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10話 街に入ったんだが

10話です! リアルが忙しくてストックがなくなりそうなので、申し訳ないですが11話から16話くらいまでは2日に1話になりそうです。17話からはまた毎日できるように頑張りますのでよろしくお願いします。*12/5改正。

 現在、俺が乗っている馬車は街の門からのびている行列に並んでいる。馬車の中だからあまり分からないがどうやら門番が検問をしているようだ。しばらく並んでいると門番の人に呼ばれた。


「次の方どうぞー。……メイドという事は馬車の中にいらっしゃるのは貴族様でございましょうか?」

「はい。これで確認を」

「これはこれは、アイン男爵様でしたか。なら問題ないですね。どうぞお通りください」

「いつもお疲れ様です」


 外からそんな会話が聞こえてきた。……門番さん、中の検査はしなくていいの? いくら高貴な人でも検査くらいは必要だと思うんだが……。意外とガバガバなんだな。


 ともあれ無事に街の中に入ることが出来た。

 ドナンドの街並みは中世のヨーロッパを連想させた。だが、レンガ作りの所もあれば木造の所もあるので色々な文化が混ざっている。その中でもレンガ作りの建物が一番多いようだ。


 馬車を避けるようにして歩いている人々の服に関しては個性的なものもあれば意外なことに現在に似た服装もあった。こちらも色々な文化が混ざっている気がする。ただ、着物や袴は見かけなかったな。

 服以外にも魔物がいる世界だからか剣や槍などを持ったがたいの大きい人たちがいた。冒険者……でいいのかな? 


 やはりこの世界はテンプレなファンタジーのようで人間以外にもドワーフやエルフみたいな人達もあまりいなかったが見かけた。その時は内心興奮してしまったな。


 他には屋台が沢山あるくらいかな? いい匂いを漂わしてみたことのない料理を振舞っていたり、地味な物から派手なものまで様々なアクセサリーを売っていたりしていた。

 中には何に使うのか分からない物もあったのだが、それは異世界なのだからしょうがないと割り切るしかないな。


 とまあ、色々な所を見ていたら馬車が止まった。


「ご主人様。宿にご到着しました」

「ああ、お疲れ様。馬車の駐車を頼んだ」

「かしこまりました」


 両親が馬車を降りて宿に入る。宿はきちんと掃除がしてあり、調度品がいくつか見える。これ高いところだよね? 


 受付は宿に入ってすぐの所にあり、受付人の身なりは街の人達よりも良く見える。後、イケメン。……この情報はいらないか。


「2日間宿を取りたいのだが良いだろうか?」

「これはアイン男爵様。ええ、取れますよ。部屋はいつも通り2部屋のダブルとシングルで食事有りでよろしかったでしょうか?」

「ああ」

「はい、では代金が金貨3枚をございますね」

「これでいいか?」


 父親は受付の所に3枚の金貨を置いた。この世界のお金は金貨だったんだな。初めて見た。

 それに会話からして、宿は毎回ここにしているみたいだね。


「はい、ではダブルは301号室を、シングルは202号室をお使いください」


 父親は了承して、言われた番号の部屋に入る。部屋の中はベッドを2つと机、椅子、丁度品などがあった。

 後は、天井に橙色に光っている石が1つ埋まっている。これは……電気の代わりになるのかな? 


 コンコンコン


「誰だ?」

「イリスです。ご主人様」

「イリスか。202号室に荷物を置いてから来なさい。その後に、紅茶の用意も頼む」

「かしこまりました」


 イリスが戻ってきたみたいだ。半日間馬車を動かしていたのに疲れていないのかな? 少し休んだ方が良い気もするが……。

 

 俺は2つあるベッドのうち1つに置かれて、2人は椅子に座った。

 そして夕方頃まで両親が会話をしていたところで、ドアからノック音が響いた。


「誰だ?」

「アイン男爵様。店員でございます。只今食事の用意が完了致しました。いつも通りこの部屋でお食事なさいますか?」

「ああ、この部屋で頼む」

「かしこまりました。すぐにお食事をお持ちしますのでしばしお待ち下さい」


 どうやら食事タイムみたいだ。さて、どんなものが出るだろうか? やはり豪華なのだろうか?


 3分程待つと料理が出てきた。料理は白パン2つに色々な具が入ったスープ、紫キャベツみたいな野菜が多く入っているサラダ、肉汁が凄いステーキがきた。他にも出て来ているのだがよく分からない料理ばかりだ。

 どれも美味しそうで凄く良い匂いがする。俺も食べたいなあ……。


「パンのおかわりをご所望の場合はお呼びください。デザートは食べ終わる頃にお持ちします」


 店員さんがお辞儀してから部屋を出ていった。


「ここは毎回美味しそうなものを作るから良いな。さて、食べようか」

「そうね、ここの料理は美味しいからいいのよね」

「「この食にありつけることに感謝を」」


 この食にという言葉は前世で言ういただきます……で合っているよな? この世界にもこのような習慣があるんだな。


 それにしても美味しそうに食べるのはいいのだが、これ完全に飯テロだろ……。俺は産まれてからずっと乳を飲んでいるだけなのだからステーキとかを凄く食べたい。


「あううう~」

「あら、どうしたの?お乳の時間かな?」


 違う、食べたいのはその料理の方だ。もう腹いせに沢山飲んでやる! そのせいで少し胸を揉んでしまうかもしれないが……仕方ないな! 赤ちゃんなのだから!


「ん……、全く……駄目よ。そんなふうにいたずらしちゃ……」

「まだカイは揉んでいるのか?」

「そうなのよねー。少し前からやりだしてからはずっとよ」

「やっぱり将来は女誑しになるかもしれないな」

「そうならないようにもしっかりと教育しないといけないわね」


 両親に心配されているが赤ちゃんなのだから大丈夫大丈夫。……大丈夫だよな?

 そして乳を飲み終わり、母親が再び食事をとり、しばらくして両親が食べ終わる頃。


「アイン男爵様、デザートをお持ちしました」

「そうか、中に入って机に置いておいてくれ」

「かしこまりました」


 デザートはスポンジにジャムを塗り色々な果物を置いたものになるのかな? 若干果物の色がおかしい気もするが……気のせいか? 

 だがまあ……普通においしそうだ。


「ここのデザートはいつ食べても美味しいわね」

「城の中では別だが、王都でもあまり食べられないからな」


 ……え? このレベルで王都でもあまり食べれないレベルなの? ということはデザートの種類は少ない感じなのか? クリームを使わずにジャムを使ってるのは、クリームがないのかただ単にそのようなデザートなのかどちらかか。

 これはいけない。デザート関連の知識を広めないと。デザートは絶対に必要だからな。

 

 10分程掛けて両親はデザートを食べ終わると食器類を下げさせ、タオルで体をふき始めた。

 やっぱりお風呂はないのかな? 俺が産まれてから風呂など入ったことがなく、精々タオルで体を拭いてもらっているくらいだからそんな気はしていたのだが……。水魔法と火魔法でどうにかならないのかな? 

 両親が寝着に着替えると寝る準備を始めた。


「イリス、俺たちはもう寝るからイリスも部屋に戻りなさい」

「かしこまりました」


 イリスは両親にお辞儀をしてから部屋を出た。食事の時に何も食べていなかったからこれから食べるのかな? とりあえず1日お疲れ様です。

 

 そういえばまだ明るいままだよな。どう消すのだろうか? と思っていると母親が調度品の所まで行き、なにやら操作をすると部屋の中が真っ暗になった。……本当に電気みたいだな。


 その後、両親がベッドに入り寝始めたから俺も寝ようか。おやすみー。

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