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95話 買い物をするのだが 前半

95話です! 3000文字越えと思ったよりも長くなりました! 後、100話までにパーティーを終えることが出来るのかな……。

 イリスとイネアと共に宿を出た。現在8時頃なので一番混雑している6時頃と比べると歩行者があまり少なくて助かるな。だが、ふとした事で迷子になる可能性は十分にある程度には混雑しているのでイリスとイネアの手を繋いでおこう。両手に花と思うかもしれないが、どんなところか知らない街の中で迷ってしまったら危ないからね。特に貧民街に入ってしまうと酷い目に合ってしまうから気を付けないとな。ただ、横並びで歩いていると邪魔になってしまうから出来るだけ横並びせず、距離を縮めて歩かないとな。


 ちなみに服装はメイド服だと目立ってしまうので私服を着てもらっている。イリスは白のワンピースを着ており、普段ほとんど隠れてしまっている尻尾なども出しているので少し新鮮だ。イネアも赤色のポンチョを着ている。イネアの体系と合わさり、可愛らしさが増しているな。お持ち帰りされないようにせねばな。

 

「カイ様、どんなお店に入ってみたいですか?」

「色々な店に入ってみたいけど、本とか武器が置いてある店を見てみたいな」


 本は主に冒険者になるために必要な事が載っている本や見たことのない魔物が載っているの本、ポーション作りの本などが欲しい所だ。勿論、それ以外にも欲しい本があればぜひ買いたい所だ。……お金は金貨1枚貰ったから買う事は可能だが全て買う事は出来ないけどね。


 ……そういえばお金について説明してなかったな。この世界のお金は 鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨の5つで分けられていて、鉄貨10枚で銅貨、銅貨10枚で銀貨、銀貨100枚で金貨、金貨100枚で白金貨となる。コールディの街に来て屋台の商品を見た限りでは銅貨が100円となるみたいだから鉄貨は10円、銀貨は1000円、金貨は10万円、白金貨は1000万円となるみたいだ。銅貨が100円とは限らないから誤差はどうしても出て来てしまうが……。


 話しを戻そう。武器だと鍛冶になると思うが、鍛冶に関しては店に入る事すら出来ないのかもしれない。だが、異世界の武器を色々見ておきたいな。転生者が色々な事を伝えているので知っている武器が沢山あると思うが、異世界特有の武器があると思うからね。もしかしたらそれが俺に合った武器になるかもしれないからね。


「でしたら少し先にあるあの店はどうでしょうか?」


 イリスが見ている方向を見てみると木材で作られた建物があり、建物に掛けてある看板には鍛冶と書いてある。……雰囲気が合っていいじゃないか?


「ではあそこに入ってみようか」


 イリスが鍛冶屋のドアを開けてくれたので中に入ってみる。中は様々な武器、防具、日用品などが置かれている。


「おう、いらっしゃい……何だ、子供か。家族連れか?」


 声の主を見てみると髭を胸元まで伸ばしており、かなり筋肉質な男がカウンターの所で何やら作業をしながらこちらを見ていた。


「いえ、アイン男爵のメイドを務めさせてもらっています」

「メイドか。まあ、メイドでも貴族でも商品を買うのなら全員客だ。好きなだけ見てくれ。ただし、子供に武器や防具は触らせないでくれよ。それで怪我を負っても責任は取らねえからな」

「かしこまりました」


 好きなだけ見て良いらしいので見ていこうか。日用品の所には釘、金属製の料理器具、スコップなどすぐ見ただけで何か分かるものから変な形をしていて何に使うか分からないものまである。次に武器は剣だけでも短剣から2mはある大剣などを売っており、槍や斧なども売っている。少し意外だったのが鞭も鍛冶屋で売っていた所だな。意外といえばクナイや刀も普通に置いてあった。刀とか買ってみたいという気持ちはあったがお金が足りないな。他にどんな武器が……。


