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112話 迷宮探索なんだが 4

112話です! しばらく迷宮探索が続きそうです。

 シンディが泣いてしまう事はある程度予想していたとはいえ、どうやって慰めようか。


 今は小さな声で鳴いているが次第に大きな声を上げて泣いてしまうかもしれない。そうなると魔物に気づかれて襲われる可能性があるな。そうならないためにも何とかしないとな。


 早く慰めるためにシンディを抱き寄せてみる。シンディは突然の事に驚きながらもまだ泣いているな。


「カイぃ……」

「シンディ……大丈夫だよ。きっと父様たちが迎えに来てくれるよ」

「でも……でもぉ……」

「もし魔物が来ても俺が何とかするから安心して……絶対に守って見せるから。だから一緒に頑張ろう?」

「……うう……うん……頑張る」


 涙と鼻水まみれになりながらも何とか泣き止んだようだ。とりあえずハンカチで涙と鼻水を拭くか。


「……よし、綺麗になった」

「……うん、ありがと……」


 よし、シンディも泣き止んだことだしこれからの事を考えるか。現在は木の幹と幹の間にある所に草を集めて隠れている状態であるが、ずっとここにいるわけにはいかないよな……。


「とりあえずここよりも安全な場所を探すために移動しようか。ここにいるといつか見つかってしまうからね」

「……うん」


 まだいつものシンディに戻らないな。まだ不安なのだろうな。迷宮内で離れたらまた不安で泣き出してしまうかもしれないな。そうならないためにも出来る限り一緒にいないとな。


「後は食べ物も探しに行かないとね。お昼は食べていないからお腹減ったよ」

「……兎さん食べたい」

「土兎か。きっといると思うよ。探して食べようか」

「……うん!」


 少し元気が出てきたかな? なら、いいけどね。


「……あれ、魔法使ってる?」

「……うん、探知の魔法を使ってるよ。魔物に気を付けないといけないからね」

「……カイって凄いなあ……」


 何が凄いのだろうか? まあいいや。今は移動しないとな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 あれから探知を使って魔物を避けて慎重に進む事約10分、水が流れる音が聞こえてきたので音がする方向に進むと川が流れていた。


「カイ! 川がある!」


 その10分間でシンディも大分元気になってきて、川を見て喜んでいる。本当に元気になってくれて良かった。あのまま進んでいたらいつかシンディに限界が来てしまいそうだったからね。それに俺自身も暗い雰囲気の中歩きたくなかったし、元気ではないシンディを見ているのは辛かったからね。


「そうだね。でも安全かどうかまだ分からないから飲んじゃ駄目だよ?」

「そうなの?」 

「うん、目には見えないけど体に悪いものがあるかもしれないからね。今から鑑定して調べてみるからちょっと待ってて」

「分かった!」


 シンディは物分かりが良くて本当に助かるな……。そう思いながら。川の水に触れて、鑑定を行う。


-------------------

 迷宮の水

 レア度 アンコモン

  迷宮内に流れる水。通常の水よりも魔素を多く含んでいる。飲用であるが副作用あり。

-------------------

 

 飲用であるが副作用あり……か。副作用が何か分からないな。これを飲んで変な副作用を貰うと不味いよな……。


「シンディ、川の水は止めておこう」

「体に悪いの?」

「かもしれないから飲んじゃ駄目だよ?」

「分かった!」

「喉乾いたら言ってね? 水を出すから」

「魔法で?」

「そうだよ?」

「カイってトリプルなの? いいなあ……」


 ……あー、そういえば言っていなかったな。まあ、緊急事態だからばれてしまってもしょうがないか。


「そうだけど他の人には内緒だよ?」

「うん! 内緒ね!」


 笑顔で答えてくれるようになったから今のところは大丈夫そうだな……。さて、安全な場所と食べ物を探していかないとな。

 

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