122話 森に入るんだが
122話です!
意識を取り戻してから3ヵ月が経った現在、森に来ている。今回は狩りではなく最近忘れてしまっていたテイムのスキルを得るためだ。出来れば……スライムが欲しいなあ。
あ、ちなみに迷宮で取れたスライムは攻撃された際に見事に割れて、潰れたそうです。あれがあったら探さずにテイムのスキルが取れたと思ったのに……まあ、今回も瓶を持ってきたので、スライムを見かけたら捕まえますか。
探知を使ってどんどん森の奥へと入っていく。迷宮が出来たおかげで中々魔物と出会わない。土鼠やビッククロウラーならいたのだが……あれにテイムの練習は難しいよな……。下手したらまた大怪我してしまいかねないな。ちなみに土鼠やビッククロウラーはしっかりと倒しておきました。放っておくと森の中にある木の実や葉を沢山食べてしまうらしいからねえ。
さて、そろそろ1時間になるが、スライムなどが見つからないな。まあ、ヨユルギ草やキルルク草は取れたから無駄な時間ではなかったけどさ……。
「カイ様、確かその先は小さな沼地があったはずですよ? 行ってみますか?」
「沼地? 危なくない?」
「いえ、沼地に入るわけでもありませんし、入ってもさほど深くないので危なくないですよ」
なら、大丈夫かな? それに沼地だったら近くにスライムがいそうだしな。……だが、フォレストフロッグがいたらどうしようか……。あんな事があったからで会いたくもないんだが……。
「……ねえ、イリス」
「はい? どうなさいましたか?」
「その沼地ってさ……フォレストフロッグはいないよね?」
「ああ、安心なさってください。フォレストフロッグはいませんよ。ただ、ソイルフロッグはいるかもしれません」
「ソイルフロッグ……たしかEランクの魔物だったっけ?」
大きさもたしか1m程……俺と同じ位の大きさだったか。それならまだ……それにたしかソイルフロッグはベロの攻撃ではなく、飛びついて噛みつく感じだったからフォルグなどの獣だと思えばいけるはず……。
「そうですね。ですが、もし出ましたら私が倒しますので……」
「……いや、俺がやるよ。フォレストフロッグの事がトラウマになっているかもしれない。ソイルフロッグが出た時は今のうちに克服した方が良いと思う」
蛙の事がトラウマになっていると克服出来るかもしれないけど。自分より大きな魔物の事がトラウマになっていたら不味いよなあ……まあ、ソイルフロッグを見かけたら分かるか。……いや、ソイルフロッグがいなかったらそれに越した事はないけどね。
「ここから先が沼となっていますのでご注意なさってください」
「うん、そうみたいだね」
3m程先からが沼地となっている。沼地の大きさは20mと小さく、水深の方は30cm程、泥の深さは……分からないな。だが、イリスはさほど深くないと言っていたから底なし沼という訳ではないのだろう。ただ、沼に入ってしまい、戦闘を行うような事は絶対にしたくないな。
それに一番気になるのは……探知の方だ。
「魔物の数がかなり多いな」
「私は探知を使う事が出来ませんが、見る限りでは確かに多いかと思いますね。例えば、あちらを見てください」
イリスが指さした方向を見てみると目だけ出しているソイルロブスターがいた。
「あの魔物はソイルロブスターですね。ソイルフロッグと同じEランクの魔物ですので気を付けてくださいね」
「ソイルロブスター……たしか鋏で攻撃してくるんだよね? だとしたら遠距離から攻撃したら問題なさそうだね。魔物の数が多いから攻撃したりはしないけど」
「そうですね……あ、スライムいましたよ」
「え? あ、本当だ」
沼のすぐそばにある草むらにスライムがいる。ただ、そのすぐ近くにソイルロブスターもいる……スライムを得るためにはソイルロブスターを倒すしかないかなあ。