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ラーミャ祭り【下僕】
神崎君が勇者として、異世界に召喚された。それに僕は巻き込まれてしまった。でも・・・周りは付いて来たんだって言う。
・・・いつもそうだ。
彼らはいつだって、自分本意だ。そして、神崎君は絶対。
そんな彼らに僕は奴隷みたいに扱われた。名前は呼ばれず、下僕と呼ばれた。
悔しかった。彼らにされた事も悔しかったけど、それ以上に悔しかった事がある。
それは、彼らにイジメられていた南雲灯だ。彼女は屈しない。彼らのイジメに耐え、前を見ていた。
悔しかった。
彼女は今、いない。ラーミャ祭りという所謂、豊穣祭に参加する自分達の中に彼女の姿は無いのだ。
王宮を追い出された彼女が今、どこにいて、何をしているのかは分からない。
でも、何故か悔しい。彼女の姿は無いのに。
情けない・・・まぁ、従うしかしなかった下僕ですしね。