優しい女神
とっても可愛らしい女神の登場
「起きて」
女性の綺麗な声を聞いて僕は目覚めた。
目の前には声の主である綺麗な女性が立っていた。
髪は銀色で腰まで伸びていて、真っ白な羽衣に身を包み優しくこちらを見守っている。かわいい
「二人ともやっと起きてくれましたね。」
二人と聞いてふと横を見るとナオキと目があった。
「ちぃーす」
「うぃーす」
親友もいることで少し心に余裕ができ、軽い挨拶を交わし現状について考える。
真っ白な空間で綺麗な女性と3人のシチュエーションなんてまずあり得ないだろう。
すると綺麗な女性が口を開く。かわいい
「早速ですがお二人は死にました。非常に残念です。二人の会話をいつもこっそり聞いくのが趣味でしたのに」
さりげない悪趣味を挟んで、優しそうに笑う女性の言葉に思い出した。
死んだのは予想がついていたのだが、そういえばあのとき僕はナオキを助けようとしたんだっけ。
こいつあのとき踏ん張りやがったよな
「ナオキてめぇ!せっかく救ってやろうとしたのに踏ん張りやがって!」
「そりゃお前もだろうが!何で相撲中に死ななきゃならねぇんだよ!」
「ははは!すげぇアスリートっぽく言うんじゃねえよ」
「てかこっそり俺たちの会話きかれてたの!?」
「ほんとだ!さらっと悪趣味さらしたおねぇさん誰なの?」
二人で綺麗な女性を見つめ質問をすると女性は口を開いた。
「ふふっ。すみません。私、実は女神なんです。といっても何かを司る神とかじゃなくて信仰を集めて神になっただけなんですけどね。ジャンヌと言います。よろしくね」
聞き覚えのある名前にナオキは
「へぇ。まるでジャンヌダルクみたいだねぇ」
「それ僕も思った。すごいかわいいし、これは生きてるときから天使って呼ばれてるよね」
「ふふっ。それは有難うございます。ほめられると照れてしまいますね。推察どうり私がジャンヌダルクで間違いありませんよ。」
予想が当たりどや顔のナオキをよそに女神に訪ねる
「それでジャンヌさんはなんで僕らをここに呼んだんですか?」
「いやぁ、それは大変申し上げにくいんですが」
女神は恥ずかしそうに目をそらしながらなおも続ける。
「二人には異世界に転生してもらいたいなぁ、、、なんて///」
「はぁ?なんで!?」
「ははは!ナオキは表情豊かだな。どや顔のまま驚くなよ」
「実は私二人のお話を聞くのが趣味で死なれると本当、暇になっちゃうんですよね。あっ、、でもそれだけじゃないんですよ!!ほら、二人って他人のために命を投げ出すほどの正義の持ち主じゃないですか!」
「まぁ二人とも死んじゃったんだけどね」
「ふふっ。やめろ。空気読め。」
「そっ、、、それでですね!このほんわかした気持ちを異世界の人達にも分け与えたいなって思ってですね!」
あわあわしているかわいい女神にナオキが質問する。
「ほんわかしてるのはジャンヌさんの説明だよ。ははっ。まぁいいや。こいつと二人なんですよね!異世界ってどんなところなんですか?」
女神は嬉しそうに
「おっ!どうやら乗り気のようですねぇ!その世界は魔法あり!モンスターあり!魔王あり!そんな小競り合いに人々の心が疲れきってるところです」
「いや、こえぇよ!神様にとっての小競り合いでかくない!?」
「そうだよジャンヌさん。そんなバイオレンスな世界に転生されても僕達すぐ再会しちゃうよ」
「安心してください!お二人にはお望みの力をひとつだけ授けます。わたし、一応神なんです」
ふふんっ!と、ドヤ顔する女神。かわいい
「へぇ。どんなものでも?」
「望みの力っていったもんね」
女神はどや顔をやめて少し小さめの声で言った。
「えっと、ひとつだけですよ。これ実は他の神様にバレないようにこっそりやってるんですから。」
「完全に趣味で転生させられてるの!?」
「ははは!ジャンヌさんおもしろいね。でも世界を救えとか言われるより気が楽でいいや。」
「まぁ、世界を救うのは勇者のお仕事ですので。さぁ願いを言え!どんな願いもひとつだけ叶えてやろう!」
女神は腕を組み胸をはってドヤ顔で言ってきた
「この女神ノリノリだなぁ」
「なんかどっかで聞いたことあるフレーズだ」
じゃ遠慮なく
そう告げるとナオキは願いを言った
「なら俺は何者にも勝る強靭な身体がほしい!どんなやつも一撃で倒せるような身体だ!」
「ははは!なら僕は無限の魔力がほしい!せっかくの魔法の世界なんだ!」
「ちょっ、、それは少し」
「なんでだよぉ!ジャンヌさん神様なんだろ!約束守ってよぉ!ひとつだけ叶えてくれるんでしょ!」
「そうだそうだ!できるって言ったじゃないか!神は死んだ!」
「ぐぬぬ。ニーチェみたいなこと言わないでよ、、、わかりました!!ですが3年間我慢してください!さすがにその願いは神に匹敵する力を身に付けるので時間がかかります。」
「ははは!いけるかよ!」
「ジャンヌさん以外とちょろいな」
「き!こ!え!て!ま!す!よ!」
「「ははぁ!もうしわけございませぬ~」」
二人でおどけたように土下座をして頭を下げた
「ふふふっ。愉快な子達ね。さて!3年間はこちらの記憶がありませんがふと思い出すことになるでしょう。お二人の再会ができるだけ早くなるようにこちらで手をまわしますね」
女神の言葉を聞いて僕とナオキは向かい合った
「次会うときは俺のパンチでお前をピチュンしてやるよ」
「ははは!楽しみにしておくよ」
「ふふっ。それではお二人とも異世界でも頑張ってくださいね。
たまに覗きますので」
「「えっ!?」」
僕達の記憶はここで途絶えたのだった
女神の趣味は二人の覗き見と盗み聞きすることです。
この趣味のため転生させました。