10、階層2,「ファームレア」
今回、いろいろと忙しくて投稿遅れました。待ってくれていたかたすいませんです。はい。
「おお~~!!」
隣でコウが歓声をあげた。まあ、この俺もびっくりした。だって、さっきまでは確かに、洞窟にいたはず、ここは建物の中のはずだ。なのに、今俺たちの前には、立派な農村が広がっている。
「おや、旅人さんかい?」
風介たちが突っ立っていると、優しい笑顔のおばあさんが声をかけてきた。
「へえ、<ふぁんとむ>というのかい、まあこんな所で立ち話も疲れるだろう、うちによっていきなさいな」
<ファントム>のたどたどしい発音に苦笑しながらも、お言葉に甘えることに。
結局、なんだかんだで一泊させてもらい、その間に色々な話を聞いた。例えば、この村は「ファームレア」、農民が暮らす町。おばあさん、名前を「ニムダ」と言うんだけど、彼女が知る限り、ここ40年は少なくとも旅人がくることはなく、俺たちはとても珍しいということだ。だからか知らないが、この町の住民はみんな親切で、中でもニムダさんの孫娘、「カウナ」とは大分、結構仲良くなり、色んな場所を案内してもらった。今もその最中だ。
「~で、ここがお医者さんで、こっちが開けずの扉。」
「ちょっと待った。その<開けずの扉>ってのはなんだ?」
尋ねたのは康太だった。
・・・本来、RPGとかだと「開かずの扉」だとおもうのだが…。するとカウナは、
「えっとね、この扉には86年と4か月前から言い伝えがあって、」
ずいぶん具体的な年月だ。
「この扉を開けると、中から恐ろしい〈怪物〉が出てくるとか、出てこないとか…」
なんで言い伝えの始まりの年月が具体的なのに内容が不透明なんだ。
「それで、この村ではその扉を開けてはいけないことにしたんだ」
怪物、という単語のとき、俺たちは目配せをした。アイコンタクトともいう。
実際、俺たちの場合は校舎がダンジョンだった。つまり、ファームレアでは、この扉がダンジョンの入り口、ということも十分に考えられる。だとしたら、早くも次の階層へと思うが、自分ひとりで決められることではないのでとりあえず、先を進むカウナについていくことにした。
その夜、俺たちが二ムダばあさんの家で和んでいると、突然外から、具体的には北側、例の扉のほうから耳をつんざくような悲鳴が聞こえた。
俺たちが駆けつけると、ひとりの少年と、彼の母親らしき女性が倒れていた。
「ええ!!?…だ、大丈夫ですか!?」
一瞬呆気にとられたが、慌てて女性を助け起こすと、女性は気を失っていた。また、体には無数の傷がついており、誰がみても、一目で危ない状態だとわかる。丁度、開けずの扉の横には医者があるので、二ムダとカウナが連れて行った。俺たちは残る少年を確かめる。
「一体、何があったんだ?」
聞くと、少年は体を細かく震わせながらも話してくれた。
この夜、少年と母親は、村の居酒屋で食事をした帰りだった。
仲良く会話をする帰路、この開けずの扉の前を通りかかると、突然中から「黒い影」が飛び出してきて、自分たちに襲いかかった。自分は何とか助かったが、母親は集中攻撃を受け、倒れてしまった。風介たちが来たら、再び、扉の中に戻っていった、ということを話して、少年は気絶してしまった。
頑張って話してくれたことに感謝していると、マリンがこえをかけてきた。
「…ちょっといいか、風介」
マリンにつれられ、路地にはいると、唐突に話し出した。
「…今回、彼らが襲われたのはおそらく、俺たちが村に入ったことが原因だと、思う」
「えっ?」
「…つまり、この世界はゲームのようなものだ。というか、ゲームそのものだと俺はおもっている」
言いたいことがわからない。
「さっきのカウナとの会話、少年の証言より、一つの仮定がたてられる」
どうでしたか?なんかどっかの推理小説っぽくなってしまった…。
これからも読んでいただけたら嬉しいです。
続きます。




