埃
私の心のすみっこに
綿になってぐるぐる
渦を巻く灰色の埃が
あった
このくらい
大したことじゃない
と、埃を放っておいて
知らん顔していたら
心の中が見えなくなるほど
灰色に覆われてしまった
払っても払っても
埃はつむじ風となって
心の中を駆け巡り
舞い上がっていく
こんなはずじゃなかった
見えなくなる心
見えなくなる私
助けて、と声も出ず
身悶えて、のたうち回って
終わらない苦しさを
あちらこちらにぶつけていった
誰かに心を引きちぎられると
埃は一斉に外へ出て行った
心を引きちぎったのは
誰か
私は
埃だらけの両手を呆然と見つめた