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109話 迷宮探索なんだが 1

109話です! 

 3日後、家族全員とジェフさんたちと共に迷宮に来ていた。村から迷宮までの間に馬車が通ることが出来るように整備されていた。


 迷宮が最初に見つかった時、迷宮の入り口である洞窟が森の中にあったそうだが、現在ではその洞窟の周りにあった木を全て切り倒し、その木を使って仮拠点が建てられている。冒険者も商人もそれなりにいて、賑わっているな。


「皆、準備出来たか? それでは入るぞー」

「ついに迷宮だ!」

「魔物沢山いるかな?」

「そりゃあいるぞ! なんたって迷宮だからな!」


 兄さんたち……特にマインズ兄さんのテンションが凄い事になっているな。まあ、昨日の時点でテンションはかなり上がっていたからなあ。


 父親が先頭に立ち、ジェフさんが後尾に立ち、迷宮内を進んでいく。迷宮内は地上と同じように森林となっており、獣道が通路となっている。そのため、魔物の奇襲などがある可能性が高いな。一応、母親が探知を使っているようなので大丈夫だろうけどね。

 

「前方にリーフスライムが2体と土鼠がいるわね」

「では、マインズとフレッツが戦って見なさい」

「「はい!」」


 迷宮内に入って間もないのにもう魔物がいたか。リーフスライムは草や木の葉に擬態しているスライムだ。見る限りでは分かりにくかったりするが、探知があればすぐに分かる魔物だ。土鼠は3歳の頃に戦った鼠だな。兄さんたちなら楽勝だろうな。


「兄さん、リーフスライムのいる場所は分かってる?」

「あの木の根元とあの草だろ?」

「うん、僕もそう思う。じゃあ、僕は土鼠を相手にするね」

「ああ、いいぜ」


 どうやら別れて戦うようだ。フレッツ兄さんが10m先にいる土鼠に先制攻撃として光の初級である閃光を放つ。一瞬だけ眩しくなる魔法だな。土鼠は突然の事に驚いて転んでいる。その間にフレッツ兄さんが近づいていき、土鼠をショートソードで突き刺し、息の根を止める。やはりゴブリンを殺すことが出来る程には強いので、フレッツ兄さんにとって土鼠では準備体操にしかならなそうだな。


 マインズ兄さんの方を見てみると2匹のリーフスライム目掛けてファイヤーボールを放ったようだ。そして爆音が響き、火と煙が落ち着くとリーフスライムがいた所には魔石が落ちているだけだった。マインズ兄さんもすぐに終わったなあ。


「やはりこれくらいでは相手にならないようだな」

「せめてE級を用意しなければ駄目ね」


 両親も兄さんたちの戦いを見て同じような事を思ったようだ。


「凄いなあ……! 私も出来るかな?」

「シンディなら出来るよ。次魔物が来たら一緒に戦って見よっか」

「うん!」


 シンディも戦う気満々だな。まあ、俺も早く戦ってみたいけどね。


「あ、今度は左方にビッククロウラーが2体いるわね。これならカイとシンディで行けるかもしれないわね」

「カイカイ、出番だって!」

「シンディ、落ち着いて。俺は前衛で戦うからシンディは後方で攻撃をお願いね?」

「分かった! 頑張るね!」


 テンションが最高潮に達しそうなシンディを宥めつつビッククロウラーを見つけて、剣を抜く。ビッククロウラーはまだこちらに気づいていないようだな。


「じゃあ私からいくね……暗闇!」


 シンディが片方のビッククロウラーに闇の初級である暗闇を放つ。その少し後にビッククロウラーに近づいていく。ビッククロウラー2体はようやくこちらに気づいたようだがもう遅い。シンディの放った暗闇は見事ビッククロウラーに命中し、突然視界が消えた事に混乱したであろうビッククロウラーに正面からショートソードを突き刺していき、すぐに距離を取る。突き刺した所からは多量の体液が流れ、動かなくなったので片方のビッククロウラーはもう殺せただろう。


「これで1体終わり!」

「じゃあ今度は……ダークボール!」 


 後方からダークボールが来るらしいので、ビッククロウラーが避けれないように牽制していく。そうしたらビッククロウラーがこちらに突っ込んできたので軽く避け、ある程度深くまで切り裂いき、すぐに離れる。その後、すぐにダークボールが直撃し、消えていった。


 だが、まだビッククロウラーは動けるようだな。でもほとんど虫の息だ。


「またまたいくよ! ダークボール!」


 シンディがまたダークボールを放つようなので殺しきらずに再度牽制していく。今度は攻撃する気力がないのか突っ込んでこなかった。そして、シンディのダークボールが再度ビッククロウラーに直撃して、今度は仕留めたようだ。


「カイ、やったね!」

「やったね」


 シンディが近づいて来たのでハイタッチをする。返り血……返り体液? はショートソードにしか付いていないのでハイタッチしても問題ない。


「ではビッククロウラーの解体を行いますので離れていてくださいね」

「うん、イリスお願い」


 ビッククロウラー2体を子供が解体すると時間が掛かってしまうのでイリスがパパっと解体していく。その時間なんと2分。手際良いなあ。


「カイもシンディも中々いい動きするじゃねえか! この調子でどんどんやっていこうぜ!」

「そうだな。この調子なら2層にいっても迷惑にならないかもしれないな」

「え!? 2層もいけるの!? 2層ならゴブリンとかいるかな?」

「2層ならいるだろ。楽しみだな!」

「この調子で瞬殺が続くとあまり楽しくないからな。もう少し戦いがいのある魔物と戦いたいだろ?」

「そうだね! じゃあこのまま2層に向かおう!」


 イリスが解体している間に2層に行く事が決まったらしい。まあ、全員子供なのにほとんど瞬殺で終わったからな。……この世界の子供って強いなあ……。

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