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107話 迷宮が出来たそうなんだが

107話です! ここから話が少し早く進む……かも? 進んだらいいなあ……。

「大変だ大変だー!」


 ツチボタンを料理してから1か月後、いつも通り家族で朝食を食べていたら突如リビングの扉が開かれた。扉の方に視線を向けると冒険者の男が息を切らせていた。


 その慌てようから何かあったのだろうか?


「ベオリク、とりあえず落ち着け。どうしたんだ? こんな朝早くから」

「落ち着いていられるかよ! やばいのが出てきたんだよ!」

「やばいのって何だよ……ひとまず水を飲んで落ち着け」

「お、おう、ありがとな」


 父親から渡された水をゴクゴクと全部飲んでいく。そして、息を整え始めた。


「少しは落ち着いたか?」

「おう、すまねえな」

「それでどうしたんだ?」

「村から3時間程歩いた所に迷宮が出来たみたいなんだよ!」

「は? 迷宮……?」


 え……迷宮って……本当か? だとしたら確かに大変だ。迷宮は魔素が異常に溜まっている所にとある魔物が巣を作る事で出来るものだと言われている。その魔物を殺す事が出来れば迷宮は破壊された状態となり、自然に消えていくらしい。

 だが、迷宮内には外から来た魔物が住み着きやすく、繁殖もしやすい環境となっており、迷宮が出来るとその周囲にいる大体の魔物はすぐに迷宮内で住み着くそうだ。そして、迷宮内にいる魔物は他の魔物と戦う機会が多いからなのか迷宮外にいる魔物よりも総じて強く、警戒心が強いらしい。

 

 さらに、迷宮内は地域によって地形が変わり、迷宮内に森や湖などが出来ている時があるらしい。ただ、森は生息している動物はいるかもしれないが湖の場合、魔物以外は見当たらないらしい。魔物は沢山いるらしいけどね。


 そして、迷宮の一番恐ろしく、大変な所が……と言ってもほとんど起こらないらしいが迷宮を長らく放置したり、魔物を殺さないでいると迷宮内にいる魔物が繁殖し過ぎて一気に迷宮外に出るらしい。これは前世の小説でいうスタンビートだな。これが起きると村だけでなく、街が滅んでしまう可能性もあるため、迷宮が発見された場合はすぐに国に申告して、魔物を掃討していかなければならない。


 もし、発見されていなかったらこれが起きている可能性があったので見つかって本当に良かった。


 他にも、魔物の中には迷宮内に罠を作ったり、ものづくりをしたりする魔物もいるらしいので注意が必要だったりする。……まあ、その魔物が作ったものは高く売れるものもあるらしく、経済が潤う事があるため、その時は国やギルドが迷宮を破壊せずに管理するらしい。ただ、迷宮をずっと残しておくとどんどん拡大したりするらしいので注意が必要だ。ちなみに現在確認されている中で最大規模の迷宮はミスドリー迷宮という所でアリの巣のようなタイプの迷宮らしい。ただ、その大きさが広すぎてその迷宮がある国の国土ほぼ全てを占めているらしい。出来たら一度は行ってみたいものだ。


 とりあえず迷宮を見つけてくれた冒険者たちには感謝しないとな。


「ベオリク、迷宮が出来たみたいという事は迷宮を見てきたよな? 迷宮の進行度はどのくらいなのか分かるか?」

「魔物が迷宮内に入った所を見たから多分初期段階だ」

「ならまだ大丈夫だな。ひとまず迷宮内を調査しなければならないな。迷宮の大きさも不明、どのような魔物が住み着いたのかも不明、迷宮の中の地形も不明では国に申告出来ないからな。皆はすぐに動けるか?」

「おう、動けるはずだ。野営の準備もばっちりだ」

「なら家の前で待っていてくれ。後、あいつに街のギルドに行ってもらって迷宮の事を報告して欲しい」

「おう!」


 冒険者の男がリビングから出ていった。


「迷宮ねえ……。初期段階で見つかって良かったわ」

「そうだな。とりあえず今日は迷宮に向かう予定だ。その間は村の事を頼むぞ」

「分かったわ。でも、ある程度安全を確保出来たら私も連れてってね」

「その時は一緒に行こうか」

「ええ」


 初期段階は迷宮が出来、魔物が迷宮内に住み着きだした段階だ。他の段階は……後々話していこうか。


 それにしても母親は冒険者時代に父親と迷宮に入った事があるらしいから懐かしいのだろうな。俺も行ってみたいなあ。折角迷宮があるのだから攻略……まではいかなくとも挑戦してみたい。


「フレッツ、迷宮だってさ。面白そうだよなー」

「でも兄さん、迷宮の難易度によっては父親たちも危険な目に合うから大変だよ」

「それはそうだけどさ、俺たちが倒せる魔物だったら入ってみたくないか?」

「それは……そうだけどさ」

「だろ? そう考えると楽しみだな」


 確かにまだ初期段階とはいえ、迷宮内の魔物は強くなるから父親たちが危なくなる可能性もあるんだな……。父親が負ける所があまり想像できないが……無事に帰ってきてほしいものだ。

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