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96話 買い物に行ったんだが 後半

96話です! 9時に投稿出来なかった……。

 イネアの事は鍛冶屋に任せて、俺とイリスは本屋に来ていた。当然前世の本屋ほど置いてはいないがそれなりに数が多い。だが、客はほとんどいないな……。人気が無いのか? それとも需要が少ないのか? まあ、良い本があれば関係ないよな。


「いらっしゃいませ。今回はどのような本をご求めですか?」

「魔物についての本とか、ポーション作りについての本とかある?」

「こんな幼いのに言葉が凄く流暢で賢いね。残念ながらポーション作りについての本はないけれどれも、魔物についての本なら沢山あるよ。ポーション作りについての本などは制限が掛かっているからねえ」

「え? 制限が掛かっているの?」

「ポーションには危険がつき纏っているからね。どうしても本が欲しいのなら専門の所で手続きしてから買うしかないよ」


 え……そういう事しないとポーション作りについての本は手に入らないのか……。まあ、確かにそうだよな。家に合った本に毒薬の作り方もあったから誰でも使えてたら流石に不味いよな。


「それにそういう事を学びたいのなら弟子入りしたらいいと思うよ。オリジナルのレシピなどありますからね」

「弟子入り……」


 それだと時間が掛かるよな……。そういえば家に本があるのなら誰か使う事が出来るだろうから教えてもらおうかな。


「それでは魔物関係の本を持ってくるからそこで座っていてください。……保護者の方もそれで構わないですか?」

「はい。良いですよ」


 どうやら持ってきてくれるらしいので本棚の横にある椅子に座って3分くらい待つと店員が数冊持ってきてくれた。後、家族連れは否定したけど保護者は否定しないんだね。


「有名な魔物について載っている本が2冊、少し珍しい魔物について載っている本が3冊ありました。魔物について知りたいのならまずはこのゴブリンでも理解出来る魔物図鑑はどうでしょう」


 そう言って見せてくれたのは200ページ程の本だ。本当に表紙にゴブリンでも理解できる魔物図鑑って書いてある。……この本のタイトルは転生者の仕業か?


「少し中を見てもいい?」

「ええ、構わないですよ。ただ、破いたり汚さないでくださいね」


 3歳児にそれを言っても無駄だと思うけど……あ、本当に分かりやすいな。魔物の姿は白黒であるが冒険者の一言コメントというものもあって面白そうだ。でも、全部の本を見てから決めないと後悔するかもしれないからちゃんと見ないとな。


「他の本も見せてー」

「はい、どうぞ」


 有名な方の本は100ページ程ある本で、タイトルが季節の魔物と書かれている。開けてみるとこちらはカラーだ。特徴は乗っているけど詳しい事はあまり書いてなさそうだな。カラーはありがたいけど必要なのは情報だからなあ……。純水に絵を楽しむのなら買ってもいいと思うけどね。


 少し珍しい方の本は……正直まだ早いと思った。軽く3冊読んでみたけどほとんどの魔物が外国にいる魔物で村の周辺にはいないらしいので今はいらないかな。


 という事でゴブリンでも理解できる魔物図鑑を買うか。


「これにする」

「これですね。保護者の方は構わないですか?」

「ええ。構わないですよ」

「では、銀貨50枚になります」


 円で直すと5万円か……かなり高いな。客がほとんどいないのはこれが原因なのかな? そう思いつつ店員に銀貨50枚を渡す。


「……丁度ですね。では、どうぞ」

「はい」


 本を貰ってイリスに渡す。5万円もする本を3歳が持ってたらすぐに取られそうだ。


「またのご来店をお待ちしております」


-------------------

 その後、色々なお店を回った。例えば……


「ねえイリス、ここのアクセサリー結構いい値段するね。宝石でも使っているのかな?」

「いえ、あれは何かを付与してあるのでしょう」

「そういうのもあるんだ……鑑定で見てもいいかな?」

「良いと思いますよ。見られて駄目なものは入れ物に入っているかと思います」

「じゃあ見るね……鑑定」


-------------------

 守りの指輪(偽)

 レア度 コモン

 守りの指輪に見せかけたただの指輪 

-------------------


「イリス……これ偽物だよ」

「……とりあえず店を出ましょうか」


 偽物の商品を見つけたり……。





「イリス……本当にそれ食べるの?」

「勿論です。見た目はよろしくないですがとても美味しいですよ。カイ様もどうです?」

「いや、俺は別のにするよ……」

「美味しいですのに……本当に要らないのですか?」

「……そんなに美味しいの?」

「美味しいです」

「なら一口だけ……なにこれ!? 凄く美味しい!」


 昼食の時に食べた腐ったアケビのような見た目の食べ物がとても以外にも凄く美味しかったり。




「ドロボー!」

「邪魔だどけえ!」

「カイ様に攻撃などさせません!」

「ぐえっ!」

「イリス強……」


 野菜を眺めている時にこちらに向かっていた大柄な泥棒がイリスの一撃で仕留められたり。




「一番値段の低いポーション1本銀貨2枚……安いのか?」

「駆け出し冒険者にとっては辛い値段ですが一般の方々でも十分に買える値段かと」

「でもこのポーションって擦り傷とか軽い切り傷くらいしか治せないような……」

「基本的にそれ以上怪我した場合は自然回復になりますからねえ……」

「医者……治癒師とかには見せないの?」

「あまりに重症でしたら見ることはありますがそれで治療しますと高いですから」

「そうなんだ……」


 ポーションの効果から怪我の事情を聞いたりと凄く有意義な時間を過ごした。そして気づいたら既に3時だったので鍛冶屋に戻る。


「おう、おかえり。あの嬢ちゃんならまだ中にいるぞ。呼びに行こうか?」

「うん、お願い。街を出るまではイネアを呼んできてもらっていいかな?」

「おう、いいぞ。あいつも随分とご機嫌のようだしな。では呼びに行くわ」


 おっさんが奥に行って5分程でイネアを連れて戻ってきた。……結構時間が掛かったな。


「待たせてしまい、申し訳ございません」

「いや、そんなに待っていないから大丈夫だよ」


 まるでデートのようなやり取りだな……。イネアの顔をよく見てみると少し濡れている。顔を洗っていたりしていたから遅れたのかな? そう思っているとイリスがイネアにタオルを渡した。……何か和むなあ……あ、お礼を言わないとな。


「では、帰りますね。イネアがお世話になりました。今日はありがとうございました」

「ありがとうございました」


 俺がお辞儀するとイネアもお礼を言い、お辞儀をする。イリスは……よく見えないがしているだろうな。


「おう、また来いよ。次来るときはもう少し子供らしさを出してこいよ。お前の年齢ならもっと我が儘だって言っていいんだからな」


 そういえばそうだったな……いつものように話していたら3歳とは見えないよな……気を付けないと。 

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