111話 迷宮探索なんだが 3
111話です!
……ん? ここは……? 目を開けると辺り一面草だらけであった。……なぜ草? 確かシンディたちと共に家族で迷宮に行っていたはずなのに……あ、シンディの足元が崩れて巻き込まれたのか。となるとシンディは?
体を起こして辺りを見ると2m程離れたところにシンディが横たわっていた。見た限りでは主だった外傷はない様だが……意識がないようだな。内傷が起きてると不味い事になるが……あ、ステータスでHPを確認すれば分かるんじゃないか?
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名前 シンディ
種族 ハーフアルティ
性別 女
年齢 4歳
属性 闇
レベル 8
HP 45/50
MP 450/450
物攻 3
物防 4
魔攻 40
魔防 30
速さ 4
体力 4
魔素 45
運 30
ースキルー
<闇魔法lv3><魔素操作lv3><魔力視lv1>
ー称号ー
<禁忌を受けし者><魔法使い初心者>
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HPがあまり減っていないようだから内傷はないみたいだな。でも5しか減っていないのだな……気絶したはずなのに……。
上を見てみると1層と同じ一面に苔が生えている……あれ? 足元が崩れたから落ちたはずなのに何で穴が見当たらないんだ? それだとどこから落ちたんだ?
周りを見てみると木々が生えている……まだ迷宮内なのだろうけど……どう落ちたのだろうか? まあ、ひとまず落ちた事は置いておこうか。
それよりも父親たちと離れている事が問題だ。魔物に何時襲われるのか分からないし、2層から落ちたから3層以降になるのだが……そうなるとEランクやDランクの魔物が出てくることがあるよな……それに10層以降の場合ではCランクの魔物も出てくるからCランクの魔物が出てきたら10層以降になるよな……そうなると不味いよな……でも10層まで落ちたのなら流石に生きていないよな。でも、3層に落ちるだけでもここまで軽傷にならないだろうし……。
とりあえず探知を使って安全を確認してみるか……30m以内に魔物はいないようだな。じゃあ、シンディをひとまず起こそうか。
「シンディ、シンディ起きて!」
……起きないな。となると今は近くに隠れそうな所を確保してシンディが起きるまで待つか。
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隠れそうな所を見つけてシンディをそこまで運び、荷物を確認する。HPポーション、MPポーション、解毒薬、棒、ショートソード、解体用のナイフ、水筒……不味いな。食糧がない。HPポーション、MPポーションは栄養のある水分として使えるかもしれないが……全く足りないな。魔物を殺すことが出来れば肉は確保できるとして食べれる草が生えているかなあ……。
父親たちが探してくれているはずなのだが、今日中に見つかるとは限らないよな……となると俺たちが動いた方が……でも危険だよなあ……。どうするか……。
「……うう」
「シンディ、起きた?」
「あ、カイ……? ここどこ?」
「迷宮内だと思うけど……どこか分からない」
「……? 何で?」
「どこの層か分からない。落下した所が3層なのかそれ以降なのか……」
「?」
「2層と3層が同じ広さとは限らないから……」
「……?」
「まあ、とりあえず何層なのか分からないってこと」
「じゃあどうするの……?」
かなり危険な状態なのが分かったのか、かなり泣きそうになっているシンディだが、ちゃんと伝えないとなあ。
「父様たちが来る事を待つか、自力で帰るか……しかないと思う」
「……じゃあ……うう……ママぁ……」
遂にシンディが泣き出してしまった。やっぱり不安だよな……。
「大丈夫、きっと何とかなるよ。頑張ろ?」
「……ママぁ」
うーん、どうしたものか……。