表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/220

105話 料理をするんだが

105話です! 

1/15投稿予定だった106話は都合により1/17となります。

 家に帰り、父親がいるであろう執務室に行こうとしたらイリスから父親が冒険者を連れて魔物の対処に向けて留守である事を教えてくれた。


 留守ならしょうがないか。それによくよく考えたらどう考えても魔物の対処が先だよな……。何しろ村人全員亡くなるという最悪に事態だってあり得る訳だからな。父親も今は凄く大変そうだから魔物の数が正常に戻ってから相談する事にしようか。鍛冶についてすぐに何とかしてやれない事が申し訳ないけどね。


-------------------


 1週間後、兄さんたちと稽古をしている時に、冒険者たちがかなり大きなイノシシらしき魔物……ツチボタンを担いで森から戻ってきて、こちらに向かっていた。……今戻ってきたという事は日の出と共に森に入ったのか?


「ん? ここらではほとんど見ることはない魔物だな。それに大きさも中々だ」

「物凄い勢いで迫ってきたから驚いたぜ。まあ、突っ込んでくるだけだから対処は簡単だったけどな」

「解体はここでやるか?」

「おう。10分だけ貸してくれ。後、全部はやれないが肉はいるか?」

「ああ、欲しいな」

「ももでいいよな?」

「ああ」


 ツチボタンのもも……美味しそうだな。角煮とかステーキとか鍋に出来そうだな。そう考えたら腹が減ってきたな。今日の昼食は何だろうか。ツチボタンのももは間に合わないと思うが。


「カイ、ちゃんと集中しなよ」

「ごめんなさい」


 ツチボタンに気を取られている事に気づいたフレッツが叱ってくる。毎日やっている素振りだったから集中していなかったな。もっと気を引き締めないとな。


-------------------


「イリス、今朝貰ったツチボタンの肉で料理したい」

「……いきなりどうしたのですか?」


 稽古が終わり、昼食を食べたのだが、今朝に父親が貰ったツチボタンを料理してみたいと思い、イリスに聞いてみた。ちなみにイネアは他のメイドと稽古中だ。


「今朝のツチボタンを見たら料理をしたいと思ってね」

「でしたらいきなりツチボタンの料理をするのではなく、もっと簡単な料理をどうですか?」


 ……確かにそうだな。うどん作り以外ではまだ今世で料理をしていないので、いきなりツチボタンでは難易度が高いか。まして、普段使わない料理器具に扱った事のない料理だからな。


「なら、今から簡単な料理をやってから、ツチボタンで出来る簡単な料理をしようか」

「では、準備をしますので20分程お待ちください」


 イリスが部屋を出た。料理は出来るみたいだから楽しみだな。


-------------------


 20分後、準備が出来たようなのでイリスと共にキッチンへと向かう。キッチンには俺たち以外に誰もおらず、前回着た時とあまり変わらなかった。


「作る料理は俺が決めていい?」

「はい。危険な事をしなければ良いですよ」


 決めていいようなので食糧庫に入って作る料理を決めていく。ソースを作って最近魔物の影響で増えた肉を使っていこうか。ソースの方はバジルに似た葉で作っていき、肉は兎を使っていく。


 では、ソースを作っていこうか。バジルに似た葉がバジルなら水を吸いやすい性質を持っているので、水で洗わずに清潔な布で軽く拭いてから手でちぎっていく。そして、バジルに似た葉をすり鉢で潰していきながら食糧庫にあった植物油と塩を少しずつ加えていく。本当はオリーブオイルが良かったのだがどうやらないらしい……。


 バジルに似た葉がペースト状になったら植物油をさらに加えて完成。味見して……ああ、これなら何とか使えそうだ。本来のバジルソースの味とはいかなかったがソースとしては問題ないな。


 次に兎肉なのだが……兎肉を扱うのは初めてなのだが、牛や豚と同じような下処理でいいのだろうか? まあ、やっておこうか。骨に沿って肉を切っていき、肉を叩いて繊維を壊して、柔らかくして筋切りしてから肉を切っていく……あ、小さい骨があるな。取り除いておこう。そして、フォークで肉を刺していき穴を開けてから塩で味付けをしていく。


 下処理を終えたので焼いていく。程よく焼けてきたらひっくり返して蓋をして蒸らす。その後、フォークで刺して上手く焼けてるか確認してみる……丁度いいな。肉を取り出してバジルソースを掛けて……。


「よし、出来た!」

「良く出来ていると思いますよ」


 久しぶりに料理をしたが上手く出来たと思う。とりあえず、焼きたてが一番だから早速食べていこうか。


 中々美味しいな。いつもメイドさんが作っている料理には敵わないが良く出来ていると思う。ソースの方も兎肉の味を引き出してくれているから良いね。


「イリスも食べてみて?」

「良いのですか? では……」


 イリスがフォークで刺して、口に運んでいく。


「美味しいですね。焼き加減も丁度良いですし味付けも良いかと思いますよ。さらにバジルソース……でしたか? ソースも肉に合い、美味しいですね」

「美味しく出来たから良かったよ」


 美味しそうに食べてくれると作る側としてはかなり嬉しいな……次はツチボタンを料理してみようか。


 

*主は兎肉を食べた事がありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