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物語は、とある少女の考えから始まる。
ひとは、夢をみる。
いろんな夢を。
もしかしたら。
そう、これはもしもの話である。
夢に出てくる世界、登場する生き物たちが全てどこかに存在するのだとしたら。
自分たちがこうやって過ごしているところも、誰かの夢に出てきているのではないのだろうか。
それは主人公なのかもしれないし、
はたまた、とんでもなく目立たない脇役なのかもしれない。
自分の場合は、どうだろう?
主人公に向いているだろうか・・・
否、向いていない気がする。
だって、
こんな性格の自分が、
こんな大して才能のない自分が、
こんな生き方をしている自分が、
主人公?
あり得ない。
なら脇役らしくしていよう。
脇役はどんなに頑張ったとして、
主人公のように輝かない。
依存も、干渉も、期待も、努力も、
やめてしまおう。
そんなふうに考えた少女がいた。