「ん? 棒? どうして武器に?」


 武器が並んでいる中に何やら加工されてある茶色い棒を見つけた。木の棒か? そうだったらすぐ折れそうだと思うのだが……。


「カイ様、扱う人は少ないのですが棒は攻撃にも防御にも有用ですよ」

「棒で攻撃という事は打撃になるの? 耐久性とか問題ないの?」

「突き刺すことも可能ですよ。この棒は加工されているので無理をしない限り、折れるはあまりないです」

「耐久性については問題ないんだ……でも突き刺すとしても棒ならあまり刺さらないと思うけど……」

「この棒をよく見て下さい。棒の先端が少し尖っていますので刺すことは可能です。ですがそれを使うなら槍で良い……という話はよく聞きますが」


 まあ、確かに聞いた限りでは槍だけで十分だよな? まあ、槍の劣化版なら店に置いてないと思うのだが……。


「槍で良いのなら棒を扱う人は何故使うの?」

「それは魔法を使いやすくするために使います」

「魔法を?」

「はい、詳しい事は分かりませんが魔法の制御が楽になるそうです。魔法を扱う人にとっては必須な武器です。ただ棒以外にも魔法の制御がある程度楽になる武器があるので皆はそちらを使っておりますが……」


 魔法を扱う人にとっては必須な武器ねえ。物理で攻撃も出来て魔法にも使えるのなら買ってもいいかもしれないな……値段を見ると銀貨5枚……中々するな。でも他の武器と比べると安いな。でも買っておいて損はないと思うな。


「イリス、棒って家にある?」

「いえ、ないかと思います」

「なら、買おうか」

「では、私が持ちますね」


 イリスはいくつかある棒のうち1本を手に取った。次は防具だな。防具の方は……色々置いてあるが気になる物はなさそうだな。粗方商品を見て回ったのだがイリスやイネアは何か欲しいものがあるかな? 聞いてみるか。


「イリス、何か欲しいものはあった?」

「私はこの包丁を買おうかと思います」


 いつの間にか持っていた包丁を見せてくれた。刃渡り30cm程ある包丁だ。


「うん、いいと思うよ。……イネアは何か欲しいものあった?」

「私は特にないですが……」

「ん? 遠慮なく言っていいからね?」

「ものではないのですが……仕事の現場を見せて欲しいと思いました」


 聞いてみないと分からないけど鍛冶屋だからそういう事も可能なのかな? 村ではまだ鍛冶をすることが出来ていないから是非見学させてあげたいな……帰ったら一度俺も説得に行ってみようか。 


「なら、買うついでに聞いてみようか」

「はいっ」


 テンションが急上昇したイネアを連れてカウンターの所に行き、包丁と棒を買い、イネアに鍛冶の見学をさせてもらえるかどうか聞いてみる。


「ん? 何だ? 嬢ちゃん見学したいのか?」

「はい、今まで鍛冶をしたことがありますが我流ですので是非見学したいです!」

「子供だが経験があるのなら見せてやってもいいが……ちょっと待ってな」


 おっさんが店の奥に入り、誰かと話している声が聞こえてから少しすると戻ってきた。


「見学してもいいみたいだから入っていいぞ。ただし、中にある器具は触らないでくれよ」


 どうやら見ていってもいいみたいだな。早速入ろうか。


「……いいのは嬢ちゃんだけだ。坊ちゃんも鍛冶の経験があるのならいいが……その様子だとないよな? だったら駄目だ。そこの椅子に座って待つか見学が終わるまで他の所にいても構わないぞ。夕方までは面倒を見ておくから安心してくれ」


 イネアしか駄目らしい……。見てみたかったな。他の所に行っても構わないらしいが……それだとイネアの事が心配になるな。だけどコールディの街は人攫いとかは全然起こらないみたいだから大丈夫なのかな?


「ん? 嬢ちゃんの事が心配なのか? 酷い事はしないから大丈夫だぞ。そんな事をしたらすぐに衛兵が来て捕まっちまうからな」


 うーん、それでも心配だが今の言葉を信用するしかないか。なら、イネアは見学するとして俺とイリスは別の所に行くか。

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