしないと本当に吐きそうだ。


 現実逃避するように目を瞑り、詠唱を始める。使用する魔素は半分程……制御する事がかなり大変であるが、ここで暴発などとんでもない。フォレストフロッグの時の風景を思い浮かべながら。魔素を制御し……。


「風刃!」


 棒から巨大な風刃が飛んでいく。共食いしている沢山のソイルフロッグは巨大な風刃に気づくこともなく、断末魔も上げる事が出来ぬまま、飲み込まれていく。


 思わず耳を防いでしまう程の、大きな音が辺りに鳴り響き、木の高さを超えそうな程の水飛沫が舞っていく。それが止んだころに見てみると、先程よりも酷い事になってしまった。沼に漂っている大量のソイルフロッグの肉片、先程姿を現していなかったが、近くにいたのであろうソイルフロッグ以外の魔物の死体が浮かんでいる。そして、それを食べようとする風刃に巻き込まれなかったソイルフロッグや他の魔物がさらに集まる始末……。はっきりと言って、地獄絵図だった。


「うええええ……」

「カイ様!?」


 その惨状に耐えきれなくなり、俺は吐き出してしまった。


 もう、蛙とは戦いたくない……。

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